定年後の不安は、定年後も働けばスッキリ解消できる!

今どんなにバリバリと働いている人でも、定年を迎えればガラリと生活が変化します。それまで社会人として活躍していた人ほど、定年後の3大不安「お金」「健康」「社会からの孤立」に悩まされるでしょう。

しかし、そういった不安を解消するのは簡単です。定年後の不安は、定年後も働き続ければ、一挙に解決します。

今回は、定年後の3大不安と定年後に働くべき理由について、わかりやすく解説していきます。自分の老後にモヤモヤとした不安を感じているなら、当記事がきっと大きな助けになるはずです。

定年後の3大不安「お金」「健康」「社会からの孤立」

 

定年後の3大不安「お金」「健康」「社会からの孤立」

この章では、定年後の3大不安「お金」「健康」「社会からの孤立」について、解説していきます。不安は、知らないことが多いほど、余計に大きくなるものです。しっかりと状況を理解し、今後の対策を練っていきましょう。

定年後の生活には、お金はいくら必要か

政府が提言しているように、これからは人生100年時代が当たり前になっていきます。そう考えれば、60歳で定年となっても、まだ40年も人生は続いていくわけです。

定年で仕事がなくなれば、収入は基本的に年金のみ。はたして年金だけで定年後の生活費がまかなえるのか、そこが不安の根本的なポイントになります。

そこで総務省の家計調査※1を調べてみると、無職夫婦世帯の平均支出額は、月額224,436円というのがわかりました。

支出項目 金額
食料 ¥65,789
住居 ¥16,498
光熱・水道 ¥19,496
家具・家事用品 ¥10,434
被服および履物 ¥5,041
保険医療 ¥16,163
交通・通信 ¥25,232
教育 ¥2
教養娯楽 ¥19,239
そのほか ¥46,542
合計 ¥224,436

※1家計調査Ⅱ 総世帯及び単身世帯の家計収支のデータを抜粋して独自に作成

一方で、会社に勤務していた人の老齢年金平均支給額※2は、月額145,665円となっています。もし夫婦ふたり世帯で、どちらも厚生年金を満額もらえれば、当面は年金だけでもなんとか生活していけるかもしれません。

しかし、どちらか一方が国民年金(月額56,479円)のケースでは、合計しても22,000円ほど赤字が毎月発生します。また、前述の支出額は、持ち家が前提です。もし賃貸なら、さらに家賃分が支出に計上されます。

そういうわけで、夫婦ふたりが両方フルタイムで働いていない場合は、多くの世帯で近い将来生活が破綻するかもしれません。(貯蓄額にもよりますが)

この事実だけでも、冒頭でお話しした「定年後も働く」という選択肢が、かなり現実味を帯びてくるのではないでしょうか。

※2:令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 令和4年12月 厚生労働省年金局

あなたは100歳まで健康でいたいですか

前述のお金よりも、自分の健康に不安を抱えている人のほうが、もしかすると多いかもしれませんね。80歳になっても元気な人がいる一方で、多くの人は加齢とともに、なんらかの健康不安を抱えているものです。

下図は、年齢階級別の受療率を示したグラフです。年齢階級を問わず、全体的に横ばい・もしくは減少傾向を示しています。しかし、注目すべきなのは、そこではありません。

あなたは100歳まで健康でいたいですか

※参考:令和2年度 全国の受療率(人口 10 万対)は、「入院」960

65歳以上になると、入院・外来とも、いきなり段違いに受療率が激増していますよね。つまり、60歳前後までは健康だったとしても、多くの人は65歳を迎える時期から急激に体調を崩しているわけです。

前述のとおり、これからの時代は、定年後も働かないと生活が成り立ちません。定年後も元気で働き続けるには、できるだけ早いうちから、食生活の改善や適度な運動に取り組んでいきましょう。

定年後の居場所がない

お金と健康も大きな不安要素ですが、人によっては、定年後の孤独感が一番ツライと感じるかもしれません。とくに、今まで仕事に熱中してきた人ほど、就業中と退職後のギャップに参ってしまう傾向が強いです。

今まで周囲にいた人達とのつきあいを、退職とともに失ってしまう。これまでの人間関係は会社の看板があってこそだったと認めるのは、誰だってツライものです。

もしこういった状況を回避したいのであれば、定年前から会社以外の居場所をいくつか確保しておくしかありません。

居場所は、自分が心地よければどこでもOKです。趣味のサークルや地域の集まり、ボランティア、あるいは馴染みの飲食店に通うのだって素晴らしいと思います。

また、あなたが結婚しているなら、夫婦で参加できるような場所を見つけておくと、家族ぐるみのおつきあいが生まれるかもしれません。ぜひ、会社以外の活動場所に、どんどん参加してみてください。

