50歳からのキャリア転職を成功させるための心構えとは?

「50歳を過ぎたらぜいたくは言えません。仕事を選べる立場じゃないんですから」、「離職したら3カ月以内に仕事を決めないと、あなたの鮮度は落ちます。とにかくより好みせず早く仕事を決めて下さい」

転職の相談に行ったら、自分よりはるかに若いカウンセラーにこう言われて、とても焦っている……こんな相談をよく受けます。でも考えてみたらおかしいですよね。今までバリバリ働いてきているのに、50歳を過ぎたら急に能力が落ちてしまうのでしょうか。

そんなことは絶対にありえません。生鮮食品でもないのに、すぐに賞味期限が切れてしまうことなどはありえないのです。

では「どうして50歳になったら仕事がない」と言われてしまうのか、「50歳からキャリア転職を成功させるにはどうしたらいいのか」、今回「社会人材学舎」が、じっくりとお話していきます。

目次

50歳で転職を成功させるために

「50歳になったら仕事がない」は本当か

50歳で転職を考えている方は少なくありません。 会社に対する不安やリストラ、人間関係の問題や60代以降のキャリアを見据えて50歳での転職を考える方は増えてきています。

なぜ50歳での転職が現実問題で厳しいと言われているのでしょうか。実際に転職を成功させた人はどんな特徴をもっているのでしょうか。

50歳からの転職を成功させたい方が知っておくべき内容をご紹介します。

50歳になったら仕事がない本当の理由

「50歳からの転職は仕事がないから厳しい」といわれている原因はいくつかあります。 「役職定年による大幅な減給」「理不尽な異動」「早期退職」などが退職の一般的な理由でしょう。転職活動に関しては希望年収が高かったり、ブランク期間があったり、年齢が上がるにつれて企業が採用しなくなるといったさまざまな要因があります。

しかし、転職活動において50歳になったら仕事がないといわれる本当の原因は「企業に対してなにができるか真剣に考えず、十分な準備をしていない」からです。

企業が本当に求めている人材は、「発揮できる能力があり、熱意があり、共に苦労をする覚悟を持っている人」になります。

実際に社会人材学舎へ相談しにいらっしゃる経営者の方々は、経験豊富な人材を求めています。しかし共通しているのは「自社をしっかりと理解し、貢献してくれそうな人」を希望していることです。50歳での転職活動ではある程度これまでの経験やスキルがあるため、なんとなく次の仕事を探せば見つかるだろうといった熱意がない50歳が多く、仕事がないといわれてしまうのかもしれません。

50歳で転職を成功させた人

50歳で転職を成功させた人は、しっかりと事前準備を行っています。 スキルや経験はもちろん大事ですが、同様に「どういった理由で転職を希望しているのか」「企業に対してどのような思いで応募したのか」も重視されます。

転職理由として考えられるのは会社の倒産やリストラ、人間関係トラブル、理不尽な降格や転勤、体調不良などの問題も原因の一つです。しかし、このようなネガティブな理由で退社したことを伝えるのは良くありません。

50歳で転職を考える人は、60代になってもこれまでの経験やキャリアを活かしてバリバリ働きたいと思っている方が増えています。50歳以降のキャリア設計をする上で、自分にとってさらにやりがいが感じられる仕事をしたいと考える方もいるでしょう。

倒産やリストラはどうしようもないですが、50歳で転職を成功させたいのならスキルや経験をプラスにしてどういった場面で企業に貢献できるのか考えてみましょう。

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思い切って転職しよう

思い切って転職しよう

明らかに理不尽な待遇を受けるようであれば、転職するべきでしょう。安易な転職は問題ですが、むだに我慢して心や体を壊すようでは意味がありません。また、なるべく早く決断した方が、転職の確率も高くなります。「そうはいっても、実際のところ、なかなかいい仕事がないんだよね」、そういう声が聞こえてきそうですね。

たしかに50代以降のキャリア転職を成功させるには、いくつかコツを知っておかなくてはなりません。まずは、50歳で転職に失敗しやすい人の特徴について詳しく解説していきます。

50歳で転職に失敗しやすい人の特徴

ここでは50歳で転職に失敗しやすい人の特徴を具体的に5つご紹介します。 「50歳で転職をするのは現実的に厳しいのではないか」と感じている方は、自分が当てはまっていないか確認してみましょう。

