40代以降のミドルシニアに特化した転職エージェントを運営している私のところには、転職してやりがいのある仕事に就きたいという人が、たくさん相談にきます。
正直にいって、40代を過ぎたミドルシニアの場合、20代と比べて転職の確率は大きく下がります。ましてや、やりがいのある仕事を求めての転職となると、転職の可能性はますます低くなるでしょう。
しかしだからといって、やりがいを求めて転職することがダメなわけではありません。定年後さらに10〜20年間も働くこれからの時代において、やりがいのない仕事ではあまりにも辛すぎるからです。
そこで今回は、転職でやりがいのある仕事を見つけるためのポイントを12点ご紹介していきます。転職を機会に、やりがいのある仕事で働きたいとお考えの人は、ぜひ最後までお読みください。必ず参考になるポイントがみつかるはずです。
目次
- 1 1.自分が認められていないと感じたら、転職のサイン
- 2 2.あなたにとってやりがいのある仕事とは
- 3 3.「やりがい・報酬・勤務地」プライオリティを明確に
- 4 4.ミスマッチを防ぐためにも徹底した自己分析を
- 5 5.企業とのスキルマッチングがやりがいを生む
- 6 6.40代の転職におけるスキルアップの重要性
- 7 7.得意なことのなかにやりがいを探してみる
- 8 8.転職しなくてもやりがいを得られないか、いったん考えてみる
- 9 9.40代だからこそ大切にしたい人とのつながり
- 10 10.転職先企業の社風や文化を見極める方法
- 11 11.転職後のキャリアアップを視野に入れて動く
- 12 12.自分の年齢に合った転職エージェントへ相談する
- 13 まとめ
1.自分が認められていないと感じたら、転職のサイン
職種や役職は関係なく、頑張って働いている人なら、誰でも自分の仕事ぶりをきちんと評価してほしいと思っています。多少待遇が劣っていても、自分が認められている・必要とされている自覚があれば、なんとか乗り切れるものです。
しかし、どんなに頑張っても自分は認められていないと感じているなら、もしかするとそれは「転職のサイン」かもしれません。
あなたの仕事を評価するのは、あなたではなく会社です。どんなに自分では頑張っているつもりでも、会社に評価されなければ、あなたはそのギャップに苦しみ続けることになります。
もちろん、その会社で踏ん張ってみるのもひとつの方法です。ただ、現時点での評価が低ければ、よほど目立った結果を出さない限り、どこまできちんと評価してもらえるかは疑問が残ります。
どちらの評価が正当かはさておき、もしそういう状況に不満を感じているなら、別な職場に転職するほうが間違いなくよい結果を生むはずです。
2.あなたにとってやりがいのある仕事とは
転職してやりがいのある仕事を見つけるためには、まず自分にとってやりがいのある仕事とはなにかを、明確にしなければなりません。
自分にとってのやりがいを知っておかないと、条件の合わない企業へ応募してしまうムダが発生します。
また、転職希望者の多くは、「転職さえすればやりがいのある環境が手に入る」と考えがちです。しかし、すべての条件を兼ね備えた企業は、どこにも存在しません。転職してみたら、思い描いていた仕事ではなかったということも、十分考えられます。
もし現在大企業に勤めているならば、一度転職すると、再び大企業で働くのは困難です。自分が求めるやりがいは、転職しないと本当に手に入らないのか、転職前に考える時間を設けてください。転職の是非については、またのちほど解説します。
なお以下に、主な仕事のやりがいをまとめておきました。自分はどの項目を重視するか、チェックしてみてください。
- 給料・役職など、満足できる待遇を得られる
- やりたいことができる
- 自分のスキルや経験を発揮できる
- 成果をきちんと評価してもらえる
- 使命感・達成感が感じられる仕事内容
3.「やりがい・報酬・勤務地」プライオリティを明確に
絶対的な求人数が少ないミドルシニアの転職では、「やりがい・報酬・勤務地」といった転職条件のプライオリティ(優先順位)を明確にしましょう。
