転職先の企業研究はめんどくさい?効率的な企業研究の手引き

転職先企業をリサーチしていると、どうしても自分の条件を優先して企業を探してしまいます。

しかし、よく考えてみると、選ぶのはあくまでも転職先の企業です。つまり、転職を成功させるには「転職先が自分を雇うメリットをいかに提示できるか」が、大事なポイントなのです。

雇用のメリットを提示するには、まず企業内容をしっかりと理解する必要があります。徹底した企業研究があってこそ、初めて自分の強みを相手に提示できるからです。

とはいえ、相手先企業の情報をどうやって調べれば良いのか、具体的な方法がよく分からないという方も多いと思います。そこで当記事では、転職先企業を研究するポイントと、具体的な企業研究の方法について詳しく解説していきます。

これから転職をお考えの方は、ぜひ最後までお読みください。

転職時に企業研究をしないとどうなる?

企業研究の前にまずは企業研究をする理由を明確にしておく

冒頭でお伝えしたように、転職には入念な企業研究が不可欠です。ただし、せっかく企業研究を行っても、目的が曖昧だと思うような成果は得られません。

実際に企業研究へ取り組む前に、企業研究の目的を明確にしておく必要があります。まずは、企業研究をしないと次のデメリットがあることを理解しておきましょう。

企業との相性を確認できない

転職となると、どうしても業務内容や待遇などに関心が向いてしまいがちです。しかし、どんなに良い条件でも、自分と相性が合わない職場だと、転職後の仕事はつらいものになるでしょう。

だからこそ、転職を希望する企業の研究を念入りに行い、自分との相性をしっかりと見極める必要があるのです。

転職先企業との相性確認は、面接時が一番分かりやすいでしょう。しかし、面接前にもできることは多くあります。

まずは、公式サイトと求人情報をじっくりと読み込んでください。中には、建前で書かれた内容もあるかもしれません。しかし、公式サイトと求人情報からは、会社の理念や企業風土がなんとなく滲み出ているものです。

反対に、公式サイトがしっかりしていない企業は、発信力や判断力、洞察力などに少々問題があると考えられます。

また、当然ですが、会社の規模や業務内容、業績などは特に入念なチェックが必要です。社員のコメントや転職先企業の画像などがあれば、そちらにも忘れずに目を通しておきましょう。

入社してから「こんなはずじゃなかった……」とミスマッチが起こらないように、公式サイト・求人募集サイト・ネットでの評判、あらゆる角度からの相性チェックを強くオススメします。

将来性が分からない

企業研究を行わなければ、転職先の将来性が分かりません。

一言で企業研究といっても、大きく「業界全体の研究」と「個別企業の研究」に分かれます。転職先の将来性の確認は、企業研究の大きな目的であり、両者をバランスよく行うことが望ましいでしょう。

いくら興味のある業務内容でも、業界全体が右肩下がりであれば、将来性に疑問が残ります。言い方は悪いかもしれませんが、わざわざ泥舟に乗ることのないよう、まずは業界全体の状況をしっかり研究してください。

業界の研究が終わったら、今度は特定の企業に対する研究を行います。具体的には、先程お伝えした公式サイトや、IR情報などを中心に研究すると良いでしょう。

もしも、情報量が少なく企業研究が進まない場合は、転職エージェントに相談してみるのも一つの方法です。特に、中小企業の情報は開示されている量に限りがあります。中小企業と太いパイプのある、私達「社会人材学舎」のサポートを活用することもおすすめです。

採用率が下がる

企業研究をしなければ、採用率は下がります。反対に言えば、企業研究をすれば採用率をアップさせることが可能です。

企業研究を事前に行えば、まずは面接官から「しっかりと勉強した上で応募してくれたんだな」と好印象を持ってもらえます。

同じような経歴とスキルを持つ応募者が複数人いれば、当然下調べを入念に行った応募者が有利になるでしょう。あなたが面接官であれば、どんな人を採用したいか分かるはずです。

また、面接時には必ず志望動機を聞かれます。その際、事前に企業研究をしっかりと行っていれば、企業ニーズを踏まえた志望動機や自己PRを提示できるでしょう。

企業研究を怠れば、転職先企業についての質問に上手く答えられず、思うような結果は得られません。表面だけ耳障りの良い受け答えをしても、面接官は採用のプロなので、あなたの真意などすぐに見破ってしまいます。

「事前の企業研究は採用率を大きくアップしてくれる」ことを忘れずに、しっかりと企業研究に取り組んでください。

転職先企業の研究を行う4つのポイント

転職先企業の研究をおこなうポイント

転職における企業研究の目的が明確になったところで、次は企業研究のポイントを4点解説していきます。

  • 転職先企業へなにができるか?
  • 転職先に魅力を感じる理由はなにか?
  • 求人票に載っていない情報のリサーチ
  • 職場の雰囲気を実際に確認

それでは、ひとつずつ見ていきましょう。

転職先企業へなにができるか?

