以前別のコラム「転職で後悔しないために必ずやっておく4つのこと」でも触れたように、転職者の実に3人に1人が、転職を後悔し、元の職場に復帰したいと考えているそうです。
本来、夢と希望に満ち溢れているはずの新しい仕事なのに、なぜこんなにも多くの人が、転職を後悔する事態に陥ってしまうのでしょうか。
あらゆる原因はあると思いますが、最も大きな原因は「転職に必要なポイントを理解しないまま転職したから」だと考えられます。そこで今回は、40代以上の世代が転職をする際に知っておくべき注意点を、15個ピックアップしてご紹介します。
=目次=
転職活動をスタートする前の主な注意点
40代以上の世代が転職をする際に知っておくべき注意点を、大きく「転職活動スタート前」と「転職活動中」に分けて解説していきます。まずは、転職活動スタート前に押さえておくべき7つのポイントをみていきましょう。
自分のできることをしっかりと把握しておく
転職を成功させるには、自分のできることをしっかりと把握しておく必要があります。企業が求める人材像とあなたのできることがマッチしないと、転職後の評価が著しく下がってしまう可能性もあるからです。
言うまでもなく中途採用をする企業は、転職者に「即戦力」を求めています。専門分野に関するスキルは当然として、マネジメント的な能力もなければ通用しないでしょう。また、若い社員が多いベンチャー企業では特に、若い世代に対して「スキルや知識の継承」も期待されるはずです。
逆に40代を超えたあなたへ、プログラマーのようなIT知識や、堪能な語学力を要求する会社はほとんどありません。(案件にもよりますが)
であれば、今ないスキルの習得に時間をかけるのは、あまり得策ではないわけです。それよりも「自分ならではの強み」を分析して、転職先へしっかりとアピールできるように対策するほうが、転職にはよほど効果的だと思います。
転職前に必要な資格取得やスキルアップを意識
40代の転職において年齢に見合った経験やスキルが重要なのは、先ほど述べたとおりです。しかし、いくら経験やスキルがあっても、それを転職先に上手くアピールできなければ宝の持ち腐れになってしまいます。
転職先へのアピールという意味で言うと、やはり資格取得は有効になります。資格があれば、採用担当者も「ある一定レベル以上の知識やスキルがある」と判断しやすくなるからです。どういった資格を取得するかは、これまでのキャリアと転職先の業種や職種によって異なります。
技術系の会社に転職したいのに、社会保険労務士の資格があっても、ほとんど意味がないですよね。技術系全般なら「技術士」のほうが評価されるし、電気系なら「電気工事士」、建築系なら「建築士」を目指すべきでしょう。
また、英語や簿記のように汎用性の高いスキルは、社会人のたしなみとして身に付けておいて損はありません。「英語のできる建築士」や「数字に強い技術士」のように、特定のスキルと組み合わせることで、企業側からも高い評価を受けるはずです。
もちろん、資格だけではいざ採用されてから恥をかいてしまいます。資格は、あくまでもスキルや知識の裏づけにすぎません。実践的なスキルアップも忘れずに進めてください。
年齢とキャリアに応じた書類作成が重要
履歴書や職務経歴書といった応募書類は、企業側へ「自分を採用した場合のメリット」をアピールできる最初チャンスであり、かつ大きなチャンスです。ここをうまく通過できないと、面接で直接話をする機会さえもらえないのですから、書類作成の重要性がお分かりいただけると思います。
応募書類は、自社の営業パンフレットをイメージすると理解しやすいかもしれません。パンフレットには、自社の業務内容や販売実績、強みや特徴などが、しっかりと記載されています。
応募書類の内容も、まったく同じです。自分という商品のセールスポイントであるスキルや経験をきちんと記載しておかないと、あなたが採用に必要な条件を満たしているかどうか、採用担当者は判断ができません。もし、他の応募者の書類内容がしっかりしていたら、間違いなく他の応募者が優先されてしまうでしょう。
だからといって、嘘や誇張したアピールは決してしないでください。たとえその場はうまくごまかせても、採用後に結果を出せず、著しく評価を落としてしまう事例を多く耳にします。
いずれにせよ、こういった内容を書類に落とし込む前に、まずはこれまでのキャリアをじっくりと振り返る時間が必要です。自分の棚卸しについては、別記事で詳しく紹介しています。ぜひそちらの記事にも、目を通しておいてください。
転職サポートサービスやエージェントをうまく活用する
