40代・50代の転職に過剰なこだわりは禁物!転職に失敗しない3つのポイント

人生100年時代ともなれば、今現在50代でも、まだこれから20〜30年は働かなくてはならない計算です。そういった状況のなか、職業人生の後半戦をよりよい環境で働きたいという、40代・50代のビジネスパーソンが激増しています。

しかし40代以降の転職市場は、求人の伸び以上に求職者が増えており、転職に失敗する人も少なくありません。

そこで今回は、40代・50代が転職に失敗しないためのポイントを3点紹介していきます。転職に失敗する人の特徴や、転職に対する誤解とその対処法などについても触れていくので、ぜひ最後までお読みください。

40代・50代の転職で失敗する人の特徴

40代・50代の転職で失敗する人の特徴

条件の厳しい40代・50代の転職を成功させるには、失敗する原因を知り、その原因を徹底的に回避するのが大前提となります。

この章では、40代・50代の転職で失敗する人の、典型的な特徴を3点解説していきます。自分に当てはまるかどうか、チェックしてみてください。

仕事や転職条件に対するこだわりが強すぎる

仕事内容や転職条件に対して、あまりにもこだわりが強い人は、やはり企業から敬遠される傾向にあります。

応募するあなたは、自分の知識と経験に自信があるかもしれません。しかし、採用する企業側からすれば、あなたの実力に関してまだ半信半疑の状態です。そういう心理状態の相手に対して要求が高すぎれば、いらぬ反発心を植えつけてしまいかねません。

おそらくあなたは、ある程度の役職に就き、何人か部下も抱えているでしょう。報酬もそれなりの金額をもらっているはずです。そうであれば、転職先でも自分を高く評価してもらいたい。そう思う気持ちはよくわかります。

しかし、40代・50代の転職ともなれば、前職よりも企業規模は小さくなるのが一般的です。つまり、そもそも待遇は悪くなるのが当たり前。そういう状況下で、前職と同様の待遇を求めれば、決まるものも決まらなくなってしまいます。

なんとなく覇気がなく、不健康な印象を与える

転職活動において、自分が相手に与える印象は、とても重要です。どんなに知識や実績があっても、面接官に好印象を与えられなければ、転職は失敗するでしょう。もしとくに大きな問題もないのに不採用が続く場合は、自分が人にどういう印象を与えているのか、いちど真剣に考えてみるべきです。

条件は申し分ないのに不採用になる人の多くは、往々にして、なんとなく覇気がなく、不健康な印象を相手に与えています

中小企業は社員も少なく人間関係が密なので、中途採用者が社風にうまく馴染めるかどうかをとても気にしているものです。したがって、「覇気がない」「陰気」「不健康そう」といったマイナスな雰囲気をまとった人は、どうしても厳しい評価を受けてしまいます。

キャリアに自信がありすぎて、扱いにくいと思われてしまう

明るく元気で堂々としており、前述のようなマイナスイメージが一切ないにもかかわらず、なぜか転職に失敗する人がいます。そういう人は、キャリアに自信がありすぎて、扱いにくいと思われてしまうケースが多いようですね。

かりに驚くような実績があったとしても、採用企業からすれば、あくまでもあなたはひとりの新人でしかありません。

実力があれば近い将来役職に就くこともあるでしょうが、最初のうちは誰よりも不慣れな新人であることを理解し、謙虚に振る舞うべきです。そうすれば余計な反感を買うこともなく、純粋にあなたの知識やスキルを評価してもらえます。

とにかく、働きぶり・人となりを評価してもらえるのは、採用されて一緒に働けることが前提です。入り口で切られてしまわないように、やはりいきすぎた自己アピールは控えたほうが無難でしょう。

◯転職の可能性を奪う大企業病については、こちらの記事で確認できます

企業が40代・50代に求める人物像を知っておこう  

企業が40代・50代に求める人物像を知っておこう

転職で失敗する人の典型的な特徴を知ってもらったところで、今度は企業が40代・50代に求める人物像を紹介していきます。必要とされる条件がわかれば、転職活動は格段に楽になるはず。もしひとつでも当てはまらない項目があれば、ぜひ今日から準備をはじめてください。

