「いい会社に入って無難に勤め上げれば問題ない」
もしあなたがそのように考えているとしたら、これから激動するビジネス社会の波に、飲み込まれてしまうかもしれません。
当記事では、学び直しを成功させるポイントと、学び直しの具体的な方法を紹介していきます。また、学び直しのスタート地点として最適な、「知命塾」についても触れていくので、ビジネス社会での生き残りを真剣にお考えのかたはぜひ参考にしてください。
=目次=
学び直しをうまく進める4つのポイントとは
それでは、さっそく学び直しの成功に必要な、4つのポイントをみていきましょう。今回解説するのは、以下の4点です。
- 学び直しをするメリット
- 学び直しの優先順位
- スケジューリング
- キャリアアップにつながる分野の選定
それでは、ひとつずつ解説します。
1.学び直しのメリットを明確にする
冒頭で、学び直しが重要になるというお話しをしました。しかし、なぜ学び直しが必要なのかを明確にしておかないと、忙しい社会人が学び続けるのはなかなか大変です。
そういうわけですから、まずは学び直しの目的をはっきりさせてしまいましょう。目的は人それぞれ違いますが、多くの人は以下の4つを目的として、学び直しに取り組んでいます。
ビジョン達成の可能性が大幅にアップする
上記は社会人になってから大学に入学した人や、社会人向けの公開講座を受講した人がなぜ学び直そうと思ったのか、その理由をまとめたデータになります。(文部科学省「生涯学習に関する世論調査令和4年度」より)
「仕事での必要性」「人生を豊かにするため」「就職や転職のため」など、学び直しの目的は人それぞれあれど、結局学び直しの目的は「自分のビジョンを達成するため」です。
人生が100年時代になれば、50歳はまだ人生の折り返し地点に過ぎません。「まだまだ時間があるから、自分に足りないものを学んで、人生をより充実させたい」と考える人が増えてくるのは、至極当然の流れといえるでしょう。
自分が決めた人生のビジョンを達成するために、誰もが積極的に学び直しへチャレンジする時代が、ついにやってきたのです。
新しいスキルや知識に対応できる
さきほど学び直しの目的はビジョン達成のためといいましたが、AIに代表される新しいスキルや知識に対応するために、学び直しをする人も非常に多いです。
よくAIが浸透すれば、多くの職業がとって代わられるという話を耳にします。野村総合研究所の発表によれば、将来AIや機械に代替される職業は約50%もあるそうです。そうなれば、たしかに仕事を失う人も少なからず出てくるでしょうね。
ところが総務省によるアンケート(上図)をみると、「新しい市場が創出され、雇用機会が増大する」と答えた人が「職を失う」と答えた人の5倍以上もいました。
たしかにこれから進化していく分野のスキルや知識を人に先んじて学んでおけば、失職どころか逆にチャンスです。そう考えると、やはり今のうちに、しっかりと学び直しに取り組んでおかなければいけませんね。
自信がつき行動量が増える
学び直しで得られるもっとも顕著な効果は、「自信の向上」です。人間誰しもある程度の経験を重ねると、自分の将来がなんとなく見えてくるもの。そこで多くの人は、「どうせ自分なんて……」と、努力を放棄してしまいます。
しかし、学び直しに、年齢は関係ありません。国立長寿医療研究センターの研究※によると、情報処理のスピードは、50代半ばから大きく低下するそうです。ところが、知識を蓄える「知識力」は、70代までぐんぐんレベルアップします。
つまり、いくつになっても、学び直しは問題なくできるということなのです。とくに、言語能力・理解力・洞察力といった能力は、多少の衰えがあったとしても、これまでの経験がカバーしてくれます。
「学び直しをしても、もう遅い」という思い込みを捨てて、ぜひ今日から学び直しに挑戦してみてください。学び直しを通じて得られる知識やスキルは、自分の中の「できる」という感覚を呼び起こしてくれるはずです。
そうやって生まれた自信は行動のエネルギーとなり、人生をどんどんよい方向へ導いてくれるでしょう。
人脈が広がる
勉強を通じて広がる人脈も、学び直しの非常に大きなメリットのひとつです。たとえば、多くの大学や専門学校では、社会人向けの講座を用意しています。