通常転職を考える人は、まず大手の転職サイトであらゆる情報を調べるでしょう。こういった転職サイトを参考にするのはもちろん構いませんが、そこだけに頼ってしまうのは非常にリスクがあります。
なぜならば、大手転職サイトの多くは、20代〜30代をターゲットにしているからです。名目上40代・50代も利用は可能ですが、ミドルシニア向けの案件は少なく、そもそもミドルシニアをサポートするノウハウも不足しています。
転職の確率を少しでも高めたいのなら、必ず中高年向けの転職エージェントからサポートを受けてください。
中でも、中小企業案件に強い転職エージェントは非常にオススメです。なぜなら、ミドルシニア世代の転職の多くは、中小企業が受け入れ先になっているからです。
例えば、私ども社会人材学舎のもとには、中小企業、特に地方で活躍する優良企業からのオファーが殺到している状態です。中小企業案件に強いので、中小企業の実情に合ったサポートが可能です。
もちろん、転職エージェントはあくまでもサポートをおこなう裏方です。情報収集や自己分析・書類作成など、自分で積極的に動く姿勢も忘れないでください。
これまで培った人的ネットワークからチャンスはやってくる
これまで培った人的ネットワークは、転職活動において大きな武器になります。仲の良い人たちに転職を希望していると伝えれば、思いがけない情報や紹介がもらえるかもしれません。
ただし、こういったチャンスも、すべては日頃から良好な関係を結んでいるからこそ。いざ転職となり、信頼関係の薄い人にいきなりお願いしても、理解を得られず力になってもらえない可能性が高いです。
特別な用事がなくても、定期的に連絡(あくまでも迷惑にならない程度に)を取るなど、関係を繋いでおく最低限の努力は惜しまないようにしましょう。
もちろん、良好な人間関係に、自分よがりな打算はご法度です。相手から「利用されている」と思われてしまえば、これまでどんなに親しい間柄でも、最悪人間関係が壊れてしまいます。
「そういえば、今度転職しようと思っているんだ……」と、話の流れでさりげなく転職活動の意志を伝えるくらいが、ちょうどいいのかもしれませんね。
なお、現代社会において、人間関係を広めていくには、SNSの活用が不可欠です。とくにビジネス特化型SNS「LinkedIn(リンクトイン)」は、使っているミドルシニアがまだまだ少ないため、差別化にも繋がります。
これまでSNSを使ってこなかった人は、これを機会にぜひチャレンジしてみてください。
やりたい仕事にこだわり過ぎない
社会人材学舎の転職カウンセリングでは、方向性やできることを掘り下げて考えてもらったあとに、できるだけ希望に沿った案件をご紹介しています。
しかし、あまりにも仕事の内容にこだわりすぎると、転職はなかなか上手くいきません。中小企業では、複数の職種をひとりでこなす、いわゆる「なんでも屋」的な働き方を求められることが多いからです。
そんな状況の中、やりたい仕事に固執すれば、他の「なんでもやります」という人に採用枠を奪われてしまうのは当然ですよね。
そもそも、AIが著しく発展している現代では、今の仕事が数年後も残っているとは限りません。時代の流れは、速く激しくなっています。そのため、今感じている仕事へのこだわりも、もしかすると数か月後にはまったく変わっているかもしれません。
こだわりを捨てて、まずは転職を成功させる。やりたいことがあれば、そのあとで実現に向けて努力をする。こだわりのある人は、ぜひこのような思考にシフトチェンジしていただきたいと思います。
転職をしない選択肢も頭に入れておく
転職活動の前にぜひ一度立ち止まり、「本当に自分には転職が必要なのか」問いかけてみてください。
特に大企業で働いている場合は、慎重に決断する必要があります。転職先の多くは中小企業のため、一度転職をすれば、ほぼ100%収入と待遇が低くなるからです。(もちろん、頑張り次第で報酬アップも可能です。誤解のないように)
なんらかの改善を行い、仕事に対する不安や不満が払拭できるなら、もしかすると転職をしないほうがより良いキャリアを積めるかもしれません。また、場合によっては、起業したほうが良いケースだって考えられます。
しかし、実際このような分岐点に立つと、なかなか正しい判断はできないものです。どの道に進んでも、必ずメリットとデメリットの両面がありますからね。
転職に関しては、自分の頭の中でいくら考えても、恐らく良い答えは見つからないでしょう。どうしても迷ってしまうときは、客観的な第三者からのフィードバックが非常に役に立ちます。
