多くのミドルシニアが将来を心配しながら転職活動しているのと同様に、採用する企業もよい人材に巡り会えるかどうか、不安を感じているものです。
もしあなたが、狭き門であるミドルシニア世代の転職を成功させたいなら、今から面接対策を入念におこなっていきましょう。
なんといっても、面接は求職者と採用企業が、直接顔を合わせる唯一の機会です。面接でいかに相手の不安を解消できるか、そこが勝負の分かれ目になります。
そこで今回は、ミドルシニアが面接を突破するコツを4点紹介していきます。また、面接で必ず訊かれる質問に対する対応のポイントも紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
=目次=
ミドルシニアの面接は、入念な準備で必ず乗り切れる
これまで転職の経験が少ないミドルシニア世代にとって、今回の面接がおそらく久しぶりの面接となるはずです。当然面接に大きな不安をおもちでしょうが、事前の準備をしっかりおこなえば必ず乗り切れますので、どうぞ安心してください。
この章では、ミドルシニアの面接に必要なポイントを4点解説していきます。
- 採用企業の立場になって考えてみる
- 第一印象が90%!話し方や身だしなみにも注意しよう
- 受け身ではなく、自分から積極的に質問をする
- マイナスな発言はしない
ひとつずつ見ていきましょう。
採用企業の立場になって考えてみる
面接で結果を出すには、まず「採用企業の立場になって面接に望む姿勢」が、最低限求められます。
冒頭でもお話ししたように、採用企業は従業員の雇用に対して、大きな不安を感じているものです。なんといっても、いちど雇用してしまえば、なにか問題があっても簡単には解雇できません。
そう考えると、企業が採用者に対して慎重になるのは、至極当然のことといえます。
なかでも、これまで大企業で管理職を務めていた人が中小企業に応募するケースなどは、注意が必要です。おそらく面接官は、「この応募者はどこまで本気で応募しているのだろう」「ほかで断られて、しょうがなくうちの会社にきているのでは……」などと、通常よりもマイナスなイメージをもってあなたに接してくるでしょう。
また、企業規模の違いによる業務量の増加も、大きな懸念材料のひとつです。それに中小企業には、「大人数の部下」や「体系づけられた営業ツール」といった、大企業ならではの経営資源もありません。
そういった厳しい条件のもと、応募者がどこまで能力を発揮できるのか、採用担当者は大きな不安を抱えているのが実情です。こういった状況を打破するには、やはり相手の立場になって、なるべく早く相手の不安を解消する意識が欠かせません。
相手の立場に立つ視点さえあれば、あとはそういった気持を面接時にきちんと伝えていくだけです。なお、面接で相手の不安を解消するポイントについては、のちほど詳しく解説します。
第一印象が90%!話し方や身だしなみにも注意しよう
前述のとおり、面接官は応募者に対して、なんらかの不安を感じています。そういう不安を解消するためにも、あなたは自分の本気度を、しっかりアピールしていかなくてはなりません。
そのためには、まず話し方や身だしなみといった「目に見えるカタチ」を、整えていきましょう。
たとえば、面接時に着用するスーツひとつとっても、面接官は案外こまかいところまでチェックしているものです。ムリして高級なスーツを購入する必要はありませんが、あまりにもヨレヨレの格好では、相手に本気度を疑われても仕方ありません。
少なくとも、シワや汚れのないスーツやシャツを着用して、靴もきちんと磨いておいてください。身だしなみに気を使うだけで清潔感がアピールでき、相手の印象を少しでもよくできるなら、やらない理由はありませんよね。
また、そういった気配りは、話し方や表情についても同様です。
どこか表情が暗く、自信なさげな話し方の人を雇いたい人はいません。適度な笑顔を絶やさず、堂々と自分を売り込んでいきましょう。
受け身ではなく、自分から積極的に質問をする
あまりベラベラと話をしすぎるのも問題ですが、聞かれたことに答えるだけの「受け身の姿勢」もあまりよい結果を生みません。
面接では必ず質問の有無を尋ねられるので、必ずなにかしらの質問をしましょう。質問をするという行為自体が、採用企業に対する高い関心と本気度として、面接官に強くアピールするからです。
ただし質問の内容が、給与や残業時間などの待遇面に関する確認ばかりだと、逆にマイナスなイメージを与える可能性があります。
経験豊富なミドルシニア世代としては、事業内容や自分のスキルと事業の関連性など、もう少しプロフェッショナルな質問を用意しておきたいもの。
もちろん、調べればすぐにわかる質問は逆効果です。面接官が、「おっ、この人は、うちの事業についてきちんと下調べしているな」と感じるような質問を、3〜4個考えておきましょう。
マイナスな発言はしない
転職活動している人は、大なり小なりなんらかの不満を、現在の会社に感じているものです。面接では必ず退職理由を訊かれますので、つい不満や批判といったマイナスな発言をして、自分を正当化したくなるかもしれません。
しかし、転職活動において、マイナスな発言は絶対にNGです。かりにあなたにまったく非がなく、会社に問題があったとしても、それでも相手を批判する内容の発言は避けてください。
なぜならマイナスな発言をする人は、採用後になにかトラブルが起きた場合、今度は自分たちに向けてマイナスな発言をするだろうと警戒されてしまうからです。
退職理由については、マイナスな内容も柔らかい表現で伝えられるよう、事前に準備しておきましょう。具体的な対応例については、のちほど詳しく紹介します。
面接で定番の質問に対する答え方
ミドルシニアの面接に必要なポイントをご理解いただいたところで、今度は定番の質問に対する答え方のポイントを紹介していきます。
- 志望動機をお聞かせください
- 退職理由はなんですか?
