キャリア自律の第一歩。転職に前に知っておきたい後悔しない為の転職術

実は転職した人の3人に1人が、転職したことを後悔し、前の会社に戻りたいと思っていることをご存知でしょうか。転職というものは実にエネルギーを要するものでして、求職先を探し、応募書類を作成し、面接対策を行い、これを転職が決まるまでひたすら繰り返し、いざ決まったら今度は現職場で退職に向けての調整と引継ぎを行い・・・、など、やること盛りだくさん。なのに、希望を抱いて入った会社で、すぐに前の職場が恋しくなる。どうしてこのようなことになってしまうのでしょうか。

仕事選びの優先順位

仕事選びの優先順位

最も大きな原因として考えられるのは、転職したいと思う動機、および、転職によって何を実現したいかを自分の中ではっきりさせた上で次の就業先を探しているかどうかです。さらに掘り下げると、「仕事選び」における優先順位が明確かどうか。例えば「今の会社の給料は安い、もっと年収アップしたい」という理由から、今より高い年収の会社への転職に成功したとします。

ところが、そこは以前の会社よりもハードワークであり、仕事を任される範囲も責任も多く、「確かに給与はいいけど、これじゃあ自分の時間がなくなっちゃう。これなら前の会社のほうがよかった」となってしまいますよね。当然、待遇が高くなることにより、以前より仕事がハードになることは入社前にある程度想定していたかもしれませんが、頭で想像することと現実では大きなギャップがあることもよくある話です。

自分の将来を描けるのは自分だけ

働くことに対する価値観は人それぞれです。給与もそうですが、仕事に対するやりがいや、将来なりたい自分の姿、会社の将来性や社風、経営者の魅力、などなど。その中でも最も強く影響するのは、処遇や雇用条件といったことよりも、やりがいやミッションへの共感、なりたい自分の姿、といった、内面に関わる要素が大きいと言われています。また、そのような内面に関わる要素はフックの力が強く、多少の困難があったとしても、「ああ、私はこれを実現したかったから転職したのだ」と改めて思い返し、再び新たなチャレンジに立ち向かえるのです。

転職前に行うべき2つの整理

転職前に行うべき2つの整理

転職をお考えのみなさま。まず、転職を決意する前に、次の2つを整理してみましょう。場合によっては、今の職場のほうがよりよいということもみえてくるかもしれませんし、転職先を選ぶ基準が変わってくるかもしれませんよ。

転職したい理由を「ネガティブ」「ポジティブ」の両面から洗い出す

ネガティブ理由が多い人は、転職後悔予備軍になる可能性が高いので、ポジティブ要因をできるだけ探してみよう!

ネガティブ

  • 今の職場の待遇に不満がある
  • 今の会社だとこれ以上の昇進は見込めない
  • 職場の人間関係に不満がある

ポジティブ

  • 将来実現したいことがあり、そのステップアップにしたい
  • 自分の実力を高めるために、新たな領域にチャレンジしたい
  • 自分の裁量をもって責任ある仕事をしたい

「仕事を選択する基準」における優先順位を決める

何が譲れて、何が絶対に譲れないか?
希望年収は多少下げてでも、ミッションに共感できる仕事を選ぶか、割りきって年収を選ぶか..など
優先順位を決めていないと、入社してからうまくいかなかったときに他のことに目がいってしまい、また辞めたくなってしまう可能性が・・・

転職しないほうがいい人ってどんな人?

私たちが求職者の方と最初にインタビューをさせていただくと、「正直なところ、この人は、今は転職すべきではないのではないか」と思うケースがあります。そんな時は、場合によっては、率直にそのように申し上げることもあります。では、どんな人だと「この人は今転職しないほうがいい」と思うのか。

転職後のキャリアに明確なビジョンがない

転職後のキャリアに明確なビジョンがない

まず1つめは、「今の会社や職場に不満があるものの、かといって、『これがやりたい!』というような明確な目標がない」ケースです。これは、比較的大きな規模の企業に勤めている方に多く見受けられます。目標がないまま転職すると、多くの場合、転職後に「元の職場のほうがよかった」と後悔します。

なぜなら、今の会社や職場への不満は、大体において相対比較から生まれているものではないため、いざ外の世界に出てみて初めて「実は元の職場はいいところだったんだ」と気づくのです。こうした方は、今の会社の中で仕事がマンネリ化したり、周囲との人間関係に問題があるのかもしれません。違う経験を積むために異動を希望する、コミュニケーションの仕方を変えてみるなど、社外に出るというよりは、社内でアクションできるところから取り組んでみるといいかもしれません。