仕事が定年後の不安を解消してくれる理由とは

仕事が定年後の不安を解消してくれる理由とは

定年後の3大不安について知っていただいたところで、今度は仕事が定年後の不安を解消してくれる理由を3点ほど解説していきます。

  • 定期的な収入源があれば、精神的に楽になる
  • お金があれば、健康に投資できる
  • 働くことで、社会との接点ができる

それでは、ひとつずつ見ていきましょう。

定期的な収入源があれば、精神的に楽になる

定年後の不安を解消するには、定期的な収入を得るのが、もっとも効果的です。

もし現時点で十分な貯蓄があるとしても、貯蓄を切り崩す生活は、想像以上に不安を増長させます。現状と同じ報酬はむずかしいとしても、年金以外に月10万円でも収入があれば、気持ち的にだいぶゆとりが出てくるはずです。

ただし年金に関しては、今後受給年齢の引き上げや受給額の減少が確実視されています。そういった状況を踏まえ、2019年に金融庁が、老後資金として最低2,000万円は必要であると発表したのは、まだ記憶に新しいところでしょう。

おそらく、この発表を聞いた多くの人が、2,000万円という金額の大きさに、驚きと不安を感じたはずです。

しかし定年後も継続して働けば、2,000万円問題も、あまり心配する必要がなくなります。すでに2,000万円を確保してある人は別としても、「定年後の10〜20年間で2,000万円を稼げばいい」と考えれば、なんだか希望が見えてきませんか?

お金があれば、健康に投資できる

生活に困っている人と十分な資産をもつ人では、健康に対する対応が大きく異なります。

お金があれば、スポーツジムに入会したり、高価なサプリメントを購入したりと、さまざまな予防が可能です。さらに定期的な検査のおかげで、体調の悪化を初期段階で発見でき、大病を患う確率が大幅に減少します。

ところが、金銭的に余裕のない状況では、病気になってから治療をするしか方法がありません。いったん病気が進行すれば回復に時間はかかるし、なによりも同じ生活を続ける限り、また大きな病気にかかる危険性があります。

なんといっても、健康で元気よく動ける体でないと、よい仕事はできません。これからまだ何十年も働き続ける私たちは、しっかりと稼いで、自分の体にどんどん投資をしていくべきなのです。

働くことで、社会との接点ができる

前述の孤独感とも関係する話ですが、定年後仕事をリタイヤすると、どうしても社会との接点が少なくなります。

その点、定年後もフルタイムで仕事を続ければ、これまでと同じように、社会とのつながりを維持しながら生活ができるはずです。

多くの人が、退職後には思い切り趣味に没頭して、旅行や地域活動も楽しみたいと考えています。しかし実際のところ、好きなことばかりやる生活に飽きてしまい、思ったよりも楽しくないという人も少なくないのです。

やはりこれまでに一生懸命仕事をしていた人にとって、仕事で得られる社会との接点は欠かせないものなのでしょう。

実際2017年に発表された「日経新シニアライフデザイン研究会とJTB総合研究所の共同調査」によれば、89%もの人が定年後も働く意思をもっているそうです。

日経新シニアライフデザイン研究会とJTB総合研究所の共同調査

※参考:「今シニア」「新シニア」の暮らしとライフスタイル (図 25)定年退職後の働き方について

また上図のとおり、中高年が定年を迎えても働きたい理由の第1位は、「社会との接点をもつため」となっています。有意義なシニアライフを送るためにも、やはりやりがいのある仕事は、重要なポイントになるといえそうです。

老後の不安を解消する具体的な方法

老後の不安を解消する具体的な方法

前述の通り、仕事は定年後の不安を大きく解消してくれます。とはいえ、仕事だけしていれば、充実した生活が送れるわけではありません。最後に、老後の不安を解消する具体的なアイデアを5つ紹介していきます。

ムダな支出を減らす

定年後の経済的不安を軽減するためには、収入を増やすのと同時に、ムダな支出を見直していく必要があります。

まずは、日々の消費パターンを分析し、必要ではないサブスクリプションサービスや定期購入をキャンセルすることからはじめてください。一つひとつの単価は数千円だとしても、ある程度まとまれば、すぐ万単位になってしまいます。

次に、電気やガス、水道といった公共料金を節約できないか考えてみましょう。もし今使っているエアコンやトイレがすでに15年以上経過しているなら、もしかすると最新式のモデルに変更するだけで、電気代や水道代を削減できる可能性が高いです。(15年はちょうど買い替えの時期)

なおもっとも金額の多い食費に関しては、やはりできるだけ自炊を増やすのが一番でしょう。コンビニの利用は控え、格安スーパーや直売所を活用すれば、万単位の節約も十分可能です。

余裕資金で投資をおこなう

定年後も仕事をすれば、当面金銭面での不安は解消されるでしょう。しかし、それはいつまでも健康で働き続けることが、大前提です。もし、急に病気になり働けなくなったら、一気に収入が減ってしまいます。

