大企業の人が中小企業に転職する不安を軽減してうまくやっていくには

これまで大企業で働いていた人が転職する場合、転職先は中小企業になることが多いはずです。中小企業には大企業とまた違った特徴があるため、大企業での価値観をそのまま持ち込もうとすると、大きな失敗や後悔にもつながりかねません。

今回は、「大企業から中小企業への転職を成功させるポイント」を、下記の3つの側面からわかりやすく解説していきます。

  • 大企業から中小企業へ転職するメリット
  • 中小企業ならではの特徴
  • 中小企業で活躍するためのポイント

大企業から中小企業へ転職するメリット

大企業から中小企業へ転職するメリット

一般的に中小企業よりも大企業の方が、働く条件は整っているものです。しかし中小企業には、大企業にはないさまざまなメリットがあります。

まずは中小企業に転職するメリットをしっかりと押さえておきましょう。

個人の裁量が大きい

「大企業で扱う仕事は大きくてやりがいはあるけれども、まるで組織の歯車になった気がする」という話を耳にしたことが一度はあるでしょう。 たしかに仕事の規模は大きくとも、すべてにおいて上司の決済が必要となり、各担当者ができることは案外小さいものです。

その点中小企業は、そもそも人材が少ないですから、一人ひとりにある程度仕事を任せてもらえます。これは自分の力を発揮したい人にとって、非常にやりがいのある環境といえるのではないでしょうか。

結果を出せば好待遇も期待できる

待遇面を見れば、中小企業は大企業よりも見劣りすることが多いでしょう。特に転職の場合は、新しい環境にうまくフィットしてくれるか未知数ですから、企業側としても最初は報酬を押さえたいというのが本音です。

しかし、中小企業はよくも悪くも「社長=会社」という側面が強いので、あなたが結果を出せば、待遇面が劇的に改善されるケースも決して少なくありません。そういうことから、転職の際にはあまり待遇にこだわりすぎないことをおすすめします。

意思決定が速いので仕事がやりやすい

意思決定が速いので仕事がやりやすい

中小企業における一番の強みは、「意思決定の速さ」だと思います。これが大企業になると、ひとつの案件が決まるまでに何人もの決済が必要です。

今経済は下降トレンドですから、ひとつの仕事をたくさんの企業が競い合う状況にあります。意思決定が遅ければライバル社に仕事を取られてしまいかねません。また意思決定に何人もの承認が必要ということは、理不尽に仕事をストップされる危険性が大きいということでもあります。

ストレスなく仕事を進めるうえで、このスピード感というのは本当に重要です。中小企業のスピード感については、また次のセクションで詳しくお話します。

いろいろな仕事を経験できる

前述の「組織の歯車」という話に関係してきますが、大企業ではより「組織の倫理」が強く働きます。ひとりに責任を負わせずに、組織で仕事をおこなうという考えが根本にあるわけです。つまり裏を返せば、”個人の仕事はかなり限定されている” ということですよね。

もしかすると中小企業の場合、大企業ではやる必要のなかった雑務まで、自分でやらなくてはいけないかもしれません。正直面倒くさいと感じることも多いでしょう。しかし自分でなんでもできるようになっておくのは、将来のステップアップを考えたときにとても重要なことです。

この「いろいろな仕事を経験できる」ということについては、最後のセクションでもう少し詳しくお話していきますね。

中小企業の特徴を理解する

中小企業の特徴を理解する

中小企業へ転職するメリットがわかったところで、今度は中小企業の特徴について説明していきます。

中小企業できちんと結果を出すには、大企業と中小企業の違いを理解することが不可欠です。とても重要な話なので、しっかりと頭に入れていただければと思います。

中小企業は大企業の縮小版ではない

大企業で規模の大きな組織や事業を動かしてきた方であれば、中小企業に移っても大活躍できるはずです。実際中小企業の経営者も、大企業の経験を自社に活かしてくれることを期待して採用しています。しかしながら、現実には思ったように力を発揮できず、短期間で辞めてしまう人がびっくりするほど多いのです。

能力を持った人材なのにも関わらず、なぜそんなことになるのでしょうか。社会人材学舎では、理由は大きく二つあると考えています。

  1. 中小企業やベンチャー企業がどんなところか知らないから
  2. 転職先で何をしようとしているのか目的が明確でないから

中小企業は大企業がそのまま小さくなったものといった認識でいると、中小企業での仕事はうまくいきません。中小企業の特徴について、ひとつずつしっかりと確認していきましょう。

組織や制度

大企業と中小企業の違いを法的に見ると、「資本金と従業員数」が違うだけです。例えば卸売業の場合、資本金1億円以下・従業員100人以下の会社は、中小企業に分類されます。しかし、これはあくまでも法的な分類です。大企業からの転職者が実感するもっとも大きな違いは、「中小企業は組織や制度が整っていない」ということではないでしょうか。

決まっているべき制度が決まっていない、あるべきものがない、反対になぜこんなものがあるのか?というものがあったりする。大企業の整備された組織や制度を体験している人からすれば、中小企業で働くのが不安になるほど、突っ込みどころ満載な状態です。

