「人生100年時代」を迎え、多くの人に60歳を超えても10〜20年現役で働く、新たなキャリア構築が必要とされています。しかし、40代50代といったミドルシニア世代には、いまだ転職に対するネガティブな意識が根強く残っているのが現実です。
こういったネガティブな意識をいかに払拭し、新しいセカンドキャリアの道を探していけるかどうかが、これからの人生の質を大きく左右するでしょう。
そこで今回は、セカンドキャリアを成功させるポイントや、セカンドキャリアの見つけ方について、わかりやすくお伝えしていきます。
=目次=
転職成功3つのポイント
セカンドキャリアを充実させるには、定年後も働ける仕事を探して、なるべく早く転職を成功させるのがポイントです。この章では、転職を成功させる3つのポイントについて解説していきます。
転職する理由を明確にする
40代以降のミドルシニアが転職を決めるには、まず転職する理由を明確にするのが非常に大切です。転職する理由を明確にすると、大きく2つのメリットがあります。
- 転職への強い決意が生まれる
- 転職を成功させるためにやるべきことが明確になる
20代の転職と違い、ミドルシニアの求人は、そもそも絶対数が少ないです。その少ない採用枠をたくさんのミドルシニアが争うので、人によっては何回も不採用が続く可能性もあります。
不採用が続けば、どれほどメンタルの強い人でも、段々と自分の存在を否定される気持ちになってくるでしょう。打たれ弱い人なら、すぐに転職を断念してしまうかもしれません。だからこそ、どんなことがあっても必ず転職するという、明確な転職の理由が必要なのです。
また転職の理由が明確になると、同時にやるべきことも明確になります。ミドルシニアの転職者は、「即戦力としてのスキルと経験」を求められるケースがほとんどです。
現時点で転職条件を満たしていないと自覚しているなら、必要な条件を転職までに急いで身につけなければなりません。
やりたいこと・できることのバランスを考える
ミドルシニアの転職では、「やりたいこと(Will)」と「できること(Can)」のバランスを、よく考える必要があります。
せっかく転職するわけですから、本当にやりたいことをしたいと思うのは当然です。しかしミドルシニアの転職者に求められているのは、前述のとおり、「即戦力としてのスキルと経験」でしたよね。
厳しい話ですが、あなたがなにをしたいかについて、転職先企業はほとんど興味がありません。それよりも、「あなたは自社に対してなにができるのか」に注目しています。
だから自分のなかで、「できることばかり求められるアンバランスさ」にうまく折り合いをつけておかないと、転職活動がひどく苦しいものになるかもしれません。またやりたいことにどうしてもフォーカスしたい人は、おそらく転職もうまくいかないでしょう。
さらにいうと、会社員は自分の希望と関係なく、「やらなければならないこと(Must)」についても考えておく必要があります。
「Will・Can・Must」のバランスのとり方について詳しく知りたいかたは、以下の別記事でご確認ください。
待遇面にこだわりすぎない
ミドルシニアが転職を成功させる1番のコツは、「待遇面にこだわりすぎない」ことです。身も蓋もない話かもしれませんが、待遇面の基準を下げれば、転職の可能性は一気にアップします。
そもそもよほどのスキルや経歴がない限り、ミドルシニア世代が大企業へ転職するのは、ほぼムリだと考えてください。
そう考えると、転職先の中小企業に対して、前職と同水準の待遇を望むほうがムリというものでしょう。繰り返しますが、転職を成功させたいのなら、前職の役職や給与額はひとまず頭から消してください。
その代わり中小企業では、結果を出せば待遇が一気に改善されるケースも少なくありません。転職先での好待遇は、転職後の仕事ぶりで勝ち取ればいいのです。
まずは、「転職先企業に雇ってもらい、セカンドキャリアのスタート地点に立つ」ことに、目的を絞りましょう。
充実したセカンドキャリアのために準備しておくこと
ここまで、転職を成功させるための3つのポイントを解説してきました。この章では、セカンドキャリアを充実させるために必要な準備を、4点お伝えしていきます。
まずは徹底した自己分析から
充実したセカンドキャリアのためには、なんといっても徹底的な自己分析が不可欠です。自己分析で自分がもつ本当の価値や価値観に気づけば、自分がもっとも望む形でセカンドキャリアを送れる可能性が高まります。
