前職での修羅場経験が転職に役立つ3つの理由

40代50代の転職となると、面接で「これまでにどのような修羅場経験がありましたか」といった質問を受けることがよくあります。

これは別に意地悪をされているわけではなく、面接官は修羅場経験の質問を通じて、あなたの「対応力」「ストレス耐性」「トラブル処理能力」などを探っているのです。

しかし事前に過去の修羅場体験をきちんとまとめておかないと、いきなり質問されてもまず答えられないでしょう。もし質問にうまく答えられなければ、面接官に「対応力のない人」と判断されてしまう可能性があります。

今回お話しする修羅場体験に関する内容をよくお読みいただき、ぜひ転職に生かしていきましょう。

転職時に修羅場経験アピールが有効な理由

前職での修羅場経験が転職に役立つ3つの理由

冒頭でも触れたように、修羅場体験は自分の実力をアピールする絶好のチャンスです。具体的にどういったポイントをアピールできるのか、自分の修羅場経験を振り返る前にしっかりと押さえておきましょう。

トラブルに負けない問題解決能力をアピールできる

面接官がいちばん知りたいポイントは、トラブルに負けない問題解決能力です。普通に働いていれば、必ずなんらかのトラブルが発生します。問題は、あなたがそのトラブルをどうやって解決したかです。通常、問題解決には以下3つのプロセスが必要になります。

  1. トラブルの原因を究明する力
  2. 原因をもとに最適な解決策を考える力
  3. 解決策を実行する力

トラブルを解決するには、まずトラブルの原因を突き止めなければなりません。しかしひとつの原因によりトラブルが発生することは稀で、普通はいくつもの複雑な要素が絡み合っています。だから、原因をしっかりと把握できれば、問題は8割がた解決したようなものです。

もちろん適切な解決策を考えるのも大事だし、最終的にはその解決策を実行しなければ、トラブルはいつまでも解決できません。つまり、上記3つの能力がすべて揃ってこそ、迅速な問題解決が可能になるわけです。

したがって面接時には、上記3点をうまく話に組み込み、あなたの実力を理解してもらえるようにしっかりとアピールしてください。アピールを受けて、面接官が自社でもその能力を発揮してほしいと考えてくれたら、アピールは大成功といえます。

短期間での退職リスクがないことをアピールできる

転職先を募集している企業では、採用者が短期間で退職してしまうケースを非常に警戒しています。せっかく採用した人材がすぐに辞めてしまえば、それまで投資した時間やコストがムダになるわけですから、慎重になるのも当然です。

しかも、また新しい人材を確保しなければならないので、2倍の手間がかかります。そこでもしあなたが、短期間での退職リスクがないことをきちんとアピールできれば、採用の確率は一気にアップするでしょう。

とはいえ、ただ「すぐには辞めません」と伝えても、相手に納得してもらえる理由づけがないと説得力に欠けます。

「興味のある業務内容なのでぜひ腰を据えてチャレンジしたい」

「自分の専門スキルが生かせる仕事を長く続けたい」

話をする内容自体は、正直それほど重要ではありません。大事なのは、「その会社の実情に合った理由づけができていること」です。

そのためには、当然事前の企業研究が必要になります。企業研究の重要性については、別記事で詳しく解説しているので、ぜひご一読ください。

◎企業研究については、こちらの記事でお読みいただけます

ストレス耐性をアピールできる

ストレス耐性のアピールは、あなたが想像しているよりもかなり重要なポイントだと思ってください。多くの企業では、ストレス耐性があまりない人を採用してしまうと、早期退職されてしまうリスクが大きいと考えています。

また本人に辞める意思がなくても、ストレス耐性が不足していると、メンタルをやられてしまう可能性が高いです。そうなれば、同僚や取引先と良好なコミュニケーションを図れなくなってしまいます。

こういう状態になれば会社としても困るわけですが、本人が辞意を表明しない限り、簡単に辞めさせられません。だから、ストレスに弱い人をふるい落とすために、面接で修羅場体験について質問するわけです。

当然、修羅場経験への対応を上手にアピールできる人は、ストレス耐性をある程度もっていると判断してもらえます。自分が修羅場に遭遇した際に、へこたれることなく解決に奔走した、自分の強力なストレス耐性をしっかりアピールしてください。

自分の価値を高めてくれる修羅場経験とは

自分の価値を高めてくれる修羅場経験とは

前述のとおり、修羅場経験のアピールは、転職成功の大きな力になってくれます。しかし、修羅場ならどういった経験でも評価されるかというと、残念ながらそうではありません。そこで、面接官にしっかりとアピールが可能な修羅場とはどういうものか、3つほど例をあげて解説していきます。