知識と経験が豊富な即戦力

企業が40代・50代に求めるのは、なんといっても「知識と経験豊富な即戦力」としての役割です。自分がこれまで携わってきた専門分野の知識はもとより、経理やセールス・マネジメントといった周辺分野のスキルも、採用者はしっかりとチェックしてきます。

考えてみれば、知識や経験が必要ないのなら、企業としても給料が少なくて済む若手を選ぶはずです。そこをあえて40代以降の人材を選ぶのは、それだけその企業が、即戦力を求めている証拠といえるでしょう。

とはいえ、ただ知識やスキルだけあっても、実際に採用される保証はまったくありません。なぜかというと、採用側は「自分の給与と経営コスト以上の利益をあげ、会社に還元する」という、経営者視点をもつ人材に働いてもらいたいと考えているからです。

「どうしてもあなたに働いてもらいたい」と思ってもらえるよう、知識と経験だけでなく、上記のようなコスト意識も併せもつ即戦力を目指していきましょう。

謙虚で威張らない人間性

いくらあなたが「実績もあり結果を出せる即戦力」だとしても、転職先とトラブルを起こしそうな人間性だと判断されれば、決して採用はされないでしょう。

また、かりに前職で経営陣や管理職だったとしても、新たな組織に入ればあなたはあくまでも新人です。「転職をすれば立場が変わる」と肝に銘じて、謙虚な姿勢で行動しなければなりません。

とくにサービス業や製造業に転職する場合、会社には、現場員から管理職までさまざまなバックボーンの人材が働いています。こういう環境では、あなたに実力があるほど「上から目線のうるさい人」と受け取られがちです。

しかし誰に対しても謙虚な姿勢で接し、口だけでなく実際に行動する姿を見せれば、一転して絶大な信頼を受けるでしょう。そしてそういった本当に実力のある人の周りには、自然と人が集まってきます。

これは、あなたが40代だろうと50代だろうと、はたまた70代でも同じです。「謙虚に威張らず分をわきまえる」を意識して、人に好かれる人材を目指してください。

若い人材を引っ張るマネジメント力

さきほど、前職で役職に就いていても、転職先で同等の役職に就けるとは限らないという話をしました。しかし実際のところ、しっかりとしたマネジメント経験があれば、いずれなんらかの役職が与えられるはずです。

経験豊富な人材が少ない中小企業やベンチャー企業であれば、なおさらマネジメント能力のある人材を放ってはおきません。つまり逆から考えれば、40代・50代なのに若い人材を引っ張るマネジメント力がないと判断されれば、当然転職は厳しくなるわけです。

とはいえ、もし今までに大勢の部下を束ねた経験がなくても、転職を諦める必要はありません。大事なのは、これまでのマネジメント経験が、転職先の規模とマッチしているかどうかです。

100人のマネジメントと5人のマネジメントでは、おのずとマネジメント手法が変わってきます。つまり、中小企業への転職が多い40代・50代の場合、少人数の若い人材を引っ張るリーダー力があれば十分なのです。

いずれにせよ、いきなりマネジメント力は身につきません。できるだけ早い段階から、部下と個別にコミュニケーションを取る訓練をしておきましょう。

自主的に仕事へ取り組む積極性

40代・50代の場合、一般的に中小企業への転職が多くなるので、なによりも「自主的に仕事へ取り組む積極性」が強く求められます。

新卒社員と違い、ある程度の経験がある40代以降の中途採用者に、手取り足取りイチから研修をしてくれる企業はまずありません。またどんなに優秀でも、おそらく入社直後は部下もいないはずです。

そうなれば、当然受け身の姿勢のままで、満足のいく仕事はできません。自ら積極的に動き、仕事を創出するくらいの積極性がなければ、会社から高い評価はもらえないのです。(もちろん、指示された仕事を適切にこなすことも重要です)

とにかく、40代・50代ともなれば、指示待ち人間は絶対にNGだと考えてください。いちいちこまかい指導がなくても、バリバリと仕事をこなせる姿を、少しずつ周囲に示していきましょう。

そうすれば、「この人に任せておけば安心だ」という評価が広まり、仕事がどんどんやりやすくなっていきます。

40代や50代が、転職で失敗しないためのポイント3選

40代や50代が、転職で失敗しないためのポイント3選

この章では、40代や50代が、転職で失敗しないためのポイントを3点紹介していきます。この3点さえできていれば、基本的に転職で失敗するケースはほとんどないはずです。3つともクリアーできるように、しっかりと準備をしていきましょう。