転職先企業の研究をしながら、自分と企業の相性を見極めると同時に、「転職先企業へなにができるか」を明確にしていきます。

理由は冒頭でも触れたとおり、採用のメリットを相手企業に提示できないと、採用してもらえないからです。

厚生労働省が行った転職者実態調査※(2015年)によると、企業が管理職や専門職の中途採用を行った理由は、「経験を活かし即戦力になるから」「専門知識・能力があるから」がそれぞれ約65%を占めています。

もちろん「経験・専門知識・能力」といっても、企業ごとに具体的な内容は異なります。だからこそ、企業研究をしっかりと行い、企業が求めている人物像を明確にする必要があるのです。

※参考:平成 27 年転職者実態調査の概況

転職先に魅力を感じる理由はなにか?

前述の「自分との相性を確認できない」とも関係する内容ですが、転職先を研究する際「魅力を感じた理由」は非常に大事です。魅力を感じたポイントは、いわばあなたの仕事に対する価値観とも言えます。

残念ながら、すべての条件が満たされる転職はまずありません。よって私たちは、数多くある転職条件に、優先順位をつけておく必要があります。この優先順位が明確でないと、転職後に不満が出て、今後何回も転職を繰り返す恐れがあるのです。

もちろん優先順位は人それぞれ。仕事内容や働きがいを大切にする人もいれば、報酬や勤務地などの待遇面を重視する人もいます。自分の価値観と置かれた環境によって、自分で決めれば良いと思います。

ただし、40〜50代の転職では、転職先企業の規模は小さくなるケースがほとんどです。当然、報酬や待遇面も、今までより下がると想定したほうが無難です。

したがって、待遇にこだわりすぎると、転職自体が上手くいかないことも考えられます。あまり理想を追いかけすぎず、魅力を感じた部分にフォーカスして、楽しく第二の職場を楽しむほうが得策かもしれません。

求人票に載っていない情報のリサーチ

企業研究の基本は、公式サイトと求人情報の確認です。公式サイトは当然として、実は求人票にも会社の雰囲気を推測できる情報が多く掲載されています。

よってこの2つを入念にチェックすれば、かなりの情報が手に入るはずです。ただし、世の中には応募時の条件と実情が異なる、いわゆる「ブラック案件」も少なくありません。

ブラックな案件を回避するためには、口コミをリサーチするのが一番良い方法です。ある程度の規模を持つ企業なら、口コミサイトを見ると、たいていの情報が掲載されています。

時間のある際にでも、会員登録数700万人を誇る「転職会議」のような有名口コミサイトを、覗いてみると良いでしょう。

もちろん、口コミを鵜呑みにするのはとても危険です。あくまでも参考程度に留め、口コミを判断の基準にするのは絶対にやめてください。

職場の雰囲気を実際に確認

「会社の仕事が合わず、転職後すぐに退職してしまった」ともなれば、応募側・採用側、どちらにとっても不幸です。

転職のミスマッチを防ぐためにも、もし可能であれば、面接前の職場見学をオススメします。考えてみれば、職場見学はメリットだらけです。応募者からすると、実際に働く場所を確認できれば、応募への不安を払拭できます。

企業側にとっても、雇用のミスマッチを回避できれば、ムダな採用コストがかかりません。また面接とは違い、見学時ならリラックスした雰囲気で、応募者の人となりをさりげなく確認できます。

とはいえ、実際に職場見学まで対応している企業は、まだまだ少数です。その場合は、弊社のような中小企業とパイプのある転職エージェントに、相談してみてください。

見学は厳しいとしても、転職エージェントだからこそ知り得た「生きた情報」をアドバイスできますので。

転職先の企業研究ワークシートの作成方法

転職先の企業研究ワークシートの作成方法

転職先の企業研究を効率よく進めるには、企業研究ワークシートを作成すると良いでしょう。企業研究ワークシートで情報を整理しておくことで、転職活動を進める際に役立ちます。