- 弊社以外に応募を検討している企業がありますか?
- 職務経歴を教えてください
どの質問も、面接で必ず訊かれるものばかりです。どれを訊かれてもまごつくことのないように、しっかりと準備しておきましょう。
「志望動機をお聞かせください」
担当者が志望動機を尋ねるのは、あなたの本気度や企業風土とのマッチングを見るためです。「この人ならウチの会社にぴったりだ」と評価されるためにも、まずは企業の情報をしっかりと調べておく必要があります。
企業の実情とあなたの志望動機がマッチしていなければ、面接官に不信感を与えてしまいますので。
面接は、自分の強みやキャリアを転職先企業でどのように活かせるか、そういった採用企業のメリットをいかにアピールできるかが勝負です。採用情報はもとより、企業理念や事業内容・経営状況などについて、手に入る情報を隅々までチェックしておきましょう。
「退職理由はなんですか?」
退職理由に関する質問には、マイナスな内容を極力いわないのがセオリーです。かりに元の職場に原因があったとしても、そのままストレートに伝えれば、「採用してなにか問題がおきたら、今度はウチの会社を批判されるのではないか……」と不安を与えてしまいます。
正直なところ、100%満足できる条件で働ける会社など、この世には存在しません。ときには残業が続くこともあるだろうし、なかにはどうしても相性の悪い同僚だっているでしょう。
ただ採用側とすれば、ベストではない労働状況下でもうまく対処できる対応力や、ある程度のストレス耐性がある人材を雇用したいもの。その判断の目安となるのが、退職理由なのです。
もちろんウソをつく必要はありませんが、やはり「〇〇がイヤだったから」というマイナスな理由は好ましくありません。それよりは、「御社の事業に従事できれば、自分のスキルがより活かせると考えたから」のような、ポジティブな理由を前面に押し出すようにしてください。
「弊社以外に応募を検討している企業がありますか?」
これもよく訊かれる質問ですね。本来であれば、面接している企業に絞って転職活動している状況がベストでしょう。
しかし面接官も、応募者が複数の企業へアプローチしているのは、想定済みです。その辺はあまり気にせず、正直に現在の応募状況を伝えてください。
とはいえ伝え方を間違えると、せっかく内定を出してもほかの企業に就職してしまうのではと、いらぬ不信感を与えかねません。その場合は、「内定をもらえるなら、ほかは断って必ず入社する」と、はっきり意思表示をしておきましょう。
それだけでも、相手に与える印象は、大きく変わってくるはずです。
「職務経歴を教えてください」
職務経歴については、あなたと採用企業のマッチングを見るために、かなり詳細にチェックされると考えておいてください。
とはいえ、あなたがどんなに素晴らしい経歴の持ち主でも、これでもかと自己アピールするのは逆効果です。あくまでも、これから働く企業に必要な経歴に絞って話をしましょう。面接官は、そういった選択眼も同時にチェックしていますので、くれぐれも注意が必要ですよ。
また、職務経歴への質問は、提出された職務経歴書の内容が正しいかどうかの確認もかねています。間違っても、話す内容と書類の内容が違っていることなどないように、しっかりと自分の職務経歴をおさらいしておいてください。
知命塾はミドルシニアの転職をしっかりサポート
ミドルシニアの転職は若い人に比べて難易度が高いのは事実です。
一方で会社の成長を促進してくれるプロフェッショナルを欲している企業が多数あるのも事実です。
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まとめ
ミドルシニアの転職では、20代よりも、面接での応対がより重視されるケースが多いです。なんといっても、ミドルシニアの雇用には不安要素がたくさんあるため、そういったマイナス面をいかに面接で解消できるかが大きなポイントになります。
しかし、今回紹介した面接に必要なポイントを押さえ、定番の質問に対する準備ができていれば、恐れることはなにもありません。今日の内容をベースにして、ぜひ面接の入念な準備を進めていってください。
なお弊社では、書類の書き方や面接のしかたについての対策講座を随時開催しています。企業で採用を実際に担当してきた講師がじっくりとポイントを指導。面接に不安のあるかたは、ぜひ活用してください。