もしかしてあなたは、「転職すればやりがいのある仕事に就ける」と考えていませんか?
たしかに現在の仕事に100%満足している人は、おそらくひとりもいないでしょう。しかしだからといって、転職さえすればやりがいのある仕事が待っているというのは、少し発想がズレているように思います。
私たち「社会人材学舎」では、知命塾というキャリアアップ転職サポートを受けるかたに、まず「あなたにとっての本当のやりがいを明確にしませんか」とお話しさせていただいています。
安易に転職を考える前に、「仕事のやりがい」と「やりがいの見つけ方」を、しっかりと身につけてしまいましょう。
=目次=
「やりがいがないから転職する」は危険
現在の仕事にやりがいを感じられないから転職するというのは、非常に危険な考えといえます。なぜならば、やりがいを見つける方法を知らないままだと、転職先でもまた同じ状況に陥ってしまう可能性が高いからです。
実際私どもに相談してくるかたの多くは、「どのような仕事にやりがいを感じますか?」と質問しても、すぐに詰まってしまいます。
やりがいがないと不満を抱えながら、やりがいがなにかを即答できない。こういったことが起きるのも、単純に不満から逃げ出したいだけで、今までやりがいについて真剣に考えたことがないからです。
では、やりがいを見つけるにはどうしたらいいのでしょうか?
さまざまな方法があるとは思いますが、「第三者の力を借りて客観的に自分をみつめる方法」がもっとも効果的だと「社会人材学舎」は考えています。(詳細は後述)
いずれにせよ転職先は、やりがいをもって、明日からすぐに力を発揮してくれる人材がほしいのです。転職先にやりがいを求めるのではなく、自分でやりがいを見つけて転職先に貢献する。これくらいの意気込みで、転職に取り組んでください。
そうすれば、転職は必ずうまくいきます。
仕事でやりがいを感じる4つのポイントとは
やりがいは、 「満足度」という言葉に置き換えてみると、より理解しやすいかもしれません。具体的にいうと、下記の4つの側面に対してバランスよく満足できる状態のときに、人はやりがいがあると表現するわけです。
- 自分への評価
- 報酬
- 成長
- 社会性
それでは、ひとつずつ解説します。
1.自分への評価
どのような仕事も、基本的にひとりではできません。とくに会社組織で働く場合、上司・同僚・部下・クライアントなど、たくさんの人と関わりながら仕事をしていきます。
ということは、やはり「他人からの評価」がとても重要だということです。でも他人からの評価というのは、上司に気に入られるとか、そういう低レベルなお話ではありません。
「あなたのおかげで仕事がうまくいった。ありがとう」
「やはりあの人がいないと、仕事が円滑に進まない」
「◯◯さんが担当してくれるからこそ、取引をお願いしているんですよ」
もし周囲からそういう評価をしてもらえたら、本当に嬉しくないですか。これらは、あなたの働きが誰かの役に立ったからこそ、掛けてもらえる言葉です。
こういった自分の仕事が誰かに必要とされている「心の喜び」こそ、仕事におけるやりがいの原点なのではないでしょうか。
2.報酬
よく「お金とやりがいどっちが大事?」などと比較されたりしますが、報酬(お金)とやりがいは決して相反するものではありません。本来、自分への評価=報酬であるべきです。
仕事で結果を出せば、高い評価を受け、その評価に応じた報酬を受け取る。この当たり前の仕組みがきちんと機能していれば、報酬が高ければ高いほど、そのぶんやりがいも大きくなります。報酬の高さは、誰かの役に立った証ですからね。
しかし残念ながら、日本企業の場合、仕事に見合う報酬をもらえないこと(逆のケースも少なくないですが)がほとんどです。お金の話はとかく敬遠されがちな日本ですが、「報酬とやりがいは直結している」ことを、しっかりと理解しておきたいものです。
3.成長
上図は、マズローという心理学者が提唱した「マズローの5大欲求」を図解化したものです。一番下の生理的欲求(ご飯を食べたい、眠りたいなど)からはじまり、上にいくほど高次元な欲求になっていきます。
さきほどお話しした「自分への評価」と「報酬」は、承認欲求までのいわゆる「欠乏的欲求」に分類されます。欠乏的欲求とは、要するに「自分を認めてほしい欲求」です。
対してこれから話をする「成長と社会性」は、もう一段階高い次元の「自己実現欲求」といえます。自分を成長させてより高いレベルで人の役に立ちたいという想いがないと、決して実現できない高レベルの欲求なのです。
そう考えると、十分な評価や報酬がベースにあることは大前提としても、「仕事を通しての自己成長」が本当のやりがいを語る上で欠かせないポイントだと思いませんか?