通学がむずかしく、オンライン講座を受講する人でも、チャットやオンラインミーティングで、同じ目的で学ぶ仲間たちと交流する機会が数多くあります。普段、いつも同じ顔ぶれと過ごす時間の多い人にとって、こういった交流は、新しい視点に出会える絶好のチャンスです。
時間の経過とともに仲良くなってくれば、勉強だけでなくプライベートの問題についても、有益なアドバイスがもらえるかもしれません。将来、一緒に仕事をすることだって十分あり得ます。
学び直しそのものよりも、こういった人間関係を構築できることのほうが、もしかするとよほど凄いことなのかもしれませんね。
2.学び直しの優先順位を決める
学び直しをすると決めたら、まずは学び直しの優先順位を決めなければなりません。単にやりたいことを思いつくままに勉強していたら、いくら時間があっても足りないからです。
忙しい社会人は、まず「なにを学ぶのか」を決めて、次に学ぶ順番と投資する時間を決めていきましょう。
前述のように、「人生を豊かにするため」を目的にあげる人も非常に多いです。しかし時間に制限のある社会人は、やはり仕事のキャリアアップに直結する内容から取り掛かるべきでしょう。どういった分野を優先的に学ぶべきかは、またのちほど詳しくお話しします。
3.成功のコツは「スケジューリング」
前述のとおり社会人は、学び直しへ割ける時間に限りがあります。当然の話として、本業をしっかりとこなしながら学び直しをおこなわなければならないので、効率的なスケジューリングが不可欠です。
対面形式の講義を検討中ならば、まず、本当に休まず参加が可能かどうかを、冷静に考えてみましょう。日中仕事に追われている人が、夜間や土日に通学するのは、正直なところ相当厳しいはずです。
長期の学び直しを考えている場合は、適切な目標設定が、成功の鍵を握っています。目標が遠すぎると、モチベーション維持がかなり大変です。こまかく目標を設定して、ひとつずつクリアーする意識をもつと、モチベーションを失うリスクを軽減できます。
また自分がもっとも集中できる時間帯を知り、その時間帯に勉強をスケジューリングするのも大切なポイントです。自分が朝型と夜型のどちらのタイプなのかを知っておくだけでも、学び直しの効率は飛躍的にアップしますよ。
4.自分のキャリアにプラスとなる分野を攻める
前述のとおり、学び直しは、自分のキャリアにプラスとなる分野からスタートします。忙しい社会人は、投資できる時間に限りがあるからです。
学び直しの方向性としては、大きく以下の3パターンが考えられます。
- 現業界の延長上にあるスキル
- 興味のある異分野関連のスキル
- これから重要になるであろう新しいスキル
どれを重点的に学ぶかは、置かれた状況により異なるでしょう。しかしあえてオススメするなら、すべてのケースに共通する「パーソナルスキル」と、これからますます重要になる「IT関連の先端技術」を並行して学ぶのがベストだと思っています。
ITなどのこれから伸びる技術は当然として、「コミュニケーション」や「リーダーシップ」といったパーソナルスキルも、これからますます重要になっていくはずです。
学び直しをおこなう具体的な方法
学び直しの目的を明確にして、学ぶ内容も決まったら、今度はどこで学ぶかを決めていかなければなりません。じつは学び直しの意思があっても、どうやって学べばいいかがわからずに、なんとなく足を踏み出せない人が非常に多いんです。
学び直しの教育が受けられる代表的な教育機関をいくつか紹介していくので、自分にはどれが最適なのか、じっくり検討していただければと思います。
通信制大学
学び直しの内容が非常に専門的で、大学でしか学べない分野ならば、通信制大学※がオススメです。一般大学の夜間学部という方法もありますが、忙しい社会人が仕事のあとに大学へ通うのは、言うほど簡単ではありません。
一方で通信制大学ならば、テキストとオンライン講座を使った、自宅学習がメインです。まとまった学習時間の捻出がむずかしければ、6〜8年くらいかけて、じっくりと勉強もできます。
また、学費の安さも魅力的です。慶應義塾大学の場合、4年間の学費は約86万円。通学制になると、最低でも450万円以上かかりますので、その差は比べるまでもないでしょう。(学部により異なる)