苦手分野の仕事にこそ成長のチャンスあり

会社員であれば、自分の好きな仕事だけやっているわけにはいきません。さまざまな仕事に取り組むなかで、どうしても苦手でうまくできなかった仕事があるはずです。そういった経験があれば、ぜひ深堀りしてみましょう。

もし苦手分野の仕事に関する修羅場経験がまだない場合は、これからぜひ積極的に苦手な仕事にチャレンジしてみてください。

なんといっても苦手分野の仕事には、転職時にアピールできるポイントが、山ほど隠れています。面接官がもっとも知りたいのは、「あなたがどうやってその苦手な仕事を克服したのか」です。

「自分で死ぬほど調べる」「詳しい人にとことん教えを請う」「苦手なことは得意な人とコラボする」など、方法はいくらでもあるでしょう。

絶対によくないのは、苦手な仕事を苦手なままにしておくこと。得意になれとはいいませんが、せっかく自分の修羅場経験値をアップできるチャンスです。ぜひ、いろいろと試行錯誤してみてください。

新規事業の立ち上げは経験の宝庫

新規事業の立ち上げに関わった経験があるなら、あなたは非常にラッキーです。新規事業はゼロからのスタートということもあり、とにかくトラブルや課題がイヤになるほど襲ってきます。なんの問題もなくスムーズに事業が軌道に乗った話など、今までにいちども聞いたことがありません。

少し考えただけでも、それこそいくらでも課題が頭に浮かんできます。

  • よいアイデアが浮かばない
  • 必要な人材を確保できない
  • 資金が足りない
  • 取引先と条件が折り合わない
  • 予定よりも売上が悪い
  • 顧客の反応が今ひとつ
  • ライバル社が競合商品を発売

上記はあくまでも一例ですが、今なら円安による原材料の高騰なども考えられますね。いずれにせよ、新規事業の課題やトラブルの解決は、徹底的な状況分析が欠かせません。場合によっては、SWOT分析や4C分析といった、フレームワークを活用する必要もあるでしょう。

フレームワークを活用して問題をひとつずつ潰していった経験を面接でアピールできれば、問題解決能力だけでなく、ビジネススキルの高さも証明できて一石二鳥です。

できれば地方や海外での勤務も経験しておく

もし可能であれば、ぜひ地方や海外での勤務を体験してください。馴染みのあるエリアから離れて仕事をすると、自分の想定外の経験が多発して、それらがすべてあなたの修羅場経験値になるからです。

なかでも海外勤務は、言葉や文化の違いも相まって、まさに修羅場といったトラブルが頻発します。そもそも多人種が一緒に働く海外企業と、日本人ばかりで固まる日本企業(会社によりますが)では、生活習慣から商慣習まで、なにもかも違うことばかりです。

自分の知っている常識が通用しない場所で、いかに結果を出すか。そのためには、日本と海外の違いを分析し、最適な折衷案を実行していくしかありません。現地のやりかたに迎合しても、日本式にこだわっても、おそらくよい結果は出せないでしょう。

いずれにしても、そういう修羅場のなかで試行錯誤した経験は、間違いなくあなたを何ランクもレベルアップしてくれるはずです。なお、できるだけ早いうちに、英語やマネジメントの勉強に取り組んでおくことを、強くオススメします。

◎40代をすぎたら身につけておくべきスキルについては、こちらの記事でお読みいただけます

面接官に評価される修羅場経験の具体的なPR方法

面接官に評価される修羅場経験の具体的なPR方法

基本的に修羅場経験をアピールするのは、あくまでも面接官に質問された場合のみ。わざわざ自分から修羅場経験を語りだすのは、逆効果になることがほとんどなので、絶対にNGです。

職務経歴書については、自分のキャリアを引き立てるためのエッセンスとして、修羅場経験を少し盛り込むのは問題ありません。でも基本的には、あまりネガティブな経験を文章にしないほうが無難です。相手が、好意的に受け取ってくれるとは限りませんからね。

「修羅場のアピールは面接官に質問されたときだけ」このことは、しっかりと頭に入れておいてください。

また修羅場アピールは、問題解決能力の提示がいちばんの目的です。したがって、必ず「問題点とその解決策の提示」はセットになります。修羅場の説明は最小限に抑えて、「どうやって解決したのか」を中心に説明しましょう。

そうすれば、ネガティブな印象を与えずに、問題解決能力をアピールできるはずです。

まとめ

ここまでお話ししてきたように、うまく修羅場経験をアピールできれば、採用はぐっと近づきます。面接官の知りたい、あなたの「問題解決能力」や「ストレス耐性」をしっかりと伝えていきましょう。

そのためには、事前に自分の修羅場体験を、振り返る必要があります。しかし、ネガティブな経験をひとりで振り返るのは、思っている以上に大変です。でも安心してください。そのために、私どもの運営する「知命塾」があります。

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