4.社会性
自己成長と同様に、自分の仕事、あるいは働く企業に社会性があるかどうかも、非常に重要なポイントです。
極端な例ですが、どんなに地位があって報酬がよくても、もし自分が軍需産業で兵器を販売する仕事に就いていたら……やりがいを持てる日本人はそう多くないでしょう。逆にあなたが開発する薬で難病が治療できるとしたら、それは大きなやりがいにつながるはずです。
もちろん社会性は、医療や福祉のように、直接社会的な問題に貢献する仕事だけのものではありません。自分の頑張りによって利益を生み出し、社員や家族の生活を支えているとしたら、それだって立派な社会貢献です。
いずれにせよ承認欲求の次は、ぜひ 「社会性」 という側面からも、自分のやりがいを考えてみてください。それだけでも、自分の仕事に対するやりがいは、大きくアップするはずです。
仕事のやりがいを見つけるためのコツ
やりがいを感じる4つのポイントがわかったところで、今度は仕事におけるやりがいを見つけるコツを解説します。結論をいうと、やりがいを見つける最大のコツは、「徹底した自己分析」です。具体的には、以下の3点を意識しながら、自己分析をしていきます。
- 自分はなにができるのかを明確にする
- 自分がなにをしたいのかを明確にする
- スキルや資格取得などで、仕事の幅を広げる
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
自分はなにができるのかを明確にする
転職するにせよ、このまま同じ職場でがんばるにせよ、どちらにしてもまずやるべきなのは「自分ができること」を明確にすることです。できることを探すには、どんなに小さなことでもいいので、子ども時代から現在に至るまでの成功体験を書き出してみるといいでしょう。
その過程で「できないことや苦手なこと」もわかってきますから、どこに自分の時間と能力をつぎ込めばいいのかが、はっきりしてくるはずです。
もちろん、せっかく転職するのであれば、自分のやりたいことに挑戦したいと考える人も多いでしょう。また仕事である以上、やらなければならない業務についても、無難にこなせるようにしておかなければなりません。
本当のやりがいは、できること・やりたいこと・やらなければならないことが、うまく噛み合ったときに生まれます。ぜひこの大原則を、忘れないでください。
自分がしたいことを明確にする
前述の通り、やりがいとはすなわち「満足度」です。いうまでもなく、やりたいことができれば、それはもうやりがいを感じるに決まっていますよね。しかしながらその「やりたいこと」をわかっていない人が多いのが問題なのです。
ということで、できることの次は、「やりたいこと」を明確にしていきます。できるかどうかは、いったん脇に置いておきましょう。現実的な問題は一切考慮せずに、まずはやりたいことを片っ端から列記してください。
やりたいことが出尽くしたら、そこではじめて「できること」や「やらなければならないこと」を加味して、現実的なプランに落とし込んでいきます。
とはいえ、今までこういった作業をしたことのない人にすれば、うまくやりたいことを見つけられないかもしれません。
そういうときは、迷わずに「知命塾」のようなキャリア研修を活用してください。自分では気づかない想いを、しっかりと形にするサポートをしてもらえます。
スキルや資格取得などで、仕事の幅を広げる
今、自分の仕事になんらかの不満を感じているのであれば、スキルアップや資格を取得するなどして、自分の仕事の幅を広げていくのがオススメです。
たとえば、これまで国内営業を担当していたとしましょう。もしあなたがTOEIC900点以上のスコアを取得して、外国人となんなく商談をこなせるとしたら……もしかすると海外勤務に抜擢されるかもしれません。
これはあくまでも一例ですが、スキルアップによって仕事の幅が広がるとしたら、なんだかワクワクしてきませんか?