ただし、ほとんどの通信制大学には入学試験がなく、そのぶん単位取得試験の難易度がかなり厳しいです。そのため、自分でしっかりと学習スケジュールを管理する、ストイックさが求められます。
科目等履修生・履修証明プログラム
学びたい分野がかなり明確に決まっている場合は、「科目等履修生」や「履修証明プログラム※」でも対応できるかもしれません。科目等履修生・履修証明プログラムは、どちらも「正規の入学をせずに、必要な科目だけを履修する制度」です。
正規の大学プログラムでは、学位取得のために、直接関係のない単位まで勉強する必要があります。その点、履修証明プログラムなどの場合、必要な単位だけに絞って勉強できるので、回り道することなくスキルを身につけられるのです。
もし本当にピンポイントで勉強したいことがあるなら、1単位ごとの受講が可能な「科目等履修生」を選べばよいでしょう。もう少し周辺知識も含めて勉強したい場合は、複数の単位をひとつのパッケージにした「履修証明プログラム」がぴったりです。
もちろん、履修後に発行される証明書は、転職の際に職業能力の証明書として利用できます。あとから大学に進学する際にも、正式な単位に認定されるので、非常に旨味のある学習制度だと思います。
各種オンライン講座
「履修証明書はいらないけど、とにかくスキルを身につけたい」というなら、自宅で気軽に受講のできるオンライン講座が、もっとも現実的かもしれません。
オンライン講座の魅力は、なんといっても桁違いの講座数と、受講料の安さでしょう。「Udemy(ユーデミー)」や「Schoo(スクー)」「ストアカ」といった有名オンライン講座サービスには、ビジネススキル・会計・ITといった社会人の学び直しにピッタリな講座が、手頃な受講料にて豊富にラインナップされています。
また、「Progate(プロゲート)→ プログラミング」「スタディサプリ → 英語学習」のように、ある分野に特化した講座を選ぶことも可能です。
いずれにしても、自分のペースで学び直しをしっかりと継続したい人にとって、オンライン講座は非常に魅力的な選択肢となるでしょう。どういった講座があるか、いろいろとリサーチしてみてください。
社会人の学び直しには公的サポートを活用しよう
人生100年時代を見据え、日本では学び直しに対するさまざまな支援制度が用意されています。しっかり学べば学ぶほど、学習にかかる負担も大きくなってしまいますから、ぜひこういった支援制度を賢く利用していきましょう。
成長分野のスキルが学べる「成長分野における即戦力人材輩出に向けたリカレント教育推進事業」
日本の経済成長を支える新しい産業分野では、専門的なスキルや知識をもった即戦力となる人材の需要が高まっています。そのニーズに応えるべく、文部科学省主導による「成長分野における即戦力人材輩出に向けたリカレント教育推進事業」が、令和4年度からスタートしました。
受講者は、政府主導で推進している分野(DX、グリーン、医療、介護、起業など)の講座を、全国の大学や高専学校で受講できます。
もちろん、就労状況に関わらず、誰でも受講が可能です。また、夜間や土日開講、オンライン講座を選択できる講座も数多くあるので、働きながらでも学び直しに挑戦できます。
ただし、当事業は1年ごとの採択で決定するため、来年以降も継続して利用できる保証はありません。気になる分野の講座があるなら、できるだけ早めの受講をオススメします。
※参考:成長分野における即戦力人材輩出に向けたリカレント教育推進事業:文部科学省
受講費用の一部が支給「教育訓練給付制度」
学び直しへの支援制度として、もっとも有名なのが、「教育訓練給付制度」でしょう。教育訓練給付制度は、厚生労働大臣の指定する講座を受講した場合、受講費用の一部が支給される制度です。
気になる支給金額ですが、教育訓練の難易度によって異なります。
- 専門実践教育訓練:最大で受講費用の70%(年間上限56万円)
- 特定一般教育訓練:受講費用の40%(上限20万円)
- 一般教育訓練:受講費用の20%(上限10万円)
上記の金額が支給されるのは、訓練終了後です。受講時にいったん全額を自費で支払う必要があるので、受講前に費用をきちんと用意しておきましょう。
なお、受講できる講座のリストは、厚生労働省のサイトで確認できます。詳細については、実際に受講する教育機関で確認してください。