ここでは、企業研究ワークシートの作成においてチェックすべき項目をご紹介します。

自己分析と業界研究

転職先の企業研究をする前に、まずは自己分析を行いましょう。自分のスキルや興味、価値観、目標を理解することで、自身に合った業界や職種を判断する材料となります。

なぜ転職をしたいと思ったのか、将来的に目指す目標はなにか明確になっているでしょうか。自己分析を踏まえて自分の優先順位や目標を明確にしたら、その結果に基づいて業界研究を行うことで効率よく転職活動ができます。

自身が興味を持っている業界の求人市場調査、成長性、職種や求められるスキルなどを詳細に調査してみましょう。しっかりと業界研究を行うことで、自分の興味や目標とする職種の選択肢が増えるかもしれません。

業界研究を踏まえて、希望しない業界の把握もできるため無駄な時間を省くことも可能です。自身の強みだけでなく、弱点も把握して転職先を考えましょう。

3C分析

3C分析とは、「自社(Company)」「顧客(Customer)」「競合(Competitor)」の3つを軸にした市場環境の分析に使用されるフレームワークです。マーケティング戦略や事業計画の際に用いられる手法になります。3C分析を用いることで、自社製品やサービスの強み、競合他社のビジネス戦略、顧客のニーズを調査し戦略を立てられます。

このマーケティング分析を転職活動に活用すると、自己分析において情報が整理できるため大いに役立つでしょう。以下にて、企業研究をする際の自己分析に応用する方法をひとつずつご紹介します。

「顧客(Customer)」

3C分析の「Customer」とは、顧客や市場分析を指します。具体的には、市場規模や市場の成長性、顧客ニーズの分析をするのが一般的なマーケティングで用いられる手法です。

転職を目的とする企業研究においては、「企業」の分析が該当します。企業が取り扱っている商品や店舗、企業規模や経営状態なども可能な限り調査してみましょう。企業分析を十分に行った上で、自分にとってどんな部分がメリットとなりデメリットとなるのか明確にできます。

「競合(Competitor)」

転職先の企業研究ワークシートを作成する時は、競合他社を把握しましょう。本来、競合他社の市場や顧客変化をリサーチし、競合が市場変化にどのような対応をとったのか、その結果と理由を分析します。

つまり、希望している企業の競合相手はどんな企業なのか、他に応募しているのはどんな人達かを探ることで、自分が企業に対してできることが明確になり、より説得力のある志望動機をアピールできるため転職活動に役立つ材料となるでしょう。

「自社(Company)」

自社での課題や戦略を検討します。競合他社ができていない部分を見つけ、自社と競合との比較をすることで、自社で取り組むべき戦略が立てられます。

転職活動においては、自己分析のことを指します。企業分析と競合分析を踏まえて、自分がその企業でなにができるのか考えましょう。自分の強みと弱みを再度確認することで、希望とする企業に対して貢献できることがなにか明確になります。

効率的な企業研究を行うための具体的な方法

転職先企業を研究する具体的な方法

ここでは、効率的な企業研究を行うための具体的な方法をご紹介します。

  • 公式サイトを読み込む
  • 採用情報を念入りに確認
  • 採用情報では分からない情報の確認
  • IR情報で企業体質を調査
  • 業界全体の動向を掴む
  • 最新ニュースの確認

詳しく解説します。

転職先の公式サイトを読み込む

転職を考えた時点で、ほとんどの人が転職希望先の公式サイトを閲覧しているでしょう。しかし、公式サイトをサラッと読み流しているとしたら、それは非常にもったいないです。

もちろん、すべての公式サイトが充実した内容とは限りません。中でも中小企業の場合は、掲載されている情報量が少なく、欲しい情報がほとんど手に入らないこともあるでしょう。

また「公式サイトの情報は、あくまでも対外的に良く書かれたもので、本当の実情は分からない」という声もあるかもしれません。たしかに、その意見には一理あります。

しかし、企業トップの理念や業務の特徴など、公式サイトで確認できる情報はたくさんあります。なにより公式サイトを見れば、社風や企業の雰囲気はなんとなく分かるものです。ぜひ改めてもう一度、じっくりとチェックし直してみてください。

ここでは、具体的な公式サイトの見方を簡単にご紹介します。

企業理念の見方

公式サイトの中の「企業理念」は念入りに調査しておきましょう。なぜなら、企業理念が「会社の経営方針」や「社員の行動」に落とし込まれているからです。

転職を成功させるためにも、企業理念を踏まえた志望動機を伝えられれば採用率は上がります。転職先の企業理念を深く理解しておくことが重要なポイントです。

まずは、会社名と「企業理念」のワードで検索してみましょう。出てきた企業理念の中で、自分が共感できる部分や、自分の価値観とマッチしている部分を探してみてください。魅力的だと思う部分もチェックしておきましょう。