具体的には、まず「自分の市場価値」を正確に分析しましょう。前述のとおり、即戦力としてのスキルと経験を現在の自分がもっているかどうかで、転職の結果は大きく変わります。
もしスキルと経験が不足しているなら、転職の時期を遅らせてでも、まずはスキルと経験の習得に専念するべきです。
また転職は、業界や職種を変える絶好のチャンスでもあります。これまで培ったキャリア以外の道を進むのも、努力を惜しまなければ決して不可能ではありません。前述の「Will・Can・Must」に沿って、自分はどういう道を進むべきか、ぜひじっくりと分析してみてください。
セカンドキャリアに必要なスキルや資格を身につけておく
さきほどもお伝えしたように、セカンドキャリアに必要なスキルや資格は、転職する前にできるだけ身につけておきたいものです。
ただしスキルは、すぐに身につくものではありません。できるだけ早く自己分析をおこない、じっくりと経験を重ねていくしかないでしょう。
一方資格に関しては、司法試験のような特別に難易度の高い資格でもない限り、長くて2〜3年あれば十分取得できるはずです。
いずれにせよ、必要なスキルや資格の洗い出しも、自己分析の結果をもとにおこなうのが大前提になります。自己分析が完了していない場合は、なるべく早く着手してください。
会社に依存しない人間関係を構築
多くの場合、会社に勤めている間は、同僚や上司・取引先といった関係性が、社会的ネットワークの中心になります。しかし、こういった人間関係は、会社という組織に強く依存しており、転職や退職をするとその大半を失ってしまうと考えておくべきです。
いつの時代も、本当に有益な情報は、友人知人からオフレコで伝わってきます。仕事の情報や有力者の紹介も、ある程度信頼関係ができているからこそ、便宜を図ってもらえるのです。
したがって、もしセカンドキャリアを成功させたいのなら、会社に依存しない人間関係の構築が必須になります。
もちろん、信頼できる人間関係は、一朝一夕で築けるものではありません。資格の講習会・地域の集まり・趣味のサークルなど、とにかく気になるコミュニティがあれば積極的に参加してみてください。そこからが、人脈づくりのスタートです。
ただし、いくら人脈が欲しくても、利用してやろうという下心はすぐにバレてしまいます。「楽しく活動していたら、いつの間にか仲のいい人ができていた」という状態を目指し、自然体での活動を心がけていきましょう。
セカンドキャリアには、しっかりとしたマネープランが不可欠
キャリアプランとマネープランは表裏一体。セカンドキャリアで必要なお金が決まらないと、どういうキャリア(仕事)を選べばいいのかが判断できません。
またセカンドキャリアに必要な金額は、その人の年金額や生活水準・家族構成などにより、大きく異なります。つまり、周りの人と同じようにすれば自分も大丈夫だろうという皮算用は、厳禁なのです。
まずは自分たちの生活に必要な金額、なかでも趣味や嗜好品を除外した「最低限の生活費」をきちんと把握しておきましょう。
そうすれば、セカンドキャリアでの仕事に求める報酬額が明確になります。条件に合わない転職活動で、時間をロスすることもなくなるはずです。
セカンドキャリアのライフプランニングをしっかりとやってみたいという人は、弊社が運営する個人向けキャリア研修【知命塾】をぜひ活用してください。
具体的なセカンドキャリアの見つけ方
これまでの日本は、ひとつの会社で働き続けるのが美徳という風潮が、根強く残っていたように思います。そのため、現在50代以上の会社員の多くは、転職をほとんど経験していません。
だから、セカンドキャリアを構築する時期がきたときに、どうしていいかわからず困ってしまうわけです。そういったことのないよう、最後に具体的なセカンドキャリアの見つけ方を、4つほど紹介していきます。
ミドルシニアに特化したエージェントの活用
先ほど、ミドルシニアが転職を成功させるには待遇面にこだわりすぎない、という話をしました。しかし本当に充実したセカンドキャリアを築くには、やはりある程度の役職に就くほうが有利なのも、また事実です。
そのためには、ぜひミドルシニアに特化したエージェントのサポートを活用してください。
たとえば弊社のような、ミドルシニアに特化したエージェントの場合、ミドルシニア向け求人が多いのは当たり前。さらには、経営陣としての転職案件も多数扱っているので、よりランクの高い転職が期待できます。
