私たち社会人材学舎groupにキャリア相談をされるかたは、ほぼ全員が「今働いている会社だけでなく、どこにいっても必要とされる人材になりたい」とおっしゃいます。
ところが話を聞いてみると、会社の仕事に多くの時間と労力を取られ、非常に狭い範囲でしか活動できていない人がほとんどです。
たしかに40代・50代ともなれば、責任のある仕事を任される世代であり、会社の仕事で精一杯という事情はよく理解できます。しかしたとえ会社員であっても、自分の意思さえ明確であれば、会社以外の場所でも活躍はできるはずです。
今回の記事では、会社以外の幅広い社会で求められる人材「社会人材」を目指す方法について、詳しく解説していきます。
=目次=
あなたが目指すべき社会人材とは
よき社会人材になるには、会社以外でも通用する、幅広いスキルと経験が必要です。もちろん、そういったスキルや経験は、ただ会社で働いていても身につくものではありません。
この章では、「社会で求められる人材」になるにはどういう考え方で行動していけばいいのかを、わかりやすく解説していきます。
まずはどの分野の社会人材になるかを決めよう
一言で社会人材といっても、人それぞれ希望する方向性は異なります。地域との交流に力を注ぎたい人もいれば、貧困や環境など世界共通の課題に興味がある人もいるでしょう。あるいは、新しい仕事を通じて、もっと社会に貢献したいと考える人もいるかもしれませんね。
そう、進む道は人それぞれでいいのです。ただし、どの道を選ぶにせよ、まずはしっかりと自分の方向性を決めてから動き出す必要があります。
なぜなら、最初に「どの分野の社会人材になるか」を決めておかないと、その後の行動がムダになるかもしれないからです。
ただし、途中で方向性が変わっても、それはそれでまったく問題ありません。私も最初は、子どもに野球を教えるだけで満足していました。
ところが野球を教えるうちに、元々教育に興味があり、学校の先生になろうとしていたことを思い出してきます。そんなときに、偶然決まった人材育成部署への異動がきっかけとなり、私は人材育成に関わることを自分のテーマと決めたのです。
このように、動き出してから方向性がチェンジすることも、実際よくあります。これはこれで自然の流れですから、ムリして最初の計画に固執する必要はありません。
いずれにせよ、できるだけムダな行動を減らすためにも、「最初にきちんと計画を立てる」という意識だけは忘れないでください。
どこでも通用する専門スキルを身につける
自分のスキルや経験を、社会的意義のあることに役立て、人に喜んでもらう。これが、社会人材として活動する醍醐味のひとつです。そのためには、やはりなんらかの専門スキルがあると、より深いレベルで活動がしやすくなります。
とはいえ、具体的にどのようにして、自分のスキルを社会人材活動に活かしていけばいいのかがわからないという人も多いはずです。
であれば、自分の専門スキルを活かしたボランティア活動「プロボノ」は、どうでしょうか。
近年では、弁護士や公認会計士・金融・営業・広告・IT系など、プロボノ活動に参加する専門家は増加傾向にあるそうです。自分の専門スキルを発揮できるプロボノなら、一般的なボランティアよりもやりがいをもちやすいというのが、その大きな理由のひとつだと思います。
ただしプロボノはボランティアなので、金銭面での報酬は発生しません。その代わり、机に座って勉強するだけでは決して得られない、「経験」という報酬が手に入ります。
また、会社とは異なるフィールドで活動すれば、普段の生活では出会えない人達との触れ合いも期待できるでしょう。
このようにプロボノは、ほかでは得られない報酬を与えてくれる、非常に有意義な活動です。ボランティアといえども、「いただける対価に見合う成果を提供できるかどうか」を、常に意識しておいてください。
数字・ITなど、基礎的なスキルをベースに
前述のとおり、社会人材には専門的スキルが不可欠です。しかしそれも、数字やIT知識といった社会人としての基礎的なスキルがあってこそ。
もし「お金の動きはよくわからない」とか「IT関連はさっぱりわかりません……」という状況なら、まずはそういったベースとなるスキルを身につけるべきです。
状況に応じて多少の変動はありますが、社会人材を目指すなら、まずは以下4つのスキルから勉強してみてはいかがでしょうか。
- コミュニケーションスキル
- 企画立案スキル
- ITスキル
- タスク / 時間管理スキル
また、社会人に共通して必要とされる「ポータブルスキル」も、しっかりと鍛えておきたいですね。
業種や職種が変わっても使える持ち運び可能な能力「ポータブルスキル」がないと、せっかく多くの専門スキルを学んでも十分に発揮できませんので。
■身につけておきたい基礎的なスキルに関する記事はこちらもどうそ
ほかの分野のよい面を柔軟に取り入れる柔軟性をもつ
新規事業成功のコツは、ほかの企業のよいところをマネする「モデリング」だという経営者は多いです。
たしかに、人間誰しも、自分ひとりの発想には限界があります。自分では決して思いつかない第三者のよいところは、どんどん取り入れていくべきでしょう。
これは、ビジネスに限った話ではなく、社会人材に関しても同様です。ほかの分野のよい面を柔軟に取り入れられれば、自分の得意分野と相乗効果が生まれて、さらに多くの貢献ができるかもしれません。