※参考:教育訓練給付制度|厚生労働省
給付金を受けながらスキルが身につく「公的職業訓練(ハロートレーニング)」
離職して、現在仕事を探している状況なら、「ハロートレーニング※」がオススメです。ハロートレーニングには、公共職業訓練(雇用保険を受給している人向け)と、求職者支援訓練(雇用保険を受給していない人向け)の2種類があります。
公共職業訓練の主な訓練コースとしては、電気設備・自動車整備・造園技術を学ぶコースなどがあり、最長2年にもおよぶ、かなり本格的な訓練です。年単位で訓練に通うのは正直かなり大変でしょう。
しかし、雇用保険をもらいながら、即戦力となる高度なスキルが身につくと考えれば、受講する価値は大いにあるといえます。
一方で、求職者支援訓練は、パソコンスキル・アプリ開発・医療事務など、デスクワーク的なスキルを学べます。雇用保険が受給できない代わりに、月額10万円の受講手当が出るので、求職中の大きな助けになってくれるでしょう。
また、2023年4月より、働きながらスキルアップを目指す人(フリーランスや非正規雇用)も受講の対象となりました。自分の学びたい講座があれば、受講を検討してみてはいかがでしょうか。
※参考:ハロートレーニングについて知る|ハロトレ特設サイト|厚生労働省
学び直しのスタートは、ポータブルスキルが身につく「知命塾」がオススメ
「知命塾」とは、社会人材学舎が長年培った独自のキャリア理論と職業紹介の実績に基づいた、個人向けキャリア研修です。
じつは、オンライン講座などで学び直しをする前に、やっておかなければいけないことがあります。そのためには、知命塾を活用するのが一番です。最後にこの章では、知命塾でこれからなにを学んでいくのか、知命塾活用のポイントをご紹介していきます。
学び直しの前に自己分析が必要な理由
知命塾では、学び直しの前に、まず徹底的な自己分析をおこないます。なぜなら「自分が学ぶべき分野とその優先順位」を決めるには、自分が置かれた状況と自分の意思を明確にする必要があるからです。
自己分析でわかることは、大きく以下の4点になります。
- やりたいこと・好きなこと
- やりたくないこと・嫌なこと
- 自分の強みと弱み
- これまでに身につけたスキル・知識
キャリアアップを目的として学び直しをするのですから、ここで将来どういう自分になりたいのかを、しっかりと見つめ直してみましょう。
自分の方向性を決めるには、客観的意見が有効
自己分析は文字通り、「自分でおこなう自分の分析」を指します。しかし、より正確な分析をするためには、自己分析をひとりでおこなってはいけません。
じつは自己分析には、第三者からの客観的意見が非常に有効です。誰でも自分の嫌な面と向き合うのは怖いもの。自分ひとりでおこなう分析は、どうしても不都合な面から目をそらした、正確性に欠けるものになりがちです。
その点知命塾では、キャリア開発のプロと、一緒に受講する仲間による「客観的な他己評価」が受けられます。もちろん、他人の評価をすべて鵜呑みにする必要はありません。
でも、よいことも悪いことも、第三者の評価は、自分を成長させるよいきっかけになるはずです。どうか怖がらずに、ドシッと受け止めてください。
知命塾なら、新しいスキル・自分の強みが身につく
知命塾に参加すると、新しいスキルが身につき、自分の強みも明確になります。ひとりでおこなう自己分析と違い、自分以外の人と他流試合をするからこそ、自分にしかない本当の強みが身につくのです。
もちろん知命塾は、資格の学校ではありません。ITや法律の資格は学びませんが、その代わりにすべての基本となるポータブルスキルが確実にレベルアップするでしょう。ぜひ学び直しのスタートとして、知命塾を活用してください。
なお社会人材学舎では、自己分析・可能性の拡大を探る【無料キャリアセミナー】を随時開催しています。Zoomでの無料セミナーなので、興味のあるかたはどうぞお気軽にご参加ください。
まとめ
人生100年時代に突入するこれからの社会では、学び直しが不可欠です。今回当記事でご紹介した「学び直しを成功させるポイントと知命塾の活用」を念頭におきながら、ぜひキャリアアップにつながる有意義な学び直しに取り組んでください。