仕事や希望条件のこだわりが強い

自分の仕事や希望条件へのこだわりが強すぎる方は、転職に失敗する可能性が高いです。役職や年収にこだわって転職活動をするのではなく、採用されることを第一に考えましょう。若い世代に比べると50代での正社員雇用の割合は低い傾向にあります。パートや派遣社員での採用も視野に入れ、雇用形態や年収にとらわれすぎず転職活動を行うことが50歳での転職を成功させるためのポイントです。

自分の強みを理解していない

自分自身の強みを理解していなければ、企業側は求人者が求めている人材かどうか判断できません。自分の強みとは、仕事を通して身につけたスキルまたは経験のことを指します。企業が求める人材とマッチしているとアピールするためにも、自分自身を分析し強みを把握することが重要です。

プライドが高い

プライドが高すぎる方は転職活動が上手くいきません。過去の経歴や役職にこだわっているつもりはなくても、無意識に転職先を選別している可能性があります。また、プライドが高いと扱いづらいと思われ、採用されなくなります。前職での経歴や役職をアピールすることも必要ですが、50歳での転職を成功させるためには「中途採用として企業の役に立ちたい」という気持ちを重要視しましょう。

転職市場や企業の分析ができていない

事前に転職市場や企業分析をしていない方は、転職に失敗しやすいかもしれません。50歳の転職を成功させるためには、企業が何を求めているかを正確に把握する必要があります。例えばスキルや経験があっても企業がその人材を求めていなければ、転職市場における価値は低いと考えられます。今までの会社で評価されてきたことが、他の企業では同じように評価されないことも珍しくありません。転職市場を理解することで、企業が求める人材を把握し転職活動に活かしましょう。

相談せず1人で転職活動を進める

誰にも相談せず1人で転職活動をすると失敗する可能性があります。50歳での転職活動を成功させるためには、他人の意見を参考にすることも大切です。家族や友人などにアドバイスを聞いてみるのも良いでしょう。周りの人に相談しにくい方は、転職エージェントを利用すれば無料でキャリアアドバイザーに相談できる場合もあります。

50歳からのキャリア転職を成功させるコツ

まず結論からいってしまうと、

  1. 待遇を求めすぎない
  2. 会社の規模にこだわらない
  3. 実績と経験を活かす

この3つを守れば、満足のいく転職は十分可能なはずです。

データでみる50代以降のキャリア転職状況

コツをお話する前に、まずは50代以降の転職状況が実際どうなっているのかをしっかりと把握しておきましょう。

■転職可能な年代

労働政策研究・研修機構が2016年におこなった転職の調査で、転職した人の年齢を確認すると、下記の数字が明らかになりました。

  • 44 歳以下:45.5%
  • 45~54 歳: 26.8%
  • 55~59 歳: 12.3%

※一部データ抜粋

全体の約80%が60歳以下での転職であり、55歳を超えると転職できる確率が大きく減少するのがわかりますね。

参考:2016年 労働政策研究・研修機構 中高年齢者の転職・再就職調査

■転職者の採用理由と待遇決定の要素

厚生労働省が実施した「平成27年転職者実態調査の概況」によれば、転職者の採用理由は「経験を活かし即戦力になるから」が60%以上、次いで「専門知識・能力があるから」が約50%を占めています(複数回答可)。また、転職者の待遇(賃金・役職)を決める要素としては、「経験・能力・知識」が71.4%、次いで「年齢」46.3%、「免許・資格」35.9%という順番になっているようです。

つまり、待遇はあとからついてくるもの。まずは「いかに実績と経験を活かせる職場に巡り合うか」が、重要だということです。合わせて、資格取得もやはり進めておくべきですね。

参考:平成27年転職者実態調査の概況 2 転職者の採用状況 (1)転職者の採用に当たり重視した事項

キャリア転職を成功させる3つのコツ

キャリア転職を成功させる3つのコツ

ここからは具体的な3つのコツについて説明していきましょう。

待遇を求めすぎない

年収や役職にこだわりすぎると、転職の可能性は著しく下がります。逆に「多少下がってもしょうがない、それよりもやりがいのある仕事を一生懸命やろう」といったスタンスの方が、キャリア転職を成功させやすいのは間違いありません。ただ、扶養する家族がいる場合、収入の低下をどこまで許容できるかは、家族(特に妻)でしっかりと共有しておく必要があるでしょう。

また転職当時の給与水準は多少低くても、結果を出せば一気に引き上げてくれることも多いものです。そういった意味では、社長に権限が集中する中小企業の方が、最終的な転職者の満足度は高いかもしれないですね。