しかし、そこをやりがいがあると捉えるのか、不安や不信感として捉えるのかによって、今後の道が大きく分かれます。

金銭感覚

金銭感覚

「中小企業は大企業に比べて資金面が脆弱」というのも、大きな特徴のひとつです。大企業ならば当然使えるはずの予算がおりない、必要な投資もできないという状況が、中小企業ではよくあります。

しかし、大企業とはそもそも事業規模が違うのです。そういった事情を理解しないで大企業のような提言をすると「この人はやはり金銭感覚が違うなあ……」と、孤立してしまうかもしれません。

スピード

前のセクションで、中小企業は意思決定が速いので仕事がやりやすいという話をしましたが、残念ながら話はそこで終わりません。というのも、中小企業はちょっとでも業績の悪化が続くと、存続の危機に陥る可能性があるからです。

体制を変える、あるいはなにか新しい対策を実行しなければいけない状況になったとき、大企業のように何か月もかけてじっくりと対策をおこなっていては、とても間に合いません。そう、中小企業では、大企業以上に ”スピード感” を持って働くことが重要なのです。

そのあたりを理解しないと「大企業から来た人はスピード感がない」といった評価を受けてしまうかもしれません。

そこで勤める理由を明確にする

そこで勤める理由を明確にする

ここまでで、中小企業がどんなところかを一通り説明しました。今度は二つめの理由「転職先で何をしようとしているのか目的が明確でないから」についてお話していきます。

終の棲家と思うとつらくなる

大企業からの転職者が中小企業をドロップアウトしてしまうのは、「転職先企業で働く目的が明確でないから」というのが大きいと思います。

先ほど述べたように、中小企業は組織や制度が整っていません。これは大企業の働き方が染みついている人にとって、相当なストレスでしょう。人間関係も小さい組織ですから、逃げ場がありません。

そうすると、居心地のいい終の棲家を求めて中小企業へ転職したという人は「こんなはずじゃなかった」と、あっという間に嫌になってしまいます。

待遇・報酬を転職の目的にしない

中小企業での仕事に、待遇・報酬を求めすぎると、転職は失敗に終わる可能性が高いです。

そもそも規模が小さい中小企業で、大企業並の待遇を得られるわけがありませんよね。「前の職場に比べてこれしか給与がない」などと考えてしまうと、働くのがつらくなってしまいます。しかし、これも前に述べましたが、ほとんどの中小企業は「社長=会社」です。社長があなたの価値を認めてくれれば、急激に待遇が改善されることも珍しくありません。

ましてや中小企業は、よい人材の確保にいつも苦労しています。あなたの努力次第では、いわゆる「社長の右腕」になれる可能性があるのです。

そう考えると、中小企業への転職は夢があると思いませんか。

達成したい目標と重ね合わせる

達成したい目標と重ね合わせる

転職したけど短期間で辞めるとなれば、当然次の転職にも影響が出てきます。そういった負のスパイラルに落ち込まないためにも、その転職の目的を明確にしておくことは非常に大事です。

ということで、まずは「将来こうなりたい、こんな生活をしたい」といった方向性を明確にしましょう。そのうえで「今現在不足している部分を転職先で補完する」という目的で働けば、転職ライフはとても充実したものになるはず。不足部分を補完するという目的がはっきりしていれば、転職先も補完が可能な優良企業を選ぶようになるでしょう。

となれば、必然的に目的へ向かって一生懸命働くようになり、周囲との関係性もよくなる可能性が高くなります。その結果、転職先が終の棲家になるのであれば、そのまま長く働き続けてもいいわけです。

よい予定変更であれば、どんどん進む道を修正しても構わないのですから。

独立も見据えて幅広い経験を積む

転職後、そのまま働き続けて力を発揮するのも悪くありませんが、30代半ば以降の転職であれば、常に “独立” を視野に入れておくべきではないでしょうか。

というのも、今や人生100年時代です。いくら能力があっても、企業に就職する限りは、遅くても65歳になれば定年です。生涯現役を目標とするならば、定年から85歳まで20年もあります。

ということで、私たち社会人材学舎のキャリアセミナー「知命塾」でも、必ず85歳までのキャリアを計画してもらっています。定年後も問題なく働き続けるためには、将来自分で独立できるように、中小企業で幅広い仕事を経験しておくという意識を持っておきたいですね。

あなたのキャリア戦略を練る「知命塾」

あなたのキャリア戦略を練る「知命塾」

ここまでのお話で、将来を見据えた転職活動が必要なことを、ご理解いただけたと思います。しかしどんな未来に向けて、なにを目的に転職すればベストなのかを決めるのは、口でいうほど簡単ではありません。

もしこれまで自分のキャリアをしっかりと考えたことがない、あるいはひとりで考えるのはむずかしいというのであれば、ぜひ「知命塾」に参加してみてください。知命塾というのは、私たち社会人材学舎が提供する「個人向けキャリア研修」です。知命塾ではあなたのキャリア設計を、経験豊富な弊社講師と他の参加者と一緒に考えていきます。

独自のメソッドを使った多様な切り口と参加者同士の多様な視点から、研修が終わるころには「あなたの志向性・できること・制約条件」などが、きっと明確になっているはず。

ぜひ、ご活用ください。