40代以上の人脈形成が人生を変える「社外人脈の重要性」

会社員として働いていると、上司と部下、同期といった社内の関係に、どうしても気を取られがちです。

たしかに社内の人脈は、円滑に仕事を進める上で、非常に重要な要素と言えるでしょう。しかし、定年を迎えても働く必要がある今の会社員は、もっと社外人脈の構築に目を向けるべきです。

今回の記事では、ミドル・シニアにとって社外人脈が大事な理由と、社外人脈を構築するポイントを解説していきます。

そもそも人脈とは

そもそも人脈とは

よく「人脈は大切」と言われていますが、そもそも人脈が大切なのはなぜでしょうか。本記事を読んでいる方であれば、すでにその答えを持っていると思います。

「若いうちはできるだけ多くの人脈を作っておきなさい」こう言われてきた方もいるでしょう。

人脈を持つことで、自分だけでは得られない情報を手に入れたり、新たなビジネスチャンス獲得に繋がりますよね。

実は、人脈形成は若い頃だけでなく、40代からの転職やキャリアアップにおいても非常に大きなポイントとなるのです。ここからゆっくりと解説していきます。

人脈を築くメリット

人脈を築くメリットは、情報収集やビジネスチャンスの獲得だけではありません。

スキルが高い方との出会いによって仕事の効率性が高まったり、多くの価値観に触れることで自分自身の視野を広げ自己成長に繋がったりなど、今よりも「豊かな人生」「充実した人生」となることでしょう。

また、自分が悩んだ時や困難な状況に陥った時に手を差し伸べてくれる存在でもあります。

ある有名人が言っていた例え話ですが、お金も家もなくなり行き場のない状況に陥ったとしても、1泊泊めてくれる人が10人いたら、10日間はどうにか生きていけると言っていました。

あなたと特に親しい方であれば、2泊3泊を受け入れてくれるケースもあるでしょう。

少し大袈裟な話ではありますが、ビジネスで失敗したり会社が倒産したとしても、人脈があれば人は生きていけるのです。

つまり、もしも現状に不安を抱えていて「環境を変えたい」「現状を打破したい」と思っているのなら、これまで・これからの「人脈形成」があなたを救ってくれるのかもしれません。

「成功者」は人脈を大事にする

ビジネスに成功している方は、必ず人脈を大切にしています。反対に言えば、どれだけ頭が良くて才能があったとしても、人脈を大切にできなければ日の目を浴びることはないでしょう。

人脈は、あなたの財産なのです。

社内人脈より社外人脈が大事な理由とは

社内人脈より社外人脈が大事な理由とは

会社員として長期間働いていると、いくら社外人脈が重要だと言われても、そう簡単には切り替えができないものです。ここでは、どうしてミドル・シニアが社外人脈を構築していくべきなのか、その理由をしっかりと解説していきます。

今回、お話ししていくのは、以下の3点です。

  • 会社を辞めたら、社内人脈は役に立たない
  • 転職や独立の際、力になってくれるのは社外の人脈
  • ただし、社内人脈も決しておろそかにしてはいけない

今後迷いなく社外人脈の構築を進めていけるように、しっかりと理由を押さえましょう。

会社を辞めたら、社内人脈は役に立たない

ミドル・シニア層にとって社内人脈よりも社外人脈が大事な理由は、現職を離れたら、社内人脈は正直あまり役に立たないからです。

このような言い方をすると、なにやら損得だけで人間関係を見ているようですが、決してそうではありません。社内人脈・社外人脈はどちらも重要であり、単純にそれぞれ役割が違うということです。

冒頭でも触れたように、徐々に定年が迫りつつあるミドル・シニアは、転職や起業を視野に入れて動かなければなりません。そのときにあなたを助けてくれるのは、社内の人脈ではなく、おそらく会社の外にある人脈でしょう。

少々シビアな話にはなりますが、「社内人脈はあくまでも会社内だけで通用する人脈」と考えておくべきです。

転職や独立の際、力になってくれるのは社外の人脈

前述のとおり、転職や独立の際に力を貸してくれるのは、間違いなく社外の人脈です。

繰り返しますが、会社に所属している間は、もちろん社内人脈も有益です。しかし、一旦その会社を退職すれば、ごく一部の例外を除き、社内の人脈はほとんど役に立ちません。

それでは、会社員時代の取引先はどうでしょうか。

長い間会社員として働いていれば、懇意にしている取引先の担当者が、ひとりやふたりいるはずです。時々個人的に飲みにいくような親しい関係ともなれば、あなたが会社を離れてもきっと力を貸してくれるはずだ、と考えてしまうのは当然かもしれません。