ただし、資格やスキルアップの方法は、本当にたくさんあります。ありすぎるくらいなので、「どのような資格をとればいいのか」「どの分野でスキルアップをすべきか」自分ではなかなか的確に判断できないかもしれません。
迷ったままスタートしてしまうと、途中で進路が大きく変更してしまう可能性があります。これは忙しいビジネスパーソンにとって、大きなロスです。まずは知命塾のアドバイザーと一緒に、しっかりとした方向性を定めてしまいましょう。
やりがいのある仕事の探し方
目の前にある仕事からやりがいを感じられれば、仕事がどんどん楽しくなっていくでしょう。しかし同時に、さらにやりがいのある仕事を探し続ける積極性も、常にもち続けておくべきです。この章では、やりがいのある仕事を見つけるコツを4つ紹介します。
仕事選びの優先順位を明確にする
やりがいのある仕事選びでは、仕事に対する自分の優先順位を明確にすることがスタートになります。自分がなにを重視するかによって、目指すべき職種や業界も当然変わってくるはずです。
【仕事選びの主な要素】
- 報酬額
- 職種や業務内容
- 福利厚生の充実度
- 企業カルチャーとの相性
- 裁量権の度合い
- 社会貢献度
- キャリアアップのチャンス
給料が高ければ、企業カルチャーや社会貢献度は、あまり気にしない人もいます。反対に、やりがいや充実感を味わえるなら、給料は二の次という人もいるでしょう。重視する要素は、本当に人それぞれです。
ただ共通していえるのは、すべての要素が完璧に揃った仕事(会社)など、世の中には存在しないということ。だから、「自分のなかでこれだけは決して譲れない」という優先順位を明確にしておかなければならないのです。
優先順位を考えずに目先の報酬に飛びつけば、おそらく数年も経たないうちに、また転職を考えるようになるでしょう。自分自身の価値観を再確認し、その価値観に合った仕事を見つけ出すことが、やりがいのある職業に就くための第一歩となります。
企業分析を徹底的におこなう
転職を成功させるには、徹底した企業分析が欠かせません。企業分析の主な目的は、以下の2点が挙げられます。
- 採用の確率を高めるため
- 採用後のミスマッチを防ぐため
事前に企業情報を調べておけば、志望動機や自己PRに、転職先が必要とする情報をうまく組み込むことも可能です。面接時にも、「この人は我が社のことをよく調べているな」と、面接官によい印象を与えられる可能性が高くなるでしょう。
また、企業研究を入念にやっておけば、転職後のミスマッチをある程度予防できます。
企業のホームページで、経営方針や取り扱う商品(サービス)についての基本的な情報は手に入ります。採用ページや先輩社員のインタビューなどを見ておくと、企業カルチャーについても、大まかな雰囲気はつかめるはずです。
会社四季報や業界地図のようなメディアのチェックも、忘れずにしておきたいですね。業績や将来の業績予想のほかに、業界でのポジションや競合他社・提携企業との関係性もしっかりと確認できます。
自分に合った転職エージェントのサポートを受ける
転職希望者、とくに40代50代は、転職エージェントのサポートが不可欠です。多くの人は、インターネット上で情報が探せる転職サイトやハローワークなどを中心に転職活動をおこないます。
気軽に求人情報を確認するという意味では非常に有益ですが、あくまでも自分で求人情報を探さなければなりません。その点、転職エージェントなら、その人に合った求人をコーディネーターが提案してくれます。
そのほかに、提出書類のチェック・面接の準備・交渉の仲介などにもサポートが入るので、転職者からすれば非常に心強いはずです。
ただし、転職エージェントを利用する場合、あなたのキャリアや実績が問われます。転職エージェントから企業へ推薦する形になるため、明らかに能力不足の人には適切な求人を紹介できないからです。
実際に転職活動に入る前に、専門知識やスキルを身につけ、しっかりと自分の市場価値を高めていきましょう。
地方での転職も視野に入れる
働く場所として、地方を視野に入れると、将来の可能性が大きく広がります。東京をはじめとする大都市圏では、人材が豊富です。あなたがいくらキャリアのある人材でも、おそらくあなたと同等の人材には事欠かないでしょう。
ところが、地方では都市部に比べて人材自体が少なく、優秀な人材なら引く手あまたの状態です。地方には、知名度はなくても、安定した業績を継続している優良企業がたくさんあります。
そういった企業から望まれて働けるなら、無理に競争の激しい大都市圏で働くよりも、充実した生活が送れるのではないでしょうか。
また、地方には、食文化や自然が豊かな土地も多く、都心部よりもバランスの取れた生活を過ごしやすいというメリットもあります。家賃も安いし、住宅を購入する場合も、都心部より圧倒的にコストを抑えられるはずです。
自治体から移住サポートを受けられるケースもあるので、興味のあるかたは一度じっくりと地方移住について調べてみてください。
当てはまったら転職のサイン!新しい環境でやりがいを見つけよう
ここまでは、話の流れ的に、転職を推奨しない論調で話を進めてきました。もちろん安易な転職には反対ですが、転職したほうがやりがいをもって働けるなら、転職してもまったく問題ありません。
- 正当に評価されていないと感じる
- 成果に見合った報酬をもらえない
- キャリアアップが見込めない
- 働く意義を感じられなくなってきた
上記の状況に、どれかひとつでも当てはまるようなら、今が真剣に転職を検討すべきタイミングなのかもしれません。