なぜならミドルシニアの転職市場には、誰もが望むような条件の揃った求人が、そもそも存在しないからです。あれもこれも転職に高望みをして、積極的なアプローチをためらってしまうと、その間にライバルがその求人枠を奪ってしまいます。
しかしじつは、条件さえ絞れば、思っている以上にミドルシニア向けの求人はたくさんあるのです。たとえば私たち社会人材学舎には、地方の魅力的な中小企業からの引き合いが、たくさんきます。
地方だから知名度は低いが、技術力には定評があり、経営状態もいい。報酬も地方にしては好待遇、人材が常に不足しているため、実力のある人は大歓迎される。自分のスキルを思い切り発揮したい人にとって、こういった企業のオファーは非常に魅力的でしょう。
しかしなかには、どうしても地方にはいきたくない人も一定数います。これはいい悪いではありません。そういう人は、大都市勤務が可能な求人を選べばいいだけの話です。
重要なのは、条件のプライオリティが明確だと仕事が選びやすいことです。ということで、転職活動をスタートする前に、ぜひ自分にとってのプライオリティを明確にしてください。
4.ミスマッチを防ぐためにも徹底した自己分析を
転職後にミスマッチが発覚すると、転職者・採用企業どちらも不幸です。転職者は自分の想像と異なる会社の実情にやる気が出ないだろうし、採用側にしてもせっかく採用したのに期待するパフォーマンスを発揮してもらえなければ、わざわざ採用した甲斐がありません。
こういったミスマッチを避けるには、とにかく自己分析を徹底的におこなうことです。自己分析を通して、自分の強みと弱み・仕事の価値観、そして仕事のやりがいの源を明確にしてください。
とりわけ、自分の強みと弱みの明確化は非常に重要です。40代の転職ともなれば、入社後すぐに結果を出すように求められます。
しかし新卒採用と違って、40代の転職者に対して、丁寧に研修をしてくれる会社はありません。だから、自分の強みをすぐに活かせる会社を選ばないと、入社後が大変です。
もちろん、前職とは異なる業界へ転職するケースも少なくないでしょう。その場合は、専門知識よりも、どの仕事にも共通する能力「ポータブルスキル」が重視されます。
自己分析とポータブルスキルの分析については、別記事で詳しく紹介しています。ぜひそちらの記事にも目を通しておいてください。
5.企業とのスキルマッチングがやりがいを生む
転職活動では、とにかく自分のスキルや経験が求められる企業探しに、注力してください。企業とのスキルマッチングは、転職後のやりがいと直結する重要なポイントです。業務内容や待遇に多少不満があっても、自分の能力が必要とされている実感さえあれば、転職後もやりがいを感じながら働けるでしょう。
40代に求められるのは、即戦力となる知識とスキルです。当然、採用されるポジションに応じた能力が求められます。ただし、業界や職種、あるいは会社によって、求められる能力は変わってくるものです。
求人情報や会社の公式サイトを読み込み、どういうスキルがあれば歓迎されるのか、まずはじっくりと考えてみましょう。
要求されている能力がわかったら、今度は自分の強みと弱みを分析してください。そして自分の強みと採用側の希望がマッチしているかどうかを、客観的に確認するのです。この作業がきちんとできていれば、少なくとも入社後すぐに退職するような事態にはなりません。
長期間楽しく働き続けるためにも、事前の入念な自己分析は不可欠です。
6.40代の転職におけるスキルアップの重要性
前述のとおり、40代の転職では即戦力としての働きを要求されるケースがほとんどです。しかし音声認識・AIなど、現代のビジネステクノロジーの変化は異常なほど速く、過去のスキルや経験がすぐに陳腐化してしまう危険性があります。
そのため、普段から新しいスキルを習得して自己成長を続けないと、転職市場での競争力が著しく低下してしまいかねません。
また、年齢を重ねるほどに、会社が転職者に求める水準は高くなっていきます。だから、40代として当然身につけておくべきレベルの知識やスキルが不足していると、たとえ入社できてもその後の評価は非常に厳しいものになるでしょう。