しかし残念ながら、取引先の知り合いは、「その会社に所属しているから成立していた関係」というケースがほとんどです。

あなたが退職すれば、取引先はなによりも、あなたの後任者との関係づくりを優先するでしょう。取引先を含む会社関係の人脈は、退職すればゼロになると、シビアに考えておいたほうが無難です。

ただし、社内人脈も決しておろそかにしてはいけない

ここまで、何度も社外人脈の重要性を話してきました。しかし、だからといって、社内人脈をおろそかにしてはいけません。

理由は3つ。

  • 幅広い社内人脈により、円滑に仕事が進む
  • 会社を離れても、必要なときには優先的に声をかけてもらえる可能性がある
  • 退社後に、悪評を流されたり、業務の邪魔をされたりするリスクを減らせる

困っている同僚を親身にサポートし、部下に対しても奢らずに接していれば、いざ会社を離れたとしてもきっと良好な人間関係をキープできるはずです。

そうすれば、社外に発注する案件が出た場合、真っ先にあなたへ声をかけてくれるでしょう。もしかすると、手が回らない取引先の案件なども、紹介してもらえるかもしれません。

また真摯に社内の人間と向き合えば、生涯お付き合いできるような、信頼しあえる友人ができる可能性もあります。社外人脈だけでなく、ぜひ社内の人間関係構築も忘れないでください。

幅広い社外人脈を築く4つのポイント

幅広い社外人脈を築く4つのポイント

社外人脈の重要性は理解できても、なかなか良好な社外人脈を作れずに悩んでいる方も多いはずです。そこで、幅広い社外人脈を築くポイントを5点ご紹介していきます。

  1. まずは、同業者の集まりで認知度を上げる
  2. 趣味や地域の集まりなど、仕事以外の繋がりを大事にする
  3. Takeばかりは嫌われる。Give(与える)できる人になろう
  4. 自分ができることを的確にアピール
  5. 自分がやりたいことや目標を伝える

5つともすべて重要なポイントばかりです。一つずつじっくりと身に付けていきましょう。

1.まずは、同業者の集まりで認知度を上げる

社外人脈を広げるなら、まずは自分のことをできるだけ沢山の人に知ってもらう必要があります。そのためには、まず同業者の集まりへ積極的に参加してみてください。

社外人脈というと、異業種交流会をイメージする人が多いと思います。しかし、異業種交流会に参加しても、ただ名刺を交換しただけで終わってしまうケースが非常に多いです。

考えてみれば、異業種交流会に参加する目的は、みんな「仕事がほしい・取引先になりそうな人を見つけたい」人ばかり。そう考えると、よほどタイミングよく条件が揃わない限り、参加者と信頼関係を築くのは難しいと言えます。

その点、同業者が集まる会合や勉強会なら、お互いに協力しあえる関係へ発展しやすいです。また、積極的に会合の運営業務に関われば、自然と外部の人脈も増えていくでしょう。

このように、まずは同業者の集まりで実績と知名度を上げていくのが、社外人脈を広げる最も確実な方法だと思います。

2.趣味や地域の集まりなど、仕事以外の繋がりを大事にする

幅広い人脈を持っている人は、趣味や地域の集まりなど、日頃から仕事以外の繋がりを大切にしているものです。もちろん、そもそも仕事とは関係ない集まりなので、ここでの人間関係が直接仕事に役立つケースは少ないでしょう。

でも、それでいいのです。たとえ仕事には結びつかなくても、楽しく過ごせる仲間が一人でも見つかれば、こういった会合に参加した意義は十分にあります。

また、自分の仕事をさりげなく伝えておけば、なにか相談を受けることがあるかもしれません。あるいは雑談中にでも、転職を希望している旨を話しておけば、仕事関連の知り合いや転職先を紹介してもらえる可能性もあります。

とはいえ、あまり露骨に自分のことばかりアピールすれば、相手に嫌われてしまいます。余計なことは考えず、まずはそのような集まりを楽しんでください。

3.Takeばかりは嫌われる。Give(与える)できる人になろう

社内外問わず、常に「Take(相手から奪う)」ばかり考えている人は、本当に嫌われます。私が積極的に異業種交流会を勧めないのも、参加者の多くがTakeばかり考えているからです。