正当に評価されていないと感じる
一生懸命働いているのに正当な評価が受けられないと、どうしても働く意欲は失われていきます。さらに上司から、もっと頑張れ的な発言をされようものなら、一気に転職へ気持ちが傾いてしまうでしょう。
こういった状況が頻繁に発生するのは、日本企業の人事評価の曖昧さが大きく関係しています。外資企業は、人事評価が非常に明確です。あくまでも、提示した目標をクリアーできるかどうかが焦点であり、結果さえ出せば基本的に報酬や待遇は保証されます。
一方日本の会社では、上司の査定などが重視される傾向にあり、評価の理由はブラックボックスに包まれたままです。だから、自己評価と会社の評価が簡単にズレてしまうんですね。それぞれが自分の思惑で評価を下しているのだから、ある意味当然の結果といえます。
また50代をすぎた頃から、役職定年や早期退職といった、待遇の悪化が目に見えて増えはじめます。「きちんと働いているつもりなのに、会社からの評価が下がってきた」このように感じ出したら、いちど真剣に転職を検討すべきかもしれません。
成果に見合った報酬をもらえない
頑張って仕事をしたら、そのぶんしっかりと報酬に反映してもらいたいと、誰もが思うものです。実際、某大手転職サイトの調査を見ると、「給与が低い・昇給が見込めない」が、転職理由の1位にランクインしていました。
もちろん、評価は金銭的なものだけではありません。部署内で頼りにされたり、取引先と良好な関係が築けていたりと、精神的な評価も働く大きなモチベーションになり得ます。
しかし生活のために働いている側面がある以上、成果に見合った報酬がもらえなければ、転職に気持ちが傾くのも当然です。ただし、転職で報酬をアップしたいという考えは、非常に危険だと思います。なぜならば、転職をすると一般的に報酬はダウンするからです。
採用した人がすぐに退職してしまうリスクを見込んで、多くの企業では採用時の報酬を低く設定しています。結果を出せば報酬アップはもちろん可能ですが、最初から転職に夢を見てしまうと、あとから後悔することにもなりかねません。
報酬に関しては、なかなかデリケートな問題なので、慎重な判断を強くオススメします。
キャリアアップが見込めない
前述の調査で、転職理由の3位にランクされていたのが、「昇進・キャリアアップが望めない」でした。
長い間年功序列を採用してきた多くの日本企業では、転職による異動が極端に少ないです。そのため、社内にミドルシニア層が多数在籍しすぎる状況が生まれ、いつまで経っても役職が空きません。
いくら頑張っても管理職のポストに就けず、さらに報酬アップも見込めないとなれば、モチベーションを維持できる人はそう多くないでしょう。このように、キャリアに行き詰まりを感じて、働く意欲を失う状態を「キャリアプラトー」とよびます。
いったんキャリアプラトーに陥ってしまうと、自力でモチベーションを回復するのは、相当大変です。キャリアプラトーになる前に新しい職場を探してみるのも、ひとつの解決法だと思います。
働く意義を感じられなくなってきた
前述の「正当に評価されない」「報酬が低い」といったように、働く意義に疑問を感じるようになったら、それはおそらく転職のサインです。もちろん、働く意義を感じなくなった原因によっては、そのまま現職で踏ん張ったほうがいいケースもあります。
なので、安易に転職へ逃げる前に、しっかりとその原因を分析しましょう。働く意義を感じなくなる主な原因としては、以下の8点が考えられます。
- 正当に評価されていないと感じる
- 成果に見合った報酬をもらえない
- キャリアアップが見込めない
- 仕事内容に不満がある
- 仕事内容に飽きてきた
- 仕事内容が自分に合っていない
- 報酬の高さ以外に魅力がないと感じている
- なにかしらミスをして自信を失っている
こういった状況が複数重なれば、誰だって働く意欲を保つのは困難です。最悪、身体を壊して、働けなくなる可能性もあります。転職でこういった状況を打破できると思うなら、思い切って転職活動をはじめてください。
また転職に不安があるなら、私どもが運営するキャリアデザインプログラム「知命塾」がオススメです。ワークセミナーやキャリア相談などを通して、転職への理解が深まり、転職に対する不安はきれいに解消されるでしょう。
知命塾体験セミナーで「やりがいの見つけ方」を学ぼう
報酬や昇進なども含めて、結局のところ、仕事にやりがいを見つけられるかどうかで、仕事への満足度は決まります。
ただ言葉でいうのは簡単ですが、気持ちが沈んでいる状態でやりがいを見つけるのは、正直かなり大変です。そういう場合は、ぜひ知命塾体験セミナーで、やりがいの見つけ方を学んでください。
自分のことを自分で判断するのは、案外大変です。どうしても感情が入ってしまい、冷静な分析ができませんからね。そういうときは、他人の言葉によって、気づきを得ることも多いものです。
知命塾では、あなたの目標の明確化と実現のプロセスを徹底的に洗い出します。ぜひ、第三者のサポートを最大限に活用してください。
まとめ
冒頭でもお話ししたとおり、転職すればやりがいのある仕事に就けるというのは、大きな間違いです。
それよりも問題なのは、多くの人が、やりがいを明確にしていないことでしょう。自分にとってのやりがいがわかっていないのに、やりがいを求める。根本的な問題は、そこにあります。
もちろん、転職によってやりがいを得られる場合もあります。やりがいを明確にして、その実現手段として転職を選ぶ。この順番を間違わないように心がけてください。