その部分をメモに抜き出して「なぜ共感できるのか」「なぜ魅力を感じたのか」を簡単に文章にまとめてみてください。自分の強みやこれまでの経験を踏まえて理由を説明できるとなお良いです。

これらを実施することで、企業側は「自社を深く理解してくれている」と感じます。また、事前に転職先との相性を予測できるため、転職後のミスマッチを防げるメリットもあるのです。

社長メッセージの見方

社長メッセージは、転職先の企業情報を入手できる大きなヒントとなります。社長メッセージを読むことで、企業の価値観や、目指している方向性が分かるからです。企業の将来性を掴むことで、自分の未来や今後のキャリアビジョンを考える上でも役立つでしょう。

社長メッセージを繰り返し3回は読んでみてください。読む時のポイントは「どのような人物像を求めているのか」「企業や事業に対してどのような考え方を持っているか」「掲げている目標やゴールはなにか」を意識することです。その内容を面接時に伝えることで、好印象を持ってもらえるでしょう。

難しいと感じた方は、社長メッセージの中で惹かれたワードや文章をチェックしておくだけでも効果的です。「なぜ良いと思ったのか」しっかりと感想を添えるだけでも、他の求職者との差別化が期待できます。

社員インタビューの見方

ホームページでは、社員インタビューが掲載されているケースも珍しくありません。社員インタビューは、実際に転職先で働いている人の思いを確認できる重要な要素になります。掲載されていたら、よく読んでおきましょう。

普段どのような思いを持って仕事に取り組んでいるのか、どんな業務を行っているのか具体的にイメージできるきっかけとなります。また、どんなキャリアプランを持って働いているのか分かれば、自分の将来について現実的に考えられる指標となるでしょう。

社員インタビューを参考にすることで、自分が将来なりたい姿になれるのか、未来のキャリアプランが実現できそうな企業か選定することが可能です。

確認すべきチェックリスト

上記でご紹介した項目以外にも、公式サイトから基本的な企業情報を得られます。基本情報から転職先の雰囲気を掴み、自分との相性を見極めることで転職先とのミスマッチを防ぐきっかけとなるのです。少なくとも、次のチェックリストに挙げる項目を確認しておくと良いでしょう。

  • 代表者名
  • 代表者の経歴
  • 企業理念
  • 創立年
  • 資本金
  • 事業拠点
  • 商品やサービス(販促方法や顧客層も分かると○)
  • 売上(営業利益)
  • 従業員数
  • 資本

採用情報を念入りに確認

採用情報も念入りに確認しておきましょう。給与や待遇は、どんな人でも必ず気になるポイントです。少なくとも、下記の条件は一通り確認しておくと良いでしょう。

  • 給与額・賞与額・昇給
  • 勤務時間・平均残業時間
  • 勤務地・転勤の有無
  • 年間休日・有給休暇
  • 研修や資格取得への支援体制

採用情報では分からない情報の確認

また、40〜50代の転職においては、従業員の年齢層も重要なポイントです。あまりにも若手が多い会社では、やはり働きにくいでしょう。口コミサイトや転職エージェントを利用して、採用情報からは得られない情報を確認しておくこともおすすめです。

例えば、有給取得率や離職率、ハラスメントの事例なども確認できる可能性があります。また、年齢だけでなく男女別の人員構成も確認しておくと良いかもしれません。

さらに、転職先企業がチーム力を重視した社風か、個人の裁量を重視しているのか。新しいことに挑戦する姿勢が強いのか、これまでの伝統を守る風潮か大きいのか。

これらの情報が分かることで、自分の働き方とマッチしているか分かる大きな手掛かりとなります。

しかし、転職ですべての条件が完璧に揃うことはありませんので注意してください。転職を成功させるには、前述のとおり、条件に優先順位を付けましょう。場合によっては、優先順位の低い事項については妥協することも必要です。

IR情報で企業体質を調査

IR情報は、投資家や株主に対して、会社の状況を報告するための資料です。上場規模の会社なら、必ずホームページでIR情報を公開しています。

IR情報は、売上高や今後どういった分野に注力していくのか、企業の体質や将来性を確認できる重要な情報源です。その企業が転職に値するかどうかを知る、大きな助けになるのは間違いありません。必ず目を通しておきましょう。   