1.自分の力が活かせる職場を探す

40代・50代が転職を成功させるには、自分の力が活かせる職場を探すのが一番確実です。40代以降の転職では、採用先企業で働く人達が、あなたの実力に注目しています。入社後スムーズに働くためにも、しっかりと自分の実力をアピールしなければなりません。

そう考えると、やはりこれまで蓄積してきたノウハウや技術を発揮できる同業種、もしくは同職種の求人に応募するのがベストでしょう。

また、自分の力を活かすという意味では、ぜひ中小企業ベンチャー企業も視野に入れていただきたいところです。

中小企業(とくに地方の優良企業)や設立間もないベンチャー企業の多くは、営業・企画・管理などの社内制度が、あまり整備されていません。そのため、社内制度が整備されている大企業で働いていた人材は、採用の可能性が大幅にアップします。

企業から求められて働けるのであれば、当然やりがいや達成感も得られやすくなるし、先輩社員との関係も築きやすいです。また、中小企業には役職定年がない場合も多く、社長との距離も近いため、実績さえ出せば何歳まででも働けます。

◯地方での転職については、こちらの記事でも確認できます

2.スキルを行動で示す

いくら知識と経験が豊富でも、口だけ動かして自分の手を動かさない「腰の重い人」は、どうしても敬遠されがちです。しかしきちんとそのスキルを実践して見せれば、周囲もあなたの実力を認め、自然と頼りにされるようになってきます。

前述のベンチャー企業を例にあげるなら、各部署の制度を整備していくにあたり、以下のような目に見える成果をきちんと提示してください。

  • 具体的なテンプレートやマニュアルを作成する
  • 自分の手を動かして、具体的なやり方を見せる
  • 相談された疑問点には、的確な回答を示す

そうすれば、「この人はきちんと対応してくれる人」だと、認知してもらえます。

とはいえ、そもそも自分のなかにこういったスキルがなければ、成果を提示するどころではありません。そのためにも、まずは転職前に、転職に必要なスキルと経験の棚卸しをしておく必要があります。そして、もし足りないスキルや経験があれば、なるべく早い段階で取得に動き出すべきです。

ちなみに、自分の棚卸しは、いうほど簡単ではありません。どうしても主観が入るからです。より精度の高い棚卸しをしたいなら、専門家の客観的フィードバックがもらえる「知命塾」のようなキャリア研修をオススメします。

3.これまでのポジションや待遇を引きずらない

40代・50代の転職は、中小企業への転職がほとんどです。したがってあなたが、前職で大企業の管理職だったとしても、前職と同等の待遇は期待できません。当たり前の話です。

年齢的にも経験的にも、自分に自信があるのはよいことですが、待遇面への不満を表にだすのだけは絶対にやめましょう。「それならほかの会社にいけばいいのに……」と、転職先からマイナスな評価を受けるだけです。

それよりも、まずは過去のポジションや待遇を一回忘れて、「その会社で何ができるのか。それは自分の給与と見合っているのか」を客観的に考えてみませんか。

中小企業は社長の裁量が大きいので、結果を出せば一気に待遇がよくなるケースも多いです。へたに待遇面にこだわるよりも、まずは結果を出すことに集中しましょう。

◯転職後の待遇面ついては、こちらの記事で確認できます

40代・50代の転職活動でよくある誤解とその対処法

40代・50代の転職活動でよくある誤解とその対処法

40代〜50代といえば、まだ終身雇用や年功序列が色濃く残っていた時代を知っている世代です。ひとつの会社で勤め上げてきた人も多く、当然転職の経験はほとんどないし、転職に関する知識が圧倒的に不足しています。

そのため、転職市場における自分の位置づけや可能性について、誤解をしている人が非常に多いのです。40代以上の世代が転職を成功させるには、まずこの誤解を解消する必要があります。

40代・50代の転職にありがちな誤解とは

前述のとおり、転職経験が極端に少ない40代・50代は、転職に対してさまざまな誤解をしています。なかでも、とくに目立つのが以下の3点です。

  • 40代を過ぎたら転職は厳しい
  • 転職をすると待遇は悪くなる
  • 大幅なキャリアチェンジは無理

この3点の根底にあるのは、いうまでもなく「年齢による制約」です。たしかに、ミドルシニア世代の転職が、30代よりも狭き門であるのは事実でしょう。待遇も低くなることがほとんどですし、40代の未経験者に新しいチャンスをくれる企業はそう多くありません。