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会社の規模にこだわらない

前にも触れた労働政策研究・研修機構の調査によると、40〜59歳が働く企業規模は、中小企業(300名未満)が62.5%を占めています。これは単純に、大手企業じゃなければダメと線引きをしてしまうと、キャリア転職の可能性が半分以下になるということです。

また、中小企業の場合、最初の給与設定は低くても、あとから上昇する可能性が高いというのはすでにお話しましたよね。しつこいようですが、キャリア転職を成功させたいなら、会社の規模にはこだわらないでください。

実績と経験を活かす

言うまでもなく、キャリア転職は「即戦力」が求められます。即戦力とは具体的にどういうことかといえば、これまでの「実績と経験を活かす」ことにほかなりません。つまり自分が考える実績・経験と、相手の求める実績・経験がマッチしないと、キャリア転職はうまくいかないということなんですね。

ところが転職エージェントの立場からいうと、案外多くの人が、自分の市場価値をきちんと把握できていません。もちろん自分なりに実績・経験・強みをリストアップするのですが、どうしても自分の資産の棚卸しが甘くなりがちです。でも大丈夫です。そのためにわれわれ転職エージェントがいるのですから!

転職を考える50歳が抱える悩みや疑問

50歳での転職は厳しいといわれていることもあり、不安に思っている方は多いでしょう。ここでは、50歳からの転職を考えている方が抱える悩みや疑問にお答えします。

50歳の転職で資格やスキルなしでも転職できるか

50歳で資格やスキルがなくても転職はできます。特定の資格が必要となる業界もありますが、資格を取得しなければ転職ができないわけではありません。資格をとって転職活動を進めるよりも、今までの経験やスキルなど50代での強みを活かせる業界を狙うことがポイントです。転職活動を有利にするために資格取得をしても、実務未経験の場合は若い世代が採用される傾向があるためおすすめしません。人命に関わる医療業界や、建設・建築業界などの専門資格が必要な仕事はありますが、そうでない業界は必ず資格の有無が重要視されるとは限らないため、未経験業界への転職も可能です。

50歳の転職で年収は上がるか

50歳の転職は一般的に年収が下がることが多いでしょう。しかし、自分の強みを活かして高待遇で採用されれば年収が上がることもあります。今までの実績や専門知識、スキルや経験などを具体的に整理し、自分にできることを明確にして企業にアピールしましょう。また、自身に合った転職先を見つけるために転職エージェントを活用するのも一つの方法です。転職エージェントの非公開求人を紹介してもらうことで、優良求人に出会える可能性も高まります。

50歳で未経験の業種に転職できるか

50歳でも未経験の業界へ転職できます。例えば、専門性の高い経験やスキルがある場合や、高度なマネジメントスキルを持っている場合は業界をまたいでも活躍できると判断されます。これまでの経験やスキルと、企業の求める人材との接点を強みにして転職を成功させましょう。しかし、これまでの経験を活かすことができない業種への転職を希望する際は、正社員で採用されない場合や年収が下がることもあるため注意が必要です。

50歳の転職活動期間はどれくらいか

50歳の転職活動期間は3〜6か月程度と言われています。その中でも3か月以内に転職活動を成功させるケースが多く、6か月を過ぎてしまうと極端に転職率が下がる傾向にあります。若い世代と比べると50歳の転職はすぐに内定が得られない可能性があるため、転職活動を行う際は3ヶ月を目安に計画を立てると良いでしょう。転職活動が長引くと、企業からブランクがあると思われてしまう可能性があります。

また、転職活動は在職中に行うと精神面や金銭面にとらわれずに転職活動ができるためおすすめです。

50歳で転職エージェントを活用するメリット

50歳での転職活動は、転職エージェントを活用するのがおすすめです。なぜ転職エージェントを活用することが転職成功に繋がるのか、メリットを以下にてご紹介します。

キャリアアドバイザーが企業とのやり取りを担当してくれる

自分で転職活動をする際、自分一人ですべてを行わなければならないため膨大な時間と労力が必要です。自分の希望している求人を探すのも一苦労でしょう。転職エージェントを利用することで、キャリアアドバイザーが自分に合った求人を紹介してくれます。それだけでなく、面接の日程や入社日等のスケジュール管理もしてもらえるため、在職中でも負担なく転職活動が可能です。

非公開の求人を紹介してもらえる

転職エージェントを活用することで、非公開求人を紹介してもらえます。人気のある大手企業の管理職募集や、非公開の新規プロジェクトに関する求人などは、世間一般に公表したくないケースがほとんどです。50代を採用したいと思っている企業は、経験豊富で知識がある人を求めています。企業側は条件を満たす人に直接募集ができる転職エージェントを利用することで、選考に膨大な時間を掛けることなく効率の良い求人募集が可能となります。