せっかく会社だけの狭い世界から飛び出そうとしているのですから、ぜひ積極的に異分野へ目を向けてみてください。
人生100年時代に必要な「社会人基礎力」を身につけよう
これまでほかの記事でも繰り返しお伝えしているように、これからの日本は「人生100年時代」がスタンダートになっていきます。
この人生100年時代を踏まえ、厚生労働省が提唱しているのは、「人生100年時代の社会人基礎力」という考え方です。
この章では、この社会人基礎力を構成する3つの力と、社会人基礎力のリカレント教育を提供している「知命塾」について解説していきます。
- 前に踏み出す力
- 考え抜く力
- チームで働く力
- 組織の外でも活躍できる人材を目指して「知命塾」を活用
それではひとつずつ見ていきましょう。
前に踏み出す力
指示されたとおりに動けばいい新人時代と違い、社会に求められる人材ともなれば、「一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力」が求められます。
前に踏み出す力に必要な要素は、以下の3点です。
- 主体性:変化に前向きに対処する力
- 働きかけ力:他人に働きかけ、周囲を巻き込む力
- 実行力:目的を設定し確実に行動する力
近年は時代の流れがとくに速くなり、今正しいと思われる方法が、1年後も正解だとは限りません。だからこそ、まずは変化へ前向きに対応して周囲を味方につけ、自分が主体となりドンドン実行していく「前に踏み出す力」が必要なのです。
考え抜く力
さきほど説明した「前に踏み出す力」は当然必要だとしても、現状に疑問をもち、行動を起こす前にじっくりと「考え抜く力」も非常に重要です。
経済産業省が定めた具体的な「考え抜く力」とは、以下の3点になります。
- 課題発見力:現状を分析し目的や課題を明らかにする力
- 計画力:課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
- 創造力:新しい価値を生み出す力
ものごとをスムーズに進めるには、まずクリアーしなければならない課題を発見する必要があります。また、見つけ出した課題をいかにクリアーしていくか、実際の計画に落とし込む「計画力」も欠かせない能力です。
しかし、ただ課題をクリアーするだけでは、新しい価値観を生み出すことはできません。ネットで検索すれば簡単に答えが見つかる時代だからこそ、ほかとは違うオリジナリティ(創造力)が、これからの時代には必要なのです。
チームで働く力
チームで働く力は、以下の6点から構成されています。
- 発信力:自分の意見をわかりやすく伝える力
- 傾聴力:相手の意見を丁寧に聴く力
- 柔軟性:意見の違いや相手の立場を理解する力
- 情況把握力:自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
- 規律性:社会のルールや人との約束を守る力
- ストレスコントロール力:ストレスの発生源に対応する力
前述の「前に踏み出す力」と「考え抜く力」が3要素ずつだったのと比べて、「チームで働く力」だけは、6要素もあります。それだけ、他者とのコミュニケーションはむずかしいということでしょう。
社会人材になるには、自分だけがうまく行動できてもあまり意味がありません。周囲の仲間と協力しながら、ものごとを進めていく姿勢が重要です。
そのためにはまず、自分が属するグループメンバーにしっかりと自分の意見を伝え、同時にメンバーの意見にもきちんと耳を傾けましょう。
時には、意見が対立する可能性もあります。しかしそういう場面でも、決して相手を否定せず、相手の立場をしっかりと汲み取る柔軟性が必要です。
また、グループ内だけの活動では、十分な社会活動はできません。そのため、仲間内以外の多様な人々ともきちんと協調していく姿勢が求められます。
組織の外でも活躍できる人材を目指して「知命塾」を活用
参考:産業⼈材政策室「⼈⽣100年時代の社会⼈基礎⼒」と「リカレント教育」について
社会人材として必要な基礎力を学ぶには、独学ではなかなか厳しいものがあります。そこでぜひ活用していただきたいのが、弊社が運営する、個人向けキャリア研修「知命塾」(ちめいじゅく)です。
知命塾に参加すれば、経験豊富なアドバイザーや共に参加する仲間の力を借りながら、客観的な視点から自分のキャリア戦略を構築できます。
じつは上図のとおり、「⼈⽣100年時代の社会⼈基礎⼒」育成のリカレント教育機関として、「知命塾」も経済産業省の活動に協力いたしております。
ほかにも教育機関はありますが、知命塾の場合、キャリア構築と再就職支援までをワンセットで提供しているのが大きな特徴です。
新しい仕事を通して社会に求められる人材を目指したいという人は、ぜひ再就職支援も含めた知命塾のプログラムを活用していただければと思います。
まとめ
今回は、「社会に求められる人材」に必要なスキルや考え方について、詳しく解説してきました。
なかでもすべてのベースとなる「社会人基礎力」は、ぜひ身につけていただきたい能力です。しかし前述のとおり、社会人基礎力を独学で習得するのは、正直いってかなり大変です。
弊社が運営する「知命塾」などの専門教育機関をうまく活用して、効率よく社会人基礎力を身につけていきましょう。
知命塾についてさらに詳しい情報を知りたい人は、下記の「無料Web相談会」にてご確認ください。