また一般的にはあまり知られていませんが、ミドルシニア向け転職案件の多くは、転職エージェントのリファレンス(推薦)が必須です。
即戦力を求める企業にすれば、リファレンスがない人よりも、「この人ならミドルシニアの転職市場で十分な価値がありますよ」という転職エージェントお墨付きの人材を採用するほうが安全ですからね。
ということで、転職の確率を上げたいと考えるミドルシニアは、ミドルシニアに特化したエージェントのサポートを受けるようにしましょう。
転職セミナーやワークショップへの参加
セカンドキャリアを見つける方法として、まずは転職セミナーやワークショップへの参加をオススメします。
転職セミナーでは、企業情報・業界動向・転職市場の最新情報といった、ネットでは把握しきれない情報が手に入ります。企業の担当者と直接話しができるケースも多いので、会社とのマッチングもある程度確認できるはずです。
一方、ワークショップは、ワークショップの開催目的によって内容が異なります。弊社が開催する知命塾では、以下のようなワークショップを定期的に開催しています。
- 転職に関する知識のインプット研修
- 自己分析
- キャリア相談
- 転職相談
- 企業経営者や塾OBとの交流会
通常表に出ることの少ない「優良中小企業の情報」や、経営者と直接触れ合う機会をもてるのが、大きな魅力です。
また、こういったイベントに参加すると、同じセカンドキャリアの成功を志す仲間と知り合うことも多いです。自分の知らない情報を教えてもらえることも多いので、ぜひ積極的にコミュニケーションを取っていきましょう。
》》新![知命塾]説明会(個別相談) | 人生100年時代のキャリアづくり-社会人材学舎
企業サイトやブログなどオンラインリソースをチェック
インターネットの普及により、以前とは比較にならないほど、転職先の企業についてこまかいリサーチが可能になりました。なかでも、企業の公式サイトやブログは、転職者が必ずチェックすべき重要な情報源です。
企業の公式サイトには、経営理念・事業内容・労働環境・企業の特徴・採用情報など、その企業を理解するための基本情報が掲載されています。
もちろん公式サイトという性質上、悪いことはいわず、よいことばかりをアピールしている面はあるでしょう。でも、経営者の言葉やサイトのつくりなどをみれば、おおよその社風は感じ取れるものです。将来その会社でセカンドキャリアを積む自分が想像できるか、ぜひじっくりと考えてみてください。
またブログやニュースリリースは、企業の日々の活動や取り組み、社風などをよりリアルに伝えてくれます。もし、経営者のインタビューや社員の働き方紹介といった情報があれば、そちらもぜひ参考にしましょう。公式サイトには書かれていない、生の声が聞けて、より具体的に会社の雰囲気を感じ取れるはずです。
SNSで最新情報をキャッチ
LinkedInやFacebook、TwitterといったSNSは、リアルタイムの情報を得るための強力なツールです。多くの企業は、自社サイトやイベントへの集客を目的に、さまざまな情報を、SNSへ発信しています。求人に関する情報もSNS経由が多く、今やSNSをやっていないと転職もむずかしい状況です。
また、SNS(とくにTwitter)は、相互コミュニケーションが基本です。そのため、不祥事や不適切な対応に対しては、容赦のないコメントやマイナスのリツイートをされてしまうケースがよくあります。
あくまでも匿名での発信なので、鵜呑みにはできませんが、ひとつのネガティブな情報として知っておいて損はないでしょう。
なお、SNSの情報は、即時性に重きが置かれるため、不正確な情報が出回る可能性も高いです。情報を活用する際は、信頼できるソースかどうかを確認し、場合によっては複数のソースと照らし合わせてみるほうが安全だと思います。
まとめ
今回は転職を成功させて、充実したセカンドキャリアを送るために必要なポイントをご紹介しました。充実したセカンドキャリアのための準備についても、しっかりご理解いただけたと思います。
今回紹介した内容はすべて重要ですが、なかでも「ミドルシニアに特化したエージェントのサポートを活用する」のは、転職の成否を決める「転職の生命線」ともいえるポイントです。
自分の棚卸し・転職の準備・実際の転職活動をしっかりとおこないたいと考えている人は、ぜひ知命塾のような専門のサポートを活用してください。