キャリアの最善手を打っていますか?自分を知ることから始まる本当のキャリア対策

先日、録画で録りためてあったNHKのプロフェッショナル仕事の流儀の中で囲碁棋士の井山裕太さんが取り上げられていた回を見ました。囲碁界で初めて7大タイトル制覇を2度達成し、国民栄誉賞を受賞した、あの方です。まだ20代(今年5月で30歳)にも関わらず、国民栄誉賞にふさわしい実直な素晴らしい人ですね。

最善の手

この番組の中で井山さんが「最善の手」について話していたのですが、それがとても印象に残りました。「安全は、最善の策ではない。安全な手とは、最善手を100点とするならば、少し悪い90何点の手だ。そのゆるみを積み重ねるうち、いつの間にか形勢が入れ替わるのが勝負の世界。だからこそ、安全な手にこだわることはかえってリスクが高い。」

さすが、勝負師。その一手だけを見れば100点と90点で差はわずかなのかもしれませんが、その最善手に比べて9割の安全手が積み重なると0.9×0.9×0.9×・・・・となり、数回繰り返すと5割を切ってしまう。トータルでは50点以下の囲碁になってしまうということですよね。これ、私たち一般人のキャリアについても同様のことが言えるのではないかと思ったのです。

あなたにとって最善のキャリアとは?

みなさんは最初に会社を選ぶとき、どうでしたか?大きい会社の方が安全、知名度がある方が安全、給料が高い方が安全・・・など安全な方を選びませんでしたか?何を隠そう私はそのような選び方をしました。正直、その時は自分が何をしたいかもよくわからず、それしか判断基準がなかったのですが。仮に最初がそうであったとしても、その後の転機やチャンスでやりたいこと挑戦したいことではなく「安全な方」を選んだことは多々あったように思います。プロジェクトリーダーに手を上げたり、新規提案をしたり、PTA役員に手を上げたり、地域のコミュニティの世話役を買って出たり、など少し興味はあるけど、やると非難を浴びる可能性もあるし、責任負わなきゃいけないし、面倒くさい人間関係に巻き込まれるかもしれないし、やめておこうなんて思ったものです。そうして積み上げたキャリアが自分にとって満足のいくものだったのかどうか。実際私は大きな不満こそありませんでしたが、23年勤めた会社を辞めました。そこでは私はリスクを冒して最善を求めました。それが成功だったのかどうかはわかりませんが、求めることなしに終わる人生よりはよかったのではないかと思っています。ちなみに、新卒の際に、いくつか内定をもらった会社のうち、その後ずっと安泰だった会社はありません。安全、安全と思って選んでも、結局は安全ではないということです。井山さんの言う最善の手、それは常識から外れていても、自分はこっちに打ちたいと思ったら、迷わず自分の信じる手を打つということだそう。

私が言いたいのは、「安全」がその人にとって最善ならば、それでいいのですが、そうでない場合、「安全」を言い訳に最善の手をあきらめてしまっていないかということです。

 

最善のキャリアを実現するために

では、最善のキャリアを実現するためにはどうしたらいいのでしょう。

井山さんのように打ちたいと思ったところに単に打つやり方では、人生がギャンブルになってしまいます。井山さんは無数の過去の経験や棋譜が頭に入っていて、無意識的に勝利に向けた勝負手が浮かんでいると思いますので、我々が準備なしにやりたいことをやってしまうとリスクがあります。では、どんな準備をすればよいでしょうか。

 

ゴールを定める

当たり前ですが、自分の目指すキャリアゴールがわからなければ、「最善」の手かどうかわかりません。まずは、自分のキャリアゴールを決めましょう。ただし、キャリアゴールは未来永劫固定しておく必要はありません。あくまでも、その時点でのゴールであり、違うゴールができたら変えたらいいので現段階で何を目指すか考えてみましょう。ミドルシニア層の方へのお勧めは、自分の強み・できることをベースに考えてみるということです。あなたの強みであるということは、何らかの志向や才能がある可能性が高いからです。

 

作戦を立てて実行する

ゴールが決まれば、あとは作戦です。そのゴールの実現に不足しているものを洗い出してみましょう。何かの知識が必要でしょうか、今とは違う経験をしておく必要があるでしょうか。その中で、何をすることがキャリアゴールに近づくために効果的でしょうか。一旦、最善と思われる手を打ってみて、ダメならやり方を変えてみたらいいのです。やってみることで見えてくるものがあるはずです。

 

リスクを軽減するために

新たな一歩を踏み出す時には、多かれ少なかれリスクは生じるでしょう。これを軽減することはできるのでしょうか。リスクそのものの軽減はできなくても対策は打てます。井山さんも最善手のあとにプランA、プランBがあるのではないでしょうか。リスクをただ恐れて不安がるのではなく、まず、具体的にリスクを知ることが必要でしょう。例えば転職を例にとれば、収入減は多くの人にとってリスクでしょう。でも、最低限いくらあれば生活できるのか計算しておく、さらに生活費を切り詰めるとすればどこまで切り詰められるか計算しておく、転職がうまくいかなくて収入がなくなった場合に生きていく術 法律や地方自治体の移住誘致策を調べておく など、対策があれば心理的にリスク軽減につながると思います。

 

最善のキャリア実現に向けて準備ができる「知命塾」

知命塾では、自分を知り尽くし、できるコトを明確にしながら志を明らかにしていきます。そしてリスクや制約条件を洗い出し、その縮小を図ったうえでキャリアについて計画を立てます。まさにキャリアの最善手を打ち続けるための方法を身につけていただくのです。