また実際の面接時には、企業について質問をされることがよくあります。その際にIR情報を頭に入れておけば、「しっかりと事前調査をしている人」という評価が得られるでしょう。

可能であれば、ライバル企業のIR情報もチェックしておきたいところです。業界全体の動向が分かるだけでなく、もしかするとライバル企業のほうが、転職先にふさわしいことも考えられます。

業界全体の動向を掴む

前述のとおり、転職先企業だけでなく、業界全体の動向も忘れずにチェックしておきたいところです。

ミドル・シニア世代の転職では、これまでの経験とキャリアを活かせる同系統の業界が主な候補になるはず。しかしその業界自体が斜陽産業で、将来性があまり見込めないのであれば、思い切って別の業界を選ぶのもひとつの考え方です。

未経験業界といえども、パーソナルスキルや管理能力などは共通して評価されます。特に地方の中小企業では、キャリアがあり管理能力をもつ「地力のある人材」を待望しています。

総務省の業種中分類をもとに考えれば、世の中にある業界はざっと100種類以上。その中には、あなたを必要としている、異業種の優良企業が存在しているかもしれません。

これまでキャリアを積んできた業界にこだわりすぎず、ぜひ柔軟にリサーチの範囲を広げてみてください。

最新ニュースの確認

転職先の業界に関わるニュースもチェックしておくと良いでしょう。業界のトレンドや最新情報を入手しておくことで、面接官に「深く興味を持ってもらえている」「自社の状況や動向をリアルタイムで把握してくれている」と好印象を与えられます。

Google検索では、キーワードを入力し「ニュース」タブをクリックすることで、企業の関連するニュースや最新情報を調べられます。気になったニュースを2〜3つ読んでおきましょう。

また、可能であれば自分の言葉で簡単に内容を説明できるようにしておくと良いです。同時に、自分自身の意見や感想も用意しておくと効率的なアピールとなるでしょう。

転職先の企業研究を成功させるコツ

転職先の企業研究を成功させるコツ

転職先の企業研究を成功させるコツはいくつかあります。効率的に企業研究を進めるためにも、以下を参考にしてみてください。

企業研究を活用するタイミング

企業研究はできるだけ早く行い、選考や面接の際に役立てましょう。まずは業界研究をして、自分の希望とする業界が明確になったあとに企業研究を開始するのがベストです。

面接の前は特に企業研究の有無が重要となるため、選考の時期よりも前から企業研究をしておくとスムーズに転職活動を進められます。

企業研究で得られた情報を収集し、自身の中で検討する時間を取れるようにスケジュールを立てることが大切です。

企業研究の目的を意識しながら行う

転職先の企業研究を開始した際は、目的を見失わないように注意しましょう。企業研究を行う一番の目的は、採用先とのミスマッチをなくし、納得した状態で転職先への選考を通過するためです。

希望している企業の社風や業務内容、競合他社との違いを理解することで自分に合う企業か選定できます。

企業研究が不足していると、志望動機が不明確で入社意欲が低いと思われる場合もあります。企業研究で志望動機を明確にし、選考を通過できるよう目的を意識しながら行いましょう。

企業の良い面だけでなく悪い面も見る

企業研究を行うと、どうしても企業の長所ばかりに着目してしまいます。しかし、公平に企業評価をするためには、長所だけでなく短所にも目を向けることが必要です。

企業にとっても悪い面を理解した上で応募している人のほうが、早期退職の可能性が低く安心して採用できると感じるでしょう。

転職先の企業研究におけるQ&A

転職先の企業研究におけるQ&A

転職先の企業研究を行う上で、次のような疑問を感じたことはありませんか。

  • 企業研究にどれくらいの時間をかければ良いの?
  • 企業研究はどこまでやるべき?
  • 企業研究の具体的なやり方は?
  • 企業研究がめんどくさい時はどうする?
  • 転職先の最新情報を手に入れる方法は?

ここでは、転職活動で企業研究を行う方が抱えているお悩みをズバリ解説していきます。

転職先の企業研究にかける時間は?

転職活動を行う上で、企業研究ばかりに時間をかけすぎるのは良くありません。一般的に企業研究にかける時間は、1社あたり1時間を目安としましょう。

ここまでご紹介してきた企業研究の方法を実践するとしても、せいぜい2時間はかからないはずです。

徹底的に丸1日〜2日かけて企業研究を行う方もいますが、それ以上時間をかけるのは避けましょう。企業研究ばかりしていても、内定がもらえるわけではありません。

あくまで「転職活動をする上でのプロセス」ということを頭に入れて、計画的に行うことが大切です。

転職先の企業研究はどこまでやるべき?