非公開求人は条件を満たしている方だけに社名が公開されますが、希望条件がマッチしない場合は紹介してもらえないため注意してください。

求人の種類が増え優良求人に出会う可能性が高い

自分で転職先を探すよりも転職エージェントを利用したほうが求人の種類が増えるため、希望の転職先が見つかる可能性が高まります。特定の転職エージェントでしか応募できない「独占求人」を取り扱っている転職エージェントもあるからです。独占求人はリーダーやマネージャーといった管理職や、経営戦略的に競合他社に知られたくない条件が良い求人も多く含まれています。転職エージェントを活用し優良求人を狙うことができるのもメリットの一つです。

応募先の企業情報を事前に入手できる

転職エージェントのキャリアアドバイザーは、求人先の人事担当者や管理職と密に連絡を取り合っている場合もあります。企業のリアルな様子や社内事情を聞くことができるかもしれません。また、事前に面接情報を把握することも可能です。Webサイトでは知ることができない企業情報を事前に入手することで、転職先の選定や面接対策にも役立つでしょう。

応募書類や面接の通過率が高まる

転職エージェントを利用すると、応募書類や面接の通過率が高まります。転職エージェントでは過去の転職成功データがあるため、企業の人事担当者が重要視する点も把握しているでしょう。それを踏まえて面接対策も行ってくれるため、効率的に準備ができ対策を練ることも可能です。また、優秀なキャリアアドバイザーから推薦されれば企業側が応募者を期待してくれるケースもあり、最初から良い印象を持ってもらえるでしょう。

50歳からのキャリア転職には、転職エージェントの力を借りよう!

50歳からのキャリア転職には、転職エージェントの力を借りよう!

まず結論から言いますと、50歳からのキャリア転職には必ず転職エージェントの力を借りましょう。おそらくあなたが想像しているよりも、50歳からの転職は厳しいものです。転職市場の中心はあくまでも20・30代ですから、いくら50代・60代の転職市場需要が高まっているとはいえ、やはり求人数の少なさは否めません。

その少ない入り口を突破するためにも、転職エージェントのサポートは不可欠です。例えば多くの50代・60代がなかなか突破できない「書類審査」に関しても、どうやったら興味を持ってもらえる書類が作れるか、というところから、サポートしてもらえます。ぜひ上手に利用していきましょう。

転職先がなにを求めているかを考える

あなたは、これから転職先で一生懸命働こうという気持ちを、十分に持っていらっしゃると思います。本当に素晴らしいことです。しかしあえて厳しいことを言えば、あくまでもあなたは雇ってもらう立場です。自分の気持ち以前に、企業側が50歳以上の人材になにを求めているのか、もっといえば、”なにを心配しているのか” をしっかりと頭に入れておくべきではないでしょうか。

  • 企業が望むスキルや経験があるか
  • 新しい職場環境に順応する気持ちがあるか
  • 新しい業務へ積極的に挑戦する気構えはあるか
  • わからないことは素直に教えを請う柔軟性はあるか
  • 前職の役職や待遇を新しい職場に要求しないか
  • 年齢的に病気やケガの心配はないか

面接時にこういった心配は一切ない旨をしっかりアピールできるように、転職エージェントに手伝ってもらい、準備をしておきましょう。

自分が転職先になにができるか

自分が転職先になにができるか

ここまで何度も触れてきましたが、結局最後に大切なのは、「自分が転職先になにができるか」です。転職先も慈善事業ではありません。自分の会社に役立ってくれる人材が欲しいのです。もうこれは、年齢は関係ありません。あなたが60歳以上だとしても、会社に有益な人材なら必ず転職は成功します。厳しい話ですが、転職がうまくいかない最大の原因は、「あなたのスキル不足」か、あるいは「持っている実績と経験をきちんと伝えられていない」からです。

転職前にじっくりと時間を取り、転職エージェントのアドバイスを受けながら、自分の資産の棚卸しをしてみましょう。50代になったら仕事がないと言われていますが、決してそんなことはありません。キャリア転職ならではのポイントをしっかり守り、自分が転職先企業に対してなにができるのかをきちんと伝えられれば、かならず転職は成功するはずです。

ただし50代からの転職には、やはり転職エージェントのサポートは必要でしょうね。特に求人の少ないキャリア転職市場においては、「社会人材学舎」のようなミドルシニア専門の転職エージェントの力は不可欠です。ぜひ一緒に50代からのキャリア転職を成功させましょう!

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