我々のところへ相談に来るかたの多くは、「年齢を理由にエントリーシートの段階で落とされてしまう」という悩みを抱えています。
残念ながら、ミドルシニアの転職に、年齢の壁があるのは事実でしょう。よほど卓越したスキルや経験でもない限り、企業は若い人材を優先的に採用する傾向が強いです。
では、ミドルシニアが転職をするのは、100%ムリなのでしょうか。
もちろん、そのようなことはありません。相手企業に自分の強みをきちんと提示できれば、転職の可能性は十分にあります。
今回は、ミドルシニアの転職に欠かせない「自分の強み」の見つけかたや、その発信のしかたなどについてお話ししていきます。
=目次=
ミドルシニア向けの求人にターゲットを絞る
冒頭でも触れたとおり、年齢を理由にエントリーシートの段階で落とされてしまうケースが、非常に多いです。でも、案件の選定基準を少しだけずらせば、年齢を理由に断られることも大幅に減ってきます。
残念ながら、ミドルシニアが年齢的にハンディを抱えている事実は、変えようがありません。であれば、年齢が判断基準となりにくい、ミドルシニア向け求人に絞って応募すればいいのです。
40代や50代での転職になると、自分のスキルやキャリアを考慮して、どうしてもある程度の報酬や待遇を求めてしまいます。しかし条件のよい大企業には、すでに優秀な人材が多数在籍しています。
そうなると必然的に、経験の少ない人でもできる求人を、若い人材と取り合うことになるでしょう。
しかし、こういったポテンシャル採用的な案件は、そもそも給与設定を低く抑えられる若手の採用を想定しています。こういった求人枠を若手と争っても、ミドルシニアが勝てる要素は正直まったく見当たりません。
私たちミドルシニアが転職を勝ち取るには、まずそういった厳しい現実をしっかりと受け止める必要があります。
ミドルシニアが優遇される案件を見つけ出すコツとは
先ほどの話で、若手とガチンコで戦ってはいけないと、ご理解いただけたと思います。そうなると今度は、どこでミドルシニア向けの案件を探せばいいかという話になってきますよね。
ミドルシニア向けの案件を探すなら、ミドルシニアに特化した転職エージェントのサポートを受けるのが一番確実でしょう。なかでも社会人材学舎のような、中小企業(ベンチャー企業含む)と太いパイプのあるエージェントは狙い目です。
知名度のある大手転職エージェントには、応募者の殺到する大企業案件が多く、どうしても競争は避けられません。また大企業案件の場合、中途採用枠とはなっていても、実際には20代後半くらいの若手を希望しているケースが非常に多いです。
法的に表立った年齢制限こそしていませんが、よほど卓越したスキルとキャリアがなければ、ミドルシニアの採用はかなり厳しいと考えておくべきでしょう。
その点、人材不足に悩む中小企業では、即戦力となる経験者を切実に求めています。しかも若手は大企業案件を優先する人が多いので、競争が起きにくく、ミドルシニアにすればますます好都合です。
ミドルシニアと呼ばれる年代で転職を考えるのであれば、中小企業にターゲットを絞り、求められて働く環境を選ぶのが非常に賢い選択だと思います。
自分の強みをしっかりと発信できれば、転職の確率は大幅にアップする
転職に苦戦しているミドルシニア世代の多くが、自分の強みをしっかりと発信できていません。
経験のあるミドルシニア層を採用する場合、若手よりも報酬を高く支払う必要があるので、企業側も採用に慎重になるのは当然です。そういう状況を突破して採用まで漕ぎつけるには、相手企業に「自分を雇えば役に立つ」と思わせなければなりません。
即戦力が求められる中小企業案件では、とくに「自分の強みの発信力」が問われます。専門スキルや人材マネジメント経験といった強みを採用担当者へしっかりと提示できれば、かりに応募者が多数いても、あなたが選ばれる確率は劇的に高くなるでしょう。
私ども社会人材学舎へご相談にみえるかたには、このように「自分を採用するメリットの発信力」を磨くようにお伝えしています。
転職の武器になるミドルシニアの強みとは
これから「ミドルシニアの強みの具体的な探し方」を紹介していきますが、その前にどういった強みが転職で役に立つのか、そのあたりをきちんと明確にしておく必要があります。