とくに資格の取得が評価される業界で、必要な資格をもっていなければ、そもそも採用してもらえない可能性が高いです。
税理士のように、取得に数年単位かかる資格もあります。希望の業界で必須とされる資格やスキルがあれば、できるだけ早いうちに勉強をスタートしてください。なお、転職に役立つオススメの資格については、以下の記事で確認できます。
7.得意なことのなかにやりがいを探してみる
前述のプライオリティと似ている話ですが、得意なことのなかにやりがいを探してみる意識をもつと、転職の確率は大きくアップします。
得意なことがやりがいになれば、「やりがいがあるから頑張る → もっと得意になる → 周囲に認めてもらえる → やりがいを感じるからさらに頑張る」という、プラスの循環が生まれるからです。
ところが多くの人は、好きなことができる環境にやりがいを求めます。もちろん好きな気持ちは大切ですが、好きな気持ちだけにフォーカスするのは、少々危険といわざるを得ません。会社では好きという気持ちよりも、思い入れがなくても結果を出す人が高く評価されるからです。
ということで、ぜひ得意なことへやりがいを感じるように意識してみてください。きっと働くのが楽になりますよ。
8.転職しなくてもやりがいを得られないか、いったん考えてみる
今回は、「転職でやりがいのある仕事を見つける」というテーマで話をしていますが、必ず転職をしましょうといいたいわけではありません。
それどころか転職を考える前に、「今の仕事のままでもやりがいは得られないか」と、ぜひ一度考えてみてほしいのです。
前述の「得意なこと・好きなこと」のように、自分の意識のあり方次第で、やりがいは大きく変わります。あるいは仕事に過度なやりがいを求めず、趣味や社外のつきあいといった、プライベートを重視して生きるという選択肢もあるでしょう。
いずれにしても、やりがいを見つける方法はひとつではありません。安易に転職をするよりも、まずは現状の環境で改善する方法を考えてみてください。これまでのキャリアを変えなくて済むなら、そのほうが効率的ですから。
考えた結果、やはり転職がベストという結論になれば、あとは迷うことなく転職活動をしていくだけです。
9.40代だからこそ大切にしたい人とのつながり
40代では、人とのつながりが転職の成功に大きく寄与します。これまでの長いキャリアのなかで、おそらく同業者やプライベートにおける人的ネットワークが、ある程度できあがっているはずです。
ミドルシニアとよばれる世代で転職を希望するなら、こういった人的ネットワークを活用しない手はありません。
もちろん、そのためには、普段から良好な関係を築いているのが大前提になります。相手はあなたに好意をもっているからこそ、「それならこんな仕事があるんだけど、どうだろうか?」と手を差し伸べてくれるのです。
だから紹介を当て込み、打算的な気持ちでお付き合いをするのは、絶対にやめてください。そういうよこしまな思惑は、簡単に見抜かれてしまいますので。
もし現時点で、そういった人間関係が築けていないと感じているなら、まずは家族や友人・仕事仲間・ご近所さんを大事にすることからはじめましょう。
自分の経験や知識を積極的に共有し、困ったときにサポートをする姿勢があれば、きっとよい信頼関係を築けます。
なお、交流会や勉強会は、意識の高い仲間に出会えるチャンスです。社会人材学舎の知命塾などを活用して、ぜひ人とのつながりを増やしていきましょう。
10.転職先企業の社風や文化を見極める方法
先ほど、「ミスマッチを防ぐには、徹底した自己分析が重要」という話をしました。しかしいくら自己分析をしても、同時に転職先企業の社風や文化をチェックしておかないと、やはりミスマッチは起きやすいです。
転職先企業の社風や文化を見極めるためには、以下の方法を試してみましょう。
- 企業のウェブサイトやSNSを調査:企業の価値観や働き方に関する情報を収集
- 口コミサイトをチェック:現職・元社員の評価や感想を参考に、企業の実態を把握
- 実際にサービスを体験してみる:商品を購入・体験して、市場の評価を確認
- 転職エージェントに相談:業界に詳しい転職エージェントに企業の内情を尋ねる
- 面接で質問:実際に企業の人間と触れ合い、企業風土を感じる