しかし前述のとおり、ターゲットを人材難に苦しむ中小企業やベンチャー企業に切り替えれば、転職の可能性は一気に上昇します。ミドルシニア層がすでに数多く在籍する大規模企業ではなく、あなたの知識やキャリアを必要とする中小企業に的を絞るのです。

待遇はおそらく現在よりも下がりますが、一生懸命働いて結果を残せば、いずれ待遇は改善されます。とりあえず待遇面についてはあまり考えず、まずは採用されることに集中したほうが得策です。

なお、未経験であっても、マネジメントスキルやどこでも通用するポータブルスキルをしっかり身につけておけば、異業種への転身も十分可能です。「自分のスキルと経験を人材不足の会社に売り込む」この大原則をしっかりと頭に刻み込んでおいてください。

◯ポータブルスキルについては、こちらの記事で確認できます

年齢的な制約を乗り越える具体的な方法

年齢的な制約を乗り越える方法として、私どもは以下の3点を強力にオススメします。

  • スキルのアップデート
  • キャリアストーリーの作成
  • 幅広い人間関係ネットワークの構築

最近では、AIやARのように、これまでとはまったく違う新しい技術が急速に広がっています。こういった新技術への取り組みに年齢はあまり関係なく、20代でも40代でもスタートは一緒です。

したがって、これから自身のスキルを最新のものにアップデートし続ける気持ちさえあれば、年齢はそれほど大きなハンディにはならないでしょう。

また、キャリアストーリーの作成も、非常に有効な方法です。40代・50代には、圧倒的な経験があります。その経験をうまくアピールするには、自分の経験とスキルをどのように活用してきたか、具体的な成功事例を通じて語るのがいちばんです。

ただし、このような自己アピールをいきなりおこなっても、まず失敗します。だからこそ、普段から「伝える内容と伝え方」を、真剣に準備しておく必要があるのです。

幅広い人間関係ネットワークの構築については、説明するまでもないでしょう。昔からよい情報は、関係のある人間のネットワークを通じて、伝わってくるものです。

古くからのお付き合いを大事にしつつ、新しいつながりも積極的に作り出していけば、年齢に応じた好条件のオファーが舞い込んでくるかもしれませんよ。

◯自分の強みの発信については、こちらの記事で確認できます

誤解を解けばみえてくる新たな転職のチャンス

ここまでの話で、「年齢を重ねることは新たな転職のチャンスを閉ざすものではなく、むしろ新たな可能性を広げるものだ」と、ご理解いただけたはずです。

たしかに、20代や30代を想定した求人のほうが、圧倒的に多いのは間違いありません。しかし、40代・50代がもつ「経験の豊富さ」「幅広い人間関係」「マネジメント能力」を欲しがる企業は、あなたが考えている以上にたくさんあります。

前述のベンチャー企業などは、その最たるものといえるでしょう。勢いのある経営者、素晴らしい商品と戦略があっても、会社を円滑に運営するマンパワーが圧倒的に不足しています。こういう企業にあなたの能力を、どんどん売り込んでください。

「40代以上だから転職はダメだ」と思い込むのを今すぐやめて、とにかく自信をもって転職に臨んでいきましょう。そうすれば、やがて目の前に大きな転職のチャンスが飛び込んでくるはずです。

まとめ

人生100年時代の到来をにらみ、転職してよりよい仕事に就きたいと考える人が、大幅に増加しています。ただ求人よりも求職者が多い現状では、自分のマインドを転職の成功にきちんと合わせていかないと、満足のいく転職はむずかしいでしょう。

とはいえ、転職に対して、過度に不安をもつ必要はありません。今回紹介した「企業が40代・50代に求める人物像」を理解し、「40代・50代が転職で失敗しないためのポイント」をしっかりと実践すれば、転職は必ずうまくいきます。

いずれにせよ転職は、採用企業を含めた第三者から、どのように高く評価してもらえるかがポイントです。他者からの高評価を受ける方法について詳しく知りたい人は、まずは下記の無料Web相談会にご参加ください。