そういった不意の事態に備えるためにも、ぜひ投資に取り組んでください。大手銀行の普通預金に1,000万円預けていても、利子は年間わずか80円です。少し利率のいいネットバンクにしても、15,000円程度しか利子はもらえません。

その点、投資でうまく資金を運用できれば、大きく資産を増やすことも可能です。もちろん、投資ですから、損をする可能性もゼロではありません。

投資に不慣れなうちは、個別株ではなく、インデックス投資のような積み立て式の投資をオススメします。日経平均株価やS&P500といった株価指数と同じ値動きを目指すインデックス投資なら、大儲けもしない代わりに、大損のリスクもほとんどありません。

いずれにせよ、投資は失っても生活に支障のない余裕資金でおこなうのが鉄則です。あくまでも仕事の補完的役割と割り切り、決してムリはしないように心がけてください。

定期的な運動で全身の血流を改善

「人生においてやはり健康が一番重要」という意見に異論を唱える人は、まずいないでしょう。高齢者と呼ばれる年代になっても、元気で生き生きと生活していくには、定期的な運動が不可欠です。

適度な全身運動には、全身の血流を改善し、心臓病・脳卒中・高血圧といった病気のリスクを低減する効果が期待できます。また、下半身を中心に筋肉量を増やして、柔軟性を維持できれば、歩けなくなるリスクも大幅に軽減できるはずです。

とはいえ、ムリな運動はかえって体を痛めてしまいます。ウォーキングや水泳といった負荷の調節が容易な運動を中心にして、慣れてきたら筋トレにも取り組むと、バランスよく体が鍛えられるでしょう。

なお、WHOでは運動に関するガイドライン※を発表しており、高齢者(65歳以上)の運動量について、以下のように述べています。

  • 筋力向上:少なくとも週に2日、中強度以上の強度で筋トレ
  • 機能向上:少なくとも週に3日、中強度以上の強度でバランスと筋トレ要素を含む運動
  • 有酸素性身体活動:週300分以上の中強度有酸素運動、もしくは150分以上の高強度有酸素運動

上記は特別な運動である必要はなく、通勤のような日常生活や家事でも実現は可能です。病気の有無でも運動量は変わってくるので、興味のある方はガイドラインを参考にしてください。

※参考:WHO身体活動・座位行動 ガイドライン (日本語版)

リラクセーションでメンタル管理

定年後の生活において、心の健康は身体の健康以上に重要な要素といえます。いくら健康で元気に暮らしていても、加齢とともに衰えを感じることも多くなるでしょう。

社会との接点も少しずつ減ってしまう人も多く、そうなるとどうしてもメンタル面が落ちやすくなります。

メンタル面の落ち込みは、リラクセーションによって、ある程度予防やケアが可能です。瞑想・呼吸法・ヨガ・ロミロミ(ハワイの伝統的マッサージ)など、世の中にリラクセーション効果が見込める手法は数多くあります。

なかでもオススメは、「マインドフルネス」です。マインドフルネスは、瞑想で心を「現在」にフォーカスしていきます。

私たちは、本来今この瞬間を大事に生きていくべきです。それなのに、実際にはしょっちゅう過去や未来の不安について思いを巡らせています。

こうした心の動きを瞑想で現在に引き戻すのが、マインドフルネスにおける瞑想の役割です。マインドフルネス瞑想を定期的におこなうと、集中力が高まり、余計な雑念とともに不安やストレスから解放されます。

興味のある方は、ぜひ、気になるリラクセーションに取り組んでみてください。

積極的に孤独を楽しむ

一般的には、友達がたくさんいて、人と過ごす時間が多い人ほど充実した人生を送っていると考えられがちです。しかし、誰かといるというのは、自己成長に対する時間が少ないという意味でもあります。

もちろん、他人との交流も大切ですが、私たちはもっとひとりの時間を大切にするべきです。たとえば、読書や絵画、料理など、基本的にひとりでおこなう趣味は、当たり前ですがひとりでなければできません。

また、なにか新しい知識やスキルを学ぶには、やはりひとりでコツコツと勉強する時間が必要です。友達とおしゃべりしていたら、その場は楽しいかもしれませんが、あまり自己成長にはつながらないでしょう。

重要なのは、孤独をネガティブなものではなく、自分自身を高める絶好のチャンスと捉えること。人と過ごす時間、自分ひとりで自己成長に投資する時間、両方をうまく使い分けて、人生をよりよく高めていきたいですね。

まとめ

年齢や性別関係なく、誰もが定年後の3大不安「お金」「健康」「社会からの孤立」に対して、大きな不安をもっています。

今までは年金を頼りに、好きなことをして暮らすのが定年後の常識でした。しかしこれからは、年金に頼ることなくできる限り働き続けるのが、シニアライフのスタンダードになっていくでしょう。

とはいえ、定年後にどんな仕事をするかで、あなたの幸福度は大きく変わってしまいます。満足のいく仕事を探すためにも、弊社が無料で開催している「Webキャリアセミナー」をぜひ活用してください。