弊社の知命塾などを活用して、ぜひ自分にはない視点からの意見を参考にしてみてください。
転職活動中の主な注意点
転職活動中の動き方で、転職の成否は大きく変わってきます。 どれほど入念な準備を行っていても、活動中に失敗すれば全く意味がありません。
転職活動中の主な注意点を8点解説しますので、できるだけすべてクリアできるように、しっかりと頭に刻み込んでいきましょう。
大企業と中小企業の違いを受け入れ、柔軟な姿勢をアピール
40代以上のミドルシニアが転職する場合、転職先企業の規模は小さくなるのが一般的です。大企業と中小企業では、会社の仕組みから働き方まで、何もかも違います。この企業規模による違いを無視して、大企業の感覚のまま転職活動を行うと、転職はまず上手くいきません。
大企業を経験した人からみれば、中小企業での仕事は合理性に欠けているように見えるのは事実でしょう。必要なものは揃っておらず、組織体制や社内ルールも、整備されていないと感じるかもしれません。これまで環境の整った企業で働いている人からすると、なぜ整備されていないのか?と気になってしまうことでしょう。
しかし、どの会社にもそれぞれ事情があるものです。逆に視点を変えれば、そこにあなたの経験が活かせる場があるとも言えます。より効率的に業務を行えるように環境を整備できれば、経営者から評価されて特別な待遇を受けるチャンスになるかもしれません。
ぜひ謙虚な態度で「新しい環境で慣れない面もあるかもしれませんが、自分のスキルを活かして精一杯頑張ります」という気持ちを伝えるようにしましょう。
そのために、転職先企業での仕事の仕方や企業風土をよく研究しましょう。その上で、自分なら企業風土に合った働き方ができ、結果も出せることを強くアピールするのです。
もちろん中小企業での仕事にさまざまな不安や不満はあるのが本音でしょう。でも、まずは採用してもらうのが先決です。スキルやキャリアの提示と同時に、企業風土に応じた柔軟性もきちんとアピールできれば、転職の確率は間違いなく大きくアップします。
自慢話は絶対にNG
前述のとおり、40代以上の転職先の規模は、以前の職場よりも小さくなるケースがほとんどです。そうなるとどうしても、前職での経験を自慢話のように話す人が出てきます。
しかし、面接時の自慢話は絶対にNGです。転職先で自慢話をしたら、確実に評価が下がると思ってください。あからさまな自慢話ではなく、サラッと匂わす程度であってもやめておくほうが無難です。
面接時に少しでもこのような態度を匂わせたら、転職は間違いなく失敗します。「こういう性格では、仮に採用しても、上手くいかないだろうな」と思われてしまうからです。
ただし一方で、面接時には自分をアピールする積極性も求められます。積極的な自己PRと評価されるか、それとも自慢と受け止められてしまうか、その差は、「具体性」です。
採用企業へアピールしたいスキルや経験について、実際どのように実績を出してきたのかを具体的に説明できれば、それは自慢ではなくアピールとして受け止めてもらえます。また、自分のアピールポイントを具体的にまとめておくと、企業とのマッチングを考える際にも大いに役立つはずです。
いずれにせよ、自慢話は決してせず、自己PRもさりげなく上品におこなうのが、面接の鉄則です。打ち解けた雰囲気になっても、決して気を抜かずに、節度を守るようにしてください。
雇用主と自分の「仕事内容に関するイメージ」をすり合わせる
前述のとおり、自分のできることを明確にしておくことが非常に大事です。しかし、募集内容をみて「できない分野の仕事だから自分にはムリだ」と諦めてしまうのは、早計すぎます。
なぜなら、できないと思っている仕事の内容が案外簡単で、少し慣れれば問題なくこなせるケースが多いからです。
私が実際に相談を受けた人事部門の求人案件は、採用や教育だけでなく労務関係の業務も行うというものでした。大企業の人事業務経験者にこのような案件を紹介すると、多くの人が応募に消極的です。
大企業では業務が細分化されているため、経験のない労務の仕事に対して、消極的になるのは仕方のないことかもしれません。
ところが、実際に経営者側がイメージしているのは「問題点を社労士と相談する窓口になってくれれば良い」という程度なのです。このイメージをお伝えすると「それなら対応可能だと思います」という返事が戻ってきます。
このケースは、イメージのすり合わせができたから良いものの、もし上手くすり合わせができなければ、転職のチャンスを逃してしまうことになります。