ネガティブの感情から自分の可能性に気づいていない

2つめは、仕事の幅を広げるために違う経験をするにしても、転職しないほうが、その人にとってのメリットが大きいと思われるケースです。実際にあったケースですが、営業系の経験を多く積まれている求職者が、社内異動で経理部門に配属になりました。経理は学生時代に知識があったものの、実践での経験はなく、全く新しい仕事に四苦八苦し、限界を感じてこられて転職相談に来ました。これまでバリバリ営業成績をあげていたころの自分と比較して、スキル的に追いつけていない自分に対し「今の職場で役に立てていないのではないか」と自分を責めておられました。しかし、話を伺ってみると、上司から「お前は役不足だ」などといったネガティブな発言などはなく、むしろ「できるだけサポートするから」といった励ましを受けているとのこと。

これまで得意だった仕事から不慣れなところに移れば、誰しも自信を無くします。そのような心理状態のときに転職を決断するのはもったいないです。例えばこの方の場合、「経理」という新しい仕事の幅を習得できるチャンスです。経理職は今、転職市場においては人材不足で引っ張りだこです。自分の価値を上げるチャンスと捉え、今の職場にとどまってチャレンジしたほうがよいでしょう。むいているか否かを判断するのは、もう少し先です。

自分のセールスポイントを自覚できていない

3つめは、「自分はこれが得意だ」と言い切れる強みが自覚できていないケースです。キャリア形成におけるプランが明確な人は「自分の強みはこれだ!」と自覚できている場合が多いのですが、そうでない方は仕事の経験は積んでいるものの、「自分の得意なことって何?」とぼんやりしている方が少なくありません。そのような場合も、すぐの転職はお勧めできません。

自分の得意とするところ、何がアピールできるのかを自覚できていないと、応募する企業に対して自分を上手く売り込むことができません。売り文句がなければ、買い手側も魅力を感じて買う決断ができないでしょう。そのような方は、まず現状にとどまりつつ、自分の強みを見出していくこと、そしてその強みを活かすのに今の会社や職場が環境的に難しいならば、異動や転職を考える、といったステップがよいのではないでしょうか。

長く働ける職場探しの落とし穴

長く働ける職場探しの落とし穴

まずは自分の転職談から。私は30代終わりで最初の転職をしたのですが、その際、1か月半で退職しています。経営者への失望と社内の人間関係の悪さ、それにともなう離職者が次々と出てきている事実に驚き、本能的に逃げた、という感じでした。次を決めずに辞めてしまったため、慌てて就職活動をするも直近の失敗が響き苦戦、何でもいいからと選んだ次の職場も半年で退職することとなります。絵に描いたような負のスパイラルです。

安定を求めるばかりにうまく行かない転職活動

なぜこんなことになったのか?原因は自分の強すぎる安定志向だったように思います。
「次の会社を終の棲家にしたい」と考えてしまうと経営者や周囲との人間関係は我慢できないものになってしまいます。特に中小企業の場合、逃げ場もありません。「ダメな会社であれば早く脱出しないと年齢的にも手遅れになってしまう」というようなことを考えたように思います。今思うとそんなにおかしな会社ではなかったのですが。「最後の転職として長く働けるところがよい」というご相談をよく受けますが、この思いだけで転職するのは危険です。すべてに満足できる転職先というのはそうそうあるものではありませんから。

目的と目標があってこその転職活動

長く働くことだけが成功かというとそれも違う気がします。たとえ期間が長くなくてもその転職先で何かを得、次のキャリアに活かすことができたのなら成功した転職ということになるでしょう。多少難がある職場でも、「ここでこのスキルだけは身に着けたい、このような成果はあげておきたい」という目的・目標が明確になっていれば、そこまでくらいなら頑張れる気がします。ゴールがあると思えばある程度のことは我慢できる。そのうち成果が出てくれば人間関係も変わり居心地も良くなる。そんな感じの方がかえって長く働けるのかもしれません。

目的・目標は、「自分は最終的にこうなりたい」という方向性があって生まれてきます。転職に際し、それを考えるのは年齢に関係なく必要な作業だと思います。これから活動を始める方はぜひ、そこから考えてみてください。とはいえ、いきなりそういわれても難しいもの。なかなか思いつかない方は、ヒントになる無料講座もやっていますので、お気軽にご相談下さい。