転職で採用担当者が意識しているのは、ただ1点、「入社後にあなたはどのように役立ってくれるのか」というポイントだけです。
よく前職での実績を前面に押し出してくる人がいますけれども、ハッキリいって、これは大きな間違いです。とくに大企業での勤務経験が長い人に、こういった傾向が顕著にみられます。
もちろん、前職での実績は大事です。ですが、その実績は大企業の看板や会社のノウハウ、多数の部下によるサポートがあってのものでしょう。
これから働く中小企業では、そういったバックアップが不足している厳しい条件下で、よいパフォーマンスを継続していかなければなりません。転職先があなたに求める強みは、あくまでも採用後に自社で役立つスキルや経験なのです。
とはいえ、「働いてみないとわからない」「自分のスキルの価値がよくわからない」というのが、多くの人の本音だと思います。そういった強みの探し方については、このあと解説していきますので安心してください。
ミドルシニアの転職に必須「自分の強みをみつける方法」
自分の強みをみつけるには、子ども時代から現在まで自分の人生を振り返り、「好きなこと・嫌いなこと」「得意なこと・苦手なこと」「今までの実績・これからの方向性」などをじっくりとあぶり出していきます。
その際、自分の頭のなかで、勝手に取捨選択してしまうことのないように注意してください。いいことも悪いことも、いったんすべて書き出してしまうのがポイントです。
その際に注意していただきたいのが、自分の得意分野についての考え方です。人は誰しも、自分の専門性を過大に評価したがります。
もちろん一般的にいえば、深い専門知識やスキルは、周囲から高く評価されるでしょう。しかし、どんなに高い専門性があっても、関連分野以外の企業からすれば、その専門性はほとんど意味を成しません。
逆に専門性が浅くても、人事・経理・総務などに広く携わってきた人材は、どの会社でも重宝されます。これは、スペシャリストとゼネラリストのどちらが優れているという話ではありません。どちらも立派な強みですし、ミドルシニアともなれば、両方の経験をおもちの人も、少なくないでしょう。
大事なのは、そういった違う性質の強みを、「いかに採用先企業へアピールしていくか」です。そのためには、まず徹底的に今の自分を分析して、応募先に最大限評価されそうな強みをその都度選択していくという意識が重要になってきます。
ただし、強みを探す作業を自分ひとりでおこなうのは、あまりオススメできません。どうしても、客観的な判断ができずに、実際とかけ離れた内容になりかねないからです。
社会人材学舎では、「どこでも通用する強み=ポータブルスキルの探し方」について、オンラインセミナーを随時開催しています。Zoomでの無料セミナーなので、どうぞお気軽にご参加ください。
求人先のニーズにマッチした職務経歴書と自己PRを
自分の強みが明確になったら、その強みを職務経歴書と自己PRへ反映させていきます。その際、同じ内容を使いまわすのだけは絶対にやめてください。
前述のとおり、採用側が求めているのは、自社にフィットする人材です。いくら輝かしいスキルや経験があっても、転職先で活用できないならば、ほとんど評価されないと考えておくべきでしょう。
だから職務経歴書と自己PRは、応募する企業風土に合わせて、こまかく内容を調整していく必要があります。
これまでにさまざまな経験を積んでいる実力者ほど、この点には気をつけてください。つい自分の輝かしい経歴をアピールしたくなりますが、あえて違う側面を前面に打ち出すほうが高評価を得られるケースも少なくありません。
繰り返しますが、重要なのは、あくまでも「相手に必要とされるかどうか」です。いくつもある自分の強みのなかから、相手に刺さるものを選び出し、上手に提示する。
ぜひ、こういった臨機応変さをもって、職務経歴書と自己PRの作成に臨んでいただければと思います。
まとめ
今回は、ミドルシニアの転職に直結する「自分の強み」の見つけかたや、その発信のしかたについてお話ししてきました。
「相手に刺さる内容を探り出し、適切な強みを上手に提示する」これさえできれば、経験豊富なミドルシニアを喜んで採用してくれる企業はたくさんあります。そのためにも、まずは自分の強みをしっかりと明確にしておきましょう。