「面接で質問」以外は、すべて事前に準備できるものばかりです。とくに公式サイトは、情報の宝庫なので、「聞こえのいいことしか書いていない」などと斜に構えず、隅々まで目を通しておくことを強くオススメします。
なお社風を感じるには、面接(企業説明会に参加できればベスト)で、実際に働く人とやりとりをするのが一番です。面接官はあくまでも質問がメインとはいえ、話し方・対応・話す内容を聞けば、ある程度会社の雰囲気は掴めます。
もし可能なら、1〜5すべてをやっておくと、より正確に転職先企業の社風や文化を把握できるでしょう。あとから後悔しないためにも、ぜひしっかりとリサーチをしていただければと思います。
11.転職後のキャリアアップを視野に入れて動く
現在転職を検討中の人は、どうしても採用にばかり気を取られがちです。たしかに入社しないとなにもはじまらないので、その気持ちは本当によくわかります。しかしこれからの社会人人生を考えれば、むしろ入社後の働き方やキャリア構築のほうが、よほど重要なことに気づきます。
まず考えるべきは、昇進や役員へのステップアップです。業績が好調でやりがいもあるなら、頑張って結果を残して、社内での評価を高めていくのが現実的でしょう。もしさらなる転職も視野に入れているなら、ベンチャー企業を選んでおくのもひとつの考え方です。
ベンチャーの仕事は結果を求められるぶん、急成長時期にだけ経験できる、さまざまなノウハウが短期間で身につきます。ここで身につけたノウハウは、今後転職する際にも、きっと大きく役立つはずです。
また、前述のように、地方の優良企業への転職もいいですね。技術力が高く業績も絶好調、なのに知名度がなく人が集まらない。そういう企業に転職してノウハウを学び、人脈をじっくりとつくっていけば、いずれは独立開業という選択肢も見えてきます。
東京では飽和状態でも、地方なら参入が容易な業種は結構多いんですよ。さらに地方なら、開業資金も安く抑えられますしね。
これはあくまでも一例ですが、転職の際には、ぜひ将来のキャリアアップも考慮して計画を立ててください。そうすれば、転職後の仕事がより充実したものになるはずです。
12.自分の年齢に合った転職エージェントへ相談する
やりがいのある仕事を転職で見つけるには、自分の年齢に合った転職エージェントへ相談するのがベストです。
逆に有名だからといって、20〜30代をターゲットにした転職エージェントで転職活動をおこなうと、面接にすら進めない可能性も十分あり得ます。
ではミドルシニア向け転職エージェントならどこでもいいのかというと、話はそれほど単純ではありません。転職エージェントによって、求人やサポートの質がマチマチだからです。
たとえば私たち社会人材学舎のように、地方の優良中小企業案件を多数抱えているエージェントは、ほとんどありません。やりがいのある仕事を探している人には、こういった地方の優良中小企業が最適なのにもかかわらずです。
また転職に必要な自己分析やキャリアアップ研修と、実際の転職活動をワンセットにしたエージェントも、まず見当たらないですね。
あまり知られていませんが、じつは多くのミドルシニア向け求人には、転職エージェントのリファレンス(推薦)を要求されます。社会人材学舎では、上記研修と転職活動をワンセットにした「知命塾(ちめいじゅく)」を運営しており、きちんとした人材だけを転職先へ推薦しています。
やりがいのある転職を望んでいるならば、手前味噌のようですが、社会人材学舎のような、実績のあるミドルシニア向け転職エージェントを選んでください。
まとめ
今回は、転職でやりがいのある仕事を見つけるためのポイントを12個ご紹介しました。どのポイントも重要ですが、転職の成功率という面から考えると、とくに「自分の年齢に合った転職エージェントに相談する」のは厳守していただきたいと思います。
間違っても、20代向けの転職エージェントを選ぶのだけはやめましょう。ヘタをすると、まったく相手にされず、心に大きな敗北感だけを残すことにもなりかねませんから。
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