もし、新しく知り合ったばかりの人が、営業臭をぷんぷんと匂わせていたら、決して仲良くなろうとは思わないでしょう。自分に置き換えてみたら、すぐに分かることです。

ところが実際には、多くの人が大なり小なり売り込みをしてしまいます。もし、末永く付き合える社外人脈が欲しいなら、まずは「Give(与える)」できる人になりましょう。

Giveしてくれる人に対して、人はなんらかのお返しをしようとする習性があります。

デパ地下の試食販売などは、まさにこの習性を活用した販売手法です。無料で試食を提供していると、相手に「タダで食べさせてもらったし、一つくらいは買っておくか」という心理が芽生えます。

社外人脈の構築にも、ぜひこの習性を活用してみてください。時間はかかるかもしれませんが、Giveの気持ちを持ち続ける限り、きっとあなたを信頼してくれる人が見つかるでしょう。

4.自分ができることを的確にアピール

前述のとおり、相手になにかをGiveするためには、「自分はなにができるのか」を明確にしておく必要があります。そのためには、まず自分のキャリアを棚卸ししましょう。

本来、こういった自己分析を行う際には、子どもの頃から現在までを通して振り返ります。しかし今回の目的は、あくまでも「自分ができることの確認」です。

社会人になってからの、自分の業績・スキル・得意なこと・苦手なことなどを、じっくりと棚卸ししてみてください。

ただし、自分一人で自己分析を行うのは、案外難しいものです。より正確な自己分析をしたいのなら、まずは自己分析の正しい方法を学ぶところからスタートしましょう。

自己分析の正しいやりかたに興味のあるかたは、ぜひ私どもが開催する無料Webワークショップで確認してください。

5.自分がやりたいことや目標を伝える

自分ができることをアピールした上で、自分がやりたいことや目標を積極的に伝えていくことがおすすめです。しっかりと口に出して伝えることで、それが「事実」となり、周りから仕事やご縁が舞い込んでくることがあるからです。

しかし、あくまでも先ほどお伝えしたGiveの気持ちを最優先として考えてください。いきなり「自分は○○したいんだよね」と言われても「そのために自分を利用しようとしている?」と警戒心を持たれてしまいます。自分が目指している目標について、相手にも「なんとなく覚えておいてね」レベルで伝えることです。

つまり「相手にアピールする」ことと勘違いしないでほしいのです。まずは相手にGiveをすること。そして口に出して自分の目標を伝えること。声に出すことは「自分自身へ言い聞かせる」効果がありますが、それと同時に周りが認識することで、いざという時に動いてくれるきっかけとなります。

例えば「○○企業に勤めたい」と思っている方が、多くの人脈を作り、相手に多くのGiveをしたとします。しかし、自分自身の目標を心の内に秘めたまま思い悩んでいては、誰もあなたが「○○企業に勤めたい」と思っているとは想像がつかないからです。目指している業種や業界が現状と異なればなおさら、自分の進みたい道を把握しておいてもらうことをおすすめします。

何度も言いますが、露骨なアピールは禁止です。相手にTakeして欲しいと思うのではなく、自分の進むべき道について、相手と共に再確認するためと捉えてください。

プライベートで人脈を広げる手段

プライベートで人脈を広げる手段

続いては、プライベートでの人間関係についても触れていきましょう。人脈は「人生を豊かにする」ことにおいて重要だとお伝えしてきました。つまり、今後の自分の人生において、社内外問わずプライベートでの人脈形成が大切なのです。

ここでは、ビジネスにとってだけでなく、あなたの人生にフォーカスした「プライベートでの人脈形成の手段」についてご紹介していきます。

取引先や顧客とコミュニケーションをとる

とは言いつつ、取引先や顧客とのコミュニケーションが大切なのは変わりません。取引先や顧客との関係性をより深く築く方法です。

これまでの仕事における経験を活かした人脈形成ができます。自分が課題や問題に直面した際に「仕事でとてもお世話になったから、この人が困っているのなら仕事関係なくプライベートでも助けてあげたい」という気持ちになってもらえる可能性は十分にあります。

ビジネスでの人脈は、プライベートにも及ぶ絶大な絆となるでしょう。

交流会やセミナーに参加する

趣味での交流会や、同じ転職を目指す方へ向けたセミナーなどに参加するのも一つの方法です。自分が今まで関わってこなかった別業界の人と出会い、繋がりを持つきっかけとなります。

例えば、趣味での交流会では同じ価値観を持つ人と出会えるため、共感し合える仲間に出会えるはずです。また、同じ転職を目指す方との出会いによって、同じ悩みや課題を共有し共に乗り越えることができるでしょう。