転職先の企業研究に正解はありません。どこまで調査するかは自分次第です。知りたい情報が分かるまで徹底的に調査する方もいれば、Webから分かる情報のみ把握できれば良いという方もいます。

目安として、転職先の基本的な情報を第三者に伝えられるようになると良いでしょう。「誰に対して、どんなサービスを提供しているか、企業としてどのような特徴を持っているか」いわゆる、転職先の「自己紹介」を言えるようにしておくと安心です。

また、自己紹介の後に、第三者から質問を受けても答えられるように対策しておけば申し分ありません。面接官から聞かれるかもしれない質問に対応できるまで、企業を深く理解しておけば採用率は高まります。

転職先の企業研究のやり方は?

本記事では、企業研究を行うポイントや効率的な企業研究の方法などをご紹介してきました。しかし、実際に取り組もうとした際に立ち止まってしまうこともあるはずです。

なぜなら、企業研究は誰でもすぐに取り組めるものの、単純な調査がゆえにインプットが疎かになりがちだからです。

企業研究から得られた情報は、必ずメモを取ったり、ノートにまとめたりして整理するようにしてください。公式サイトからの情報を完全に丸写しするのではなく、自分なりの言葉で言語化することを意識しましょう。

Webで検索すれば、企業研究に適したフォーマットのシートやテンプレートが出てきます。それらを活用するのも良いでしょう。

調べて理解するだけでなく、アウトプットまで行うことで質の良い企業研究ができます。

転職先の企業研究がめんどくさい時は?

「企業研究はやる気にならないし、めんどくさい」などと感じている方もいるでしょう。企業研究の必要性やメリットは分かっているはずなのに、なぜめんどくさいと感じてしまうのでしょうか。

ここまで読んだあなたは気づいているかもしれませんが、その理由は「やるべきことが多すぎる」からです。調査するべき項目が多く、転職の準備自体も数々の工程があり、やる気が起きないのも自然なことです。

そんな時は、無理にやろうとしなくても良いと思います。まずは、転職に成功した自分の姿を想像してみてください。そこで少しワクワクした時に、転職先のホームページを覗いてみるだけで良いです。

転職先の公式ホームページを覗くだけでも、立派な企業研究になります。見ているうちに、他のページも見てみようと思うはずですから。

また、転職活動におけるセミナーに参加したり、動画サイトで転職についての動画を見てみたりなど、転職業界の空気に触れることで、刺激を与えられてやる気が出てくることもあります。

転職先の最新情報を手に入れたい時は?

転職をするなら、転職先の生きた情報が手に入る「知命塾」を活用しよう

私どもが運営する個人向けキャリア研修「知命塾」では、志ある求職者と経営者の出会いの場を提供したいと考えています。ネットや求人誌の情報とは違う生の情報を手に入れるためにも、ぜひ知命塾を活用してください。

もちろん前述のとおり、公式サイトの読み込みといった、Webを利用した事前リサーチも欠かせません。しかし、もっともオススメなのは「転職先企業の、生の情報を手に入れること」です。

知命塾のカリキュラムの中にある「グループワーク」や「懇親会」は、すでに知命塾を修了した方が、再度自身のキャリアを見直すために参加されるケースもあります。また、新しい社外人材との交流を求めて参加する方も珍しくありません。

余談ですが、知命塾生とアルムナイを対象に、経営者を呼んだ講演会なども検討しています。

また、一例として弊社の「ミドルシニア向け職業紹介サービス」では、普段スポットの当たらない「優良地方企業や中小企業」の案件が充実しており、そういった企業の情報が山のように集まってきます。

このような手段を利用して、他者や異業種の普段仕入れられない情報を手に入れることが、転職成功の秘訣です。

自己キャリアの棚卸しだけでなく、隠れた有望企業との出会いに、ぜひ知命塾を活用してください。

社会人材学舎ではさまざまなセミナーを開催しています。Zoomによる無料セミナーもありますので、ぜひお気軽にご参加ください。

まとめ

転職において、希望者の一方的な都合が優先されることはありません。選択権は相手にあるのですから、まずは企業が求める人物像をしっかりと見極める必要があります。

そのためには、転職先企業を徹底的に研究することが重要です。

今回の記事では、転職先企業の研究を行うポイントと、転職先企業を研究する具体的な方法、そして成功させるコツについてご紹介しました。採用先とのミスマッチを防ぐためにも、ぜひしっかりと企業研究を行っていただければと思います。