こういったロスを避けるためにも、まずは案件を扱う転職エージェントに、仕事内容をしっかりと確認する意識を持つべきなのです。
それさえ押さえておけば、あとは面接で雇用主と認識をすり合わせればOK。採用後に「思っていたのと違う」といったトラブルも、まず起こらないでしょう。
自分のスキルと募集要件のマッチングを真剣に考える
先ほど「経験のない分野でも自分にできるかどうかを、転職エージェント・雇用主両方にきちんと確認する」という話をしました。あとからトラブルを起こさないためにも、認識のすり合わせは必ず行いましょう。
ただし、逆に「できると思っていたことが、実務で要求されるレベルに達していないケース」も、しっかりと想定しておく必要があります。
実は大企業勤務が長い人の場合、会社のネームバリューやリソースのおかげで業務が回っていることも多く、後ろ盾のないベンチャー企業では通用しないことも少なくありません。
企業とのミスマッチを防ぐには、まず自分のスキルを冷静に見極めてから、応募するかどうかをじっくりと判断する必要があります。熟考のうえ応募すると決めたら、自分のスキルやキャリアを的確に相手企業に伝えられるように、応募種類と面接の準備を入念に行いましょう。
なお、弊社では経営者とディスカッションするイベントを、これまでに何度も開催しています。現在、コロナ禍の影響で開催は難しくなっていますが、もし今後このようなイベントがあれば、経営者の仕事に対する考え方を確認する場として、ぜひ活用していただければと思います。
長期視点で転職先を選ぶ
40代以上になれば、期待される役割はこれまで経験した分野に関連したものへ限定されます。企業は即戦力を求めているため仕方がありません。
しかし「せっかく転職するなら、未経験でも自分のやりたい仕事に就きたい」と思うのも当然です。
もしも未経験分野への転職を希望するなら、ぜひ長期視点で転職先を選んでください。いきなり未経験の仕事に就こうとするのではなく、まずは経験領域を求める企業に転職を決めてしまうのです。
転職できたら、最初は自分の経験領域で成果を出すことに全力で集中しましょう。結果を出せば、会社に利益をもたらしたあなたと、経営者の間に揺るぎない信頼関係が構築されていくはずです。
そうなれば成功間違いなしです。あとはタイミングを見て、もともと希望していた未経験の仕事を提案し、プロジェクトリーダーとして働けば良いのです。
もちろん、必ず上手くいくとは断言できませんが、こういった考え方を頭に入れておくだけでも、転職活動のストレスは大きく軽減できるでしょう。
転職先企業を事前にしっかりと研究
転職活動には、転職先企業の事前研究が欠かせません。理由としては、主に以下の3点が挙げられます。
- 企業情報を把握しておくと、担当者から信頼を得やすい
- 企業の求める人物像がわかる
- 自分と転職先企業との相性の見極めに必要
中でも、相性の見極めは非常に重要です。冒頭でお伝えしたとおり、多くの人が転職を後悔するのは「相性が良くない会社に転職してしまったから」と言えます。であれば、事前に企業との相性を見極められるなら、満足のいく転職が期待できるわけです。
そのためには、まず公式サイトをよく読み込んでください。公式サイトには「企業の理念や方針」「業務内容」「経営状況」など、知っておくべき情報が数多く記載されています。
ただし、こういった表の情報には、どうしても「よく見せよう」というフィルターがかかっているので、丸々信用するのも考えものです。口コミサイトや、弊社が提供する経営者と直接触れ合えるイベントなどを活用して、できるだけ情報の裏づけを取るように心がけましょう。
第一印象の重要性を侮らないこと
転職となると、どうしても自分のスキルや実績のアピールに意識が向きがちです。もちろんそういった要素も大事ですが、40代の転職においては、もっと第一印象の重要性を理解しておくべきです。
面接で話ができるといっても、与えられた時間はごくわずか。自分の伝えたいことは、半分も伝わらないと思っておいたほうが無難です。
一方で、面接官も短時間で相手を判断しなければなりません。判断材料が少ない状況下では、あなたが想像しているよりも、第一印象が成否に与える影響は大きいのです。
まずは、とにかく笑顔を意識しましょう。普段よく笑う人でも、面接になると緊張してしまい、つい笑顔を忘れがちです。スキルと実績はあるけれど怖い印象の人、未経験だけど笑顔が素敵で柔らかい印象の人がいたら、多くの採用担当者は後者を好みます。
また、服装や髪型といった「身だしなみ」も重要です。清潔感がない人は、どれだけ実力があっても採用の確率が大きく下がってしまいます。