我々「知命塾」でもグループワークを実施しております。転職のために人脈形成を考えている方や、そうではない方も、きっと新しい発見の場となるはずです。ぜひチェックしていただければと思います。

オンラインツールを活用する

現代では、インターネットが著しく普及しオンライン会議やオンラインイベントが当たり前になりつつある時代となりました。そこで、オンラインツールを活用した人脈形成も一つの方法です。

オンラインでは、時間や場所を問わず、世界中の人々と繋がれる手段となります。現地に行き直接会話をしなくても、オンライン上で人脈を形成することも可能なのです。

もちろんリアルで直接会話をすることに意味があると思っている方もいるでしょう。それも間違いではありません。

リアルでの人脈形成が難しい場合の手段として、オンラインツールを上手く活用することがおすすめです。時間や場所を問わずコミュニケーションをとることができるため、効率的な手段となります。

人脈作りが上手い人になる具体的な方法

人脈作りが上手い人になる具体的な方法

最後に「新たな転職先が決まったけど人脈が作れるか不安」「新たな職場で人脈を作る方法が分からない」と悩みを抱える方に向けて、具体的な解消方法をお伝えいたします。

人脈作りが上手い人になるためには、次の4点を意識してみてください。

一期一会を大切にする

定番ですが、一期一会を大切にしましょう。毎日会う同僚や上司、よくお世話になっている取引先は当たり前ですが、特に「会う機会が少ない上司や顧客」ほど意識するべきです。一度会っただけの人をしっかりと覚えておきましょう。再び会った時に「昔に一度しか会っていないのに覚えていてくれている」と思ってもらえるからです。

たまにしか会わない人だからと上辺の付き合いをしがちかもしれませんが、会う機会や回数が少ない人ほど、相手を大切に思う気持ちを持つことがポイントです。

雑談を大切にする

人脈作りが上手い人は、何気ない会話や雑談をしっかりと覚えています。そして覚えているだけでなく、その話題を次に繋げるために利用しているのです。よくあるのが、一度挨拶で会話したけど、二度目に会ったら話題がなくてそれっきりになってしまうパターンです。非常に勿体無いと思います。

話題は何でも構いません。初めて挨拶や会話をする人に対しては「今日は風が強いですね」「花粉が舞ってきましたね」など何かしら雑談をするように心がけましょう。また、同僚や上司などと仕事の合間にする雑談こそ、人脈形成のチャンスです。しっかりと会話を覚えておき、次回会った時に「前回風が強かったですね。今日はどうですか?」「花粉症と言っていましたが今日はどうですか?」など、話の種にすると良いでしょう。

相手の話をしっかりと聞く

人脈作りが上手い人は、相手の話をしっかりと聞きます。40代以上にありがちなのは、相手の話の途中で自分の話をしてしまうことです。相手が話し出した時に、割り込んで自分の意見や主張を述べてはいけません。相槌を打ちながら、しっかりと相手が話を終えるまで聞く意識を持つことが大切です。

相手の話を最後まで聞くだけで「この人は自分の話を良く聞いてくれる」「話やすい」と思ってもらえるのです。

長く付き合える関係を構築する

人脈作りを成功させるためには、長く付き合える環境を構築する努力をしましょう。長く付き合える関係を構築するためには、相手との会話をきちんと覚えておくことです。先程、雑談が大切だとお伝えしました。相手との接点を覚えておくこと、相手との出会いのきっかけをしっかりと覚えておくことをおすすめします。

普段あまり会わない相手の場合は忘れがちかもしれないので、メモをとって記録しておくのが良いでしょう。日記を付けておくことも効果的です。定期的にコンタクトをとる努力をすることも、長く付き合える関係を構築するポイントです。

また、どんな小さな約束でも守るようにしてください。約束を守ることで、相手からの信頼を得ることができます。相手を大切にする気持ちを持ちながら、コミュニケーションを大切にしましょう。

まとめ

年齢を問わず、社会人にとって、社内・社外どちらの人脈もなくてはならない重要なものです。

しかしこれから転職や起業によって、定年後の新しい仕事人生を開拓する必要のあるミドル・シニアは、なによりも社外人脈の構築に力を注いでいかなければなりません。

社外人脈の必要性をしっかりと理解した上で、ぜひ今回紹介した「人脈を構築するポイント」をしっかりと実践してみてください。

そして、人脈作りが上手い人になるために、相手の話をしっかりと聞き、雑談を大切にしましょう。

プライベートでも長く付き合える関係を構築することは、あなたのこれからの人生の財産となるはずです。