今私たちを取り巻くさまざまな技術や環境が、以前とは比べものにならないほど早い期間で変化を続けています。多くのビジネスパーソンはそういった変化から取りこぼされないように、不安を抱えながらも新しい技術や知識を必死に学び続けているのが現状です。
しかしよく考えてみてください。
これまでにも「自動車」「携帯電話」「パソコン」「インターネット」など、私たちのライフスタイルを根本的に変えてしまうような変化はたくさんありました。ところが今や誰もが当たり前のように、こういった技術を使いこなしています。
そう考えると、いつの時代も「変化の時代」であることに変わりはなく、そのつどあなたも自分をバージョンアップしてきたはずなのです。
つまり変化自体が問題なのではなく、問題なのは「自分がもっているスキルを自分自身が明確に把握していないこと」、そして「自分のスキルを時代の変化とうまくマッチさせられていないこと」でしょう。
当記事では、ビジネスパーソンが身につけるべき4つのポイントと、スキルを可視化して今後のキャリアに活かしていく方法について解説します。ぜひ最後まで読んでみてください。
=目次=
ビジネスパーソンが身につけておくべき4つのスキル
この章では、これからの時代を生き残っていくうえで、必ず身につけておきたい4つのスキルについて解説していきます。今回お話しするスキルは以下の4つです。
・コミュニケーションスキル
・企画立案スキル
・ITスキル
・タスク・時間管理スキル
それではひとつずつ解説していきます。
1.コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルとは、簡単にいうと「人とのやりとりを円滑に進めるための能力」のことです。コミュニケーションスキルのなかでも、ビジネスシーンにおいては、とくに以下の能力が求められます。
- 伝えるべき内容を正確に相手に伝える
- 相手の発信する内容をきちんと理解する
- 短時間に最低限の信頼関係を築ける
さまざまなアンケートでも必ず「必要なスキル」で上位にランクインするコミュニケーションスキル。ではなぜコミュニケーションスキルがそこまで重要視されるのかというと、以下のような大きなメリットがあるからです。
- 打ち合わせや商談がスムーズに進む
- パートナーとの連携がよくなり、作業効率がアップする
- 円滑な人間関係をつくりやすい
必ず対人とのやりとりが発生するビジネスにおいては、コミュニケーションスキルが求められるのは当然といえます。
ただコロナの影響でリモートワークの機会が増えたため、コミュニケーションの内容がこれまでとは変化してきました。Zoomなどの普及により対面のコミュニケーションはなくならないとしても、チャットやメールなど、文字によるコミュニケーションにも精通する必要があるでしょう。
2.企画立案スキル
参考:必要とされるスキルの変化と求められる教育・人材育成のあり方
これからの時代、「企画立案スキル」がますます重要視されるのは間違いありません。
なにかしらのアイディアを形にするには、上司や取引先・融資先の承認を受ける必要があります。どんなによい企画でも、具体的な計画書にまとめ上げ、周囲の賛同が得られなければ意味がないのです。
上図総務省の識者に対するアンケートによると、AIが一般化するこれからの社会で求められる能力として、「企画発想力や創造性」が21%で同率1位に選ばれています。
ところが同調査で実際に働く人にアンケートを取ったところ、「企画発想力や創造性」は、5位にランクダウンしました。
つまり現場レベルでは、まだ企画立案スキルの重要性に気づいていない人が、たくさんいることになります。だからこそ、人よりも先に企画立案スキルを身につけられれば、大きなチャンスになるのです。
3.ITスキル
今の時代、PCやネットの知識がまったくないビジネスパーソンはいないと思いますが、ITスキルをどれくらい身につけているかで今後の働き方は大きく変わってきます。
なぜなら、これからAIが台頭し、ITの知識と技術がないと対応できなくなるからです。
上図経済産業省の「IT人材需給に関する調査」によれば、2020年度IT人材の不足人数は、約30万人。10年後の2030年には、平均で約45万人、最大約79万人も不足すると予測されています。
つまり早い段階でITスキルを身につけておけば、IT関連の仕事に就ける可能性が大きく増えるわけです。
4.タスク・時間管理スキル
東証一部上場企業「株式会社PR TIMES」が実施したアンケートでは、「働き方改革にともない、新入社員にさらに必要となるスキルは?」という質問に対して、「スケジュール・タスク管理スキル」が第2位となっています。(第1位はコミュニケーションスキル)
理由として、以下のような回答があげられています。
「きちんとスケジュールを管理できないと仕事の優先順位がめちゃくちゃになるから」
「労働時間の短縮にともない、限られた時間内にいかに効率よく業務を進行できるかが、重要になっていくから」
たしかに、実務においては複数の仕事を常に同時進行していきますから、優先順位をつけて効率的に仕事を進めないと生産性が著しく低下するのは間違いありません。
またリモートワークが普及したことで、今後より「タスク・時間管理」が重要視されるでしょう。タスク・時間管理スキルは、ぜひ早い段階で身につけたいスキルといえます。
ビジネスパーソンとして今まで身につけたスキルを可視化しよう
ビジネスパーソンが身につけておくべき4つのスキルがわかったところで、今度は現在自分がどういうスキルをもっているのかを、しっかりと確認(可視化)する必要があります。
この章では自分のスキルを可視化するために必要な3つのポイントについて、お話ししていきます。
- 自分では自分がもっている本当の能力はわからない
- 自分のスキルを棚卸し「自分史をつくる」
- 他力活用のススメ「知命塾とは」
それではひとつずつみていきましょう。
自分では自分がもっている本当の能力はわからない
まず知っておいて欲しいのは、「自分では自分がもっている本当の能力はわからないことが多い」ことです。
冒頭で、変化のたびにあなたも自分をバージョンアップしてきたはずという話をしました。
ところがそうやって身につけたスキルは、あくまでも日常業務のなかで必然的に対応してきたもの。したがってこれまでに、どういうスキルを自分がもっているのかを、整理し言語化したことがありません。そう、自分では案外自分の能力をわかっていないものなのです。
人材派遣会社アデコグループが2018年におこなったアンケートによると、会社の人事評価制度に不満をもつ人は約62.3%にも上りました。そのうち約4人に1人が、「自己評価よりも低く評価される」と考えているそうです。
もちろん本当に評価システムがうまく機能していない場合もありますが、もしかすると自己評価がそもそも正しくおこなわれていない可能性も十分考えられます。
いずれにせよ注目すべきなのは、「自己評価と他者評価のズレが当たり前のように発生している」ことでしょう。
自分のスキルを棚卸し「自分史をつくる」
自分のスキルを可視化するには、一旦自分のスキルや経験を棚卸しして、自分史をつくってみるのがオススメです。
自分史とは、これまでに経験してきたことを時系列で年表に仕上げたものをいいます。自分史をつくる過程で、今まで意識しなかった自分の価値観や長所・短所などがきっと明確になってくるはずです。
自分史の作り方に決まりはありませんが、小学生から現在までを振り返り、以下のような項目を抽出するとつくりやすいでしょう
-
- 好きだったこと
- 得意だったこと
- 結果が出たこと
- やりたくなかったこと
- できなかったこと
自分史ができたら、これまでの人生で「自分の得意なこと・好きなこと」をうまくキャリアに活かせているかどうか、振り返ってみてください。
もし自分史をみて、自分の強みを活かせていないと感じたら、今後のキャリアを思い切って方向転換する必要があるかもしれません。
他力活用のススメ「知命塾とは」
自分