出世の石段
当社から徒歩5分もかからない場所に愛宕神社があります。
1603(慶長8)年、徳川家康の命により、防火の神様として祀られた愛宕神社の主祭神は火産霊命(ほむすびのみこと)です。標高26メートルの愛宕山の山頂にあり、23区内の自然の地形としては一番高い山ということになります。
この神社の一番の名所はやはり「出世の石段」(正面の男坂)ではないでしょうか?
その角度は屏風を思わせる急峻さで、夏場などは特にここを登ることは憚られます。
この石段の命名の由来は…
慶長11年、三代将軍家光公が将軍家菩提寺の増上寺の参詣の帰りにこの神社の下を通りかかった時のこと。馬で登るものはいないか、との将軍の命に皆が応えられずにいたところ、ひとりの武士が馬で駆け上ったというのです。それが四国丸亀藩の家臣、曲垣平九郎でした。平九郎は山上の梅を手折り、また馬で階段を下り家光公に献上したと言います。平九郎は家光公より「日本一の馬術の名人」と讃えられ、その名が全国に轟いたというのです。
実際に石段を見ると信じられない逸話と思えますが、その後明治以降にも馬で駆け上った人が3人もいるというのだから驚きます。簡単に不可能などと思わないことが大切なのかもしれません。
知命塾2期の修了式は、おりしも桜が満開の2015年3月28日でした。みんなで登った出世の石段、2期生の出世を話を聞くたびにあの日を思い出します。