ぜひ、清潔感を意識してください。パリッとして清潔感のある身だしなみであれば、それだけで「これなら仕事もしっかりやってくれそうだ」と判断してもらえます。
「立つ鳥跡を濁さず」現在働く会社の心証を損ねない転職活動
「転職活動をはじめたらできるだけ早く転職したい」当然誰もがそう考えるはずです。しかし、あまり表立って転職活動をすると、現在の会社で働く人たちとギクシャクする可能性があります。
本来転職活動を隠す必要はないのですが、できるだけ目立たないように水面下で動くほうが無難です。そのためには、同僚や上司に転職活動中である旨を決して漏らさないでください。
もちろん、相談したい気持ちは非常によくわかります。でも、相談した相手があなたの転職に好意的とは限りません。転職について相談したい場合は、プライベートな友人、もしくは私どものような転職エージェントだけにしておくのが良いでしょう。
当然ですが、プロジェクトの途中で転職するような行為は絶対に避けましょう。仕事の区切りが良い時期に退職できるよう、転職活動のスケジュールを計画する配慮も必要です。
いずれにしても「辞めるからあとのことは関係ない」という態度を取れば、悪評を立てられ転職後の仕事に影響が出る可能性もあります。現在の会社の人たちと良好な関係を維持できるように、最後まで責任をもって仕事をこなしましょう。
40代の転職活動を成功させるコツ
40代の転職活動を成功させるためのコツをお伝えします。転職で死ぬほど後悔したと感じている40代の方は、事前準備が十分でなかったり、頭では分かっていても実践できていない(していない)など、いずれかの要因があるものです。
40代の転職に失敗して悲惨な結末を迎えないように、次のコツをしっかりと押さえましょう。40代の転職活動を成功させて、自分らしい彩りのある人生を送っていただけたら幸いです。
将来のキャリアビジョンを持つ
40代の転職を成功させるには、将来のキャリアビジョンをしっかりと持つことが大切です。目先の職場環境を改善するために転職をする方が多いですが、不満条件をクリアした職場を見つけ転職したとしても、また新たな問題や不満が生まれる可能性があります。
例えば、仕事内容に不満があり転職を希望しているとします。興味・関心のある全く未経験の業界に転職をしたら、仕事内容に不満はなくなったものの、給与が低くて転職に失敗したと感じるかもしれません。
また、現状の給与が低いことが原因で転職を希望しているとします。転職をして給与は上がったものの、深夜残業や休日勤務が多くてプライベートの時間が取れず、結局転職に失敗する事態にもなりかねないのです。
転職する上では「自分が将来なりたい姿や願望・目標をイメージすること」が大切です。近い将来だけでなく、5年後、10年後、定年後における自分のキャリアビジョンをイメージしてみてください。キャリアビジョンは、仕事だけでなくプライベートも含まれます。
キャリアビジョンの考え方は、次の記事でご紹介していますので参考にしてみてくださいね。
転職の軸を明確に
将来のキャリアビジョンが描けたら、それを実現するためのキャリアプランを立てましょう。キャリアプランを立てる中で、転職の軸を明確にすることが非常に大切です。40代の転職に失敗して悲惨な目にあう方は、転職の軸が明確になっていないのが原因かもしれません。反対に、転職の軸が明確になっていれば、迷わず効率的に転職活動を進められます。
「なぜ転職したいのか」「将来どんなキャリアプランを描いているか」「そのためにどんなステップを踏むべきか」順序だてて考えていくことで転職の軸が明確になるため、その後の企業選定や面接対策においても役立つのです。
よくあるのが、希望条件が多すぎてマッチする企業が見つからないケースです。仕事内容、給与、労働時間、福利厚生など、自分の理想とする条件すべてをクリアした職場はそうそうありません。
転職の軸を明確にする上で、妥協できない絶対条件を決め、優先順位をつけるようにしましょう。
企業研究を徹底的に
40代の転職を成功させるためには、企業研究を徹底的に行いましょう。企業研究を行うことで、自分が希望する企業への理解が深まります。
就業条件だけでなく、企業の本質を理解することで、自分の希望にマッチした企業なのか見極めることができるのです。つまり、転職のミスマッチを事前に防げるため、転職成功のコツと言えるでしょう。
企業のホームページやリリースのほか、IR情報や口コミサイトも参考にしてみてください。
また、転職エージェントに聞くのも一つの方法です。転職エージェントは、企業の人事担当者や採用担当者と直接やり取りをしているケースも多く、転職エージェントにしか分からない「職場の雰囲気」や「企業が今後目指す指針」が分かるかもしれません。
企業への理解が深まれば、転職理由や自己PRを考える際にも役立ちます。
応募先とのマッチング
40代の転職を成功させるためには、応募企業に対して自分がマッチした人材だということを明確にアピールすることが大切です。
40代の転職では、即戦力として活躍してくれそうな人材を求める企業がほとんどです。そこで、まずは応募企業が求める人物像を入念にリサーチしましょう。
ホームページに掲載されている経営者の言葉や、採用情報ページにヒントが隠れているはずです。
そして、応募先が求める人物像と自分がマッチしている点を見つけ、的確にアピールすることで採用率を高められます。
未経験の職種や業種に転職をする方も、これまで経験したことや自分の強みから「どのような行動をとって、企業のどんなことに貢献できるのか」考えてみることがポイントです。
履歴書よりも職務経歴書に注力を
転職活動において避けては通れないのが書類審査です。書類審査を通過するためには、履歴書よりも職務経歴書に注力しましょう。
履歴書は、自分が今まで歩んできた経歴を記載するいわば「個人情報の確認」になります。
一方、職務経歴書に関しては、応募先に対して自分がどのように貢献できるのか、どんな能力がありどのように発揮できるか「自己紹介と自己PR」の機会なのです。
上記でご説明したとおり、企業は即戦力となる人材を求めているため「応募先と自分はこの点がマッチしているから、企業の目標達成に貢献できる」とアピールする必要があり、そのための書類が職務経歴書になります。
有名な転職サイトを調べれば、職務経歴書の書き方のコツが紹介されているため、参考にしてみても良いでしょう。
しかし、職歴や自己PRは人それぞれです。客観的な視点で添削してくれる転職エージェントを活用すれば、入念な添削と的確なアドバイスをもらうことができます。
ポジティブな言い換え
転職理由や面接に対しても言えることですが、何事もポジティブな言い換えを心掛けましょう。前向きな考え方で物事を伝え、ネガティブな印象を与えないことが、40代の転職を成功させるコツです。
例えば、以下のような言い換えを参考にしてみてください。
- 残業が多い→仕事とプライベートのバランスをとりたい
- 給料が低い→自分の実力に見合った正当な評価をしてくれる企業に転職をしたい
- 人間関係のトラブル→チーム一体となって成果を上げたい
- やり甲斐がない→達成感を感じたい
- 会社の将来性が不安→新たな挑戦をし続ける会社で自分の能力を発揮したい
- キャリアップできない→専門性を磨き業務範囲を広げたい
情報源は複数持つ
40代の転職を成功させるために、情報源を複数持つことがおすすめです。一つの情報源だけでなく複数の情報源を持つことで、より客観的で信憑性の高い情報が判断できます。
転職サイトの情報だけを鵜呑みにせず、応募先の業界に関わる人からのアドバイスや転職エージェントに直接話を聞いてみるのも良いでしょう。
転職を経験したことのある上司や友人など、身近な人からの意見も参考にすると良いかもしれません。
しかし、複数の情報源を持つことで情報が錯綜してしまわないように、情報の信憑性を的確に判断して、しっかりと取捨選択を行うようにしてくださいね。
転職エージェントを活用
40代で転職を成功させたいのなら、転職エージェントを活用するのがおすすめです。どんなに経験や知識が豊富な40代でも、転職をするには「客観的な意見」が必須です。
転職エージェントは転職活動のプロですから、自己分析や企業研究を行う際のポイントを知っていますし、書類作成や面接対策を行う際の注意点も網羅しています。
多くの転職成功者を生み出してきた実績があるエージェントほど、あらゆるケースに対応でき、より的確なアドバイスをしてくれるのです。
まとめ
今回ご紹介した15個の注意点は、どれも重要なものばかりです。もちろん、これさえやっておけば必ず転職が成功するという、魔法のようなものではありません。
しかしこの15個に注意することで、少なくとも転職を後悔するような事態には陥らずに済むでしょう。
転職を成功させるコツもあわせて参考にしながら、自分のペースで転職活動を進めてみてください。
サポートが必要な項目については、私どもが主催する、個人向けキャリアマネジメント研修「知命塾」を活用してみませんか。知命塾については、以下のサイトにて詳細が確認できます。