キャリアを考えることはマーケティング戦略を考えるのと同じ

キャリアを考えることはマーケティング戦略を考えるのと同じ

一生に一度はキャリアを考える

「キャリアについて考える」と言われたとき、どのようなことを思い浮かべるでしょうか?
最初にぱっと出てくるのは転職に関することがらが多いのではないでしょうか。
けれど実際には転職だけにとどまらない、というのはご存知の通りかと思います。
折角ですので、転職に思考を巡らせる前にまずはご自身の「キャリア」について一度立ち止まって考えてみてください。

キャリア=転職? 点と点を結んでもキャリアの軸は作れない

今の仕事に対する不満や不安があると、ともかく辞めたいと考えてしまう方も多いようです。
我々のところにご相談に来られる方の中にも、そのような時に目の前に来た転職の話に飛びついてしまう、あるいはかわいがってくれた先輩、あるいは上司に転職するために声をかけていただいて誘われるままに転職してしまう、といった具合に転職を重ねている方も意外といらっしゃいます。
このようなキャリアの積み重ね方はおおよそ偶発的なものになりがちで、そこにキャリアの軸というものが見えてこない場合が多いです。二回三回と転職をするうちに点と点をまっすぐに結ぶことが難しくなって、自分は何を経験してきたのか、何を強みとして持っているのか、本当は何をしたかったのかまで自分でも分からなくなっていく。
そうなるといずれ向こうから転職のお話が転がり込んでくるということがなくなってくる、あるいは先輩や上司が引退してお誘いも来なくなったときに一体この先どういう風に歩んでいっていいのか分からなくなってしまう、そういった状態に陥ってしまって当社に来られたというケースがままあります。

転職する前にまずは資格…その資格、活かし先を考えてますか?

すぐに転職は厳しい、ならば資格を取ろうというお考えの方も結構おいでになられます。
これも、ともかく闇雲に取ればいいというものではないですよね。
その資格を取って、どう使う、どんな風になるためにその資格を活用しよう、顧客はいるのか、具体的な自分の強み(資格の中での専門領域など)は何か、そういうことをきちんと考えていないと、せっかく時間をかけて資格を取っても、結局活かさず仕舞いなんていうことになる方も結構いらっしゃいます。
そういうことがないようにキャリアをしっかり考えてから、一歩を踏み出していただきたいと思います。

仕事のプロセスと同じで、自分のキャリアにもマーケティング戦略は必要

会社の商品を売るとき、当然マーケティング戦略を立てると思います。キャリアについても同じことが言えます。
けれどご自身のキャリア(=ご自身という商品を売る)になると、戦略をまったく考えずに出たとこ勝負…という方が非常に多いのも事実です。長らくキャリアのご相談を受けていますが、この点を突き詰めて話し合っていくと多くの方は「そこまで考えていなかった」と気付かれることが多いように感じます。みなさん最初は「考えている」とおっしゃるのですが。

何度もお伝えしていることではありますが、当社ではキャリアという言葉を、仕事を通じて志(志向)を実現する成長プロセスと定義しています。志(志向)を実現する、これを考えるということは目的や方向性をきちんと持ちましょう、ということになります。

どうなりたいか(ゴール)がはっきりすると、どんなスキルや経験が足りていないかが分かります。それを埋めてから、次の段階として成長プロセスへ移っていく、という順番です。
なので、まずは足りないものを身につけるための努力を年齢関係なくやっていくことが必要だということがお分かりになられるかと思います。

この考え方が出来ている方はチャンスを手に入れる確率がぐっと上がります。これは多くの方のご相談を受けている中で実感として感じていることです。
ゴールを定め、不足している経験やスキルが分かっており、それを補完するために必要な行動ができている、という段階ですので、どんな場所に行けばチャンスと出会いやすいのか、どんな人に会うとヒントを得られる可能性があるのか、そういった視点がはっきりしてくるわけです。
どこまで積極的な行動をとるかは人によって違うとは思いますが、何をすればいいか見定められていれば、ただ闇雲にあれやこれやと手を伸ばすよりは格段にチャンスに近づけるということになるはずです。

自分にとって本当の「チャンス」を見極める目をもつこと

成長する努力をしているな、という知り合いを見れば、やっぱりチャンスをあげたくなりますよね。頑張っている人には声をかけてあげたくなると思います。
反対にあなたが人からそう見られていれば、同じように声をかけてもらえる確率も上がってきますし、また同じ目的を持って学びあう人と出会えればネットワークも広がるでしょう。新たなネットワークからは新たなチャンスが生まれるものです。チャンスというのは行動量に比例して増えるものですから、なにがしかの行動(成長する努力)を起こすことは重要でしょう。

また、チャンスというのは意外なところにあるものだったりします。
例えば「もうこの会社いやだなぁ」と思っていたとしても、よく考えると転職するより先に職場の中で経験しておくと将来に向けてプラスになることも残っていたりする可能性があります。前述の「足りないものを身につける」ための機会が今の会社の中にあったりする。
知命塾に来た人の中にも、会社を辞めるつもりで塾に来たのだけれども、良く考えてみたら自分のやりたい事のチャンスがまだ今の会社の中にも残っていたと、ダメ元で上司や人事に相談したら、思いのほか簡単に希望が叶った、なんていう方も結構いらっしゃいます。

前向きで、かつ会社にもメリットが感じられるような提案であれば会社側も積極的に検討してくれるようです。似たような話をそこここで見聞きしますので、意外とそういう会社も多いようです。
ネガティブな理由で異動したいといった話の持っていきかたでは聞き入れてもらえない場合も多いでしょうが、そうではなく「こういうことがやりたい」「会社にもこういう風にプラスになる」ということが明確になっている相談であれば積極的に耳を傾けてくれるのだと思います。

キャリアは戦略を立てて歩むもの。人に伝わる言葉で整理して

前向きな提案が喜ばれるということは、社内だけに限らず、仕事に関わる以上は往々にしてあることかと思います。
何をしたい、そのために今何をしています、あるいはこれまで何をしてきました。…こういうことを相手が納得できるような言葉でしっかり発信ができるように準備しておくことは非常に重要です。どこかであなたを見ていた人に、あなたの経験と志向を明確に伝えられれば、意外な人がチャンスをくれるということに繋がったりします。ですのでご自分の経験と志向について、じっくり考えてみることが大事だと思います。

もしお一人で考えることに限界があると感じられたら、ぜひ周りの人に意見を求めてみてください。ひとがあなたをどう見ているか、あなた自身でも気付かなかった強みや経験を教えてくれるかもしれません。
転職はもちろん、社内においても、仕事は「他者評価」が大きなシェアを占めています。チャンスも人から来ることが多いでしょう。ですので「人から見たあなた」を突き詰めることで、ご自身のいろいろな可能性を知り、ご自身の武器を増やしていくことに繋がるはずです。

一度ご自身のキャリアについて、会社の商品を売るときと同じように戦略を立てて考えてみることをおすすめします。
その際、もし知命塾がお役に立てることがありましたら幸いに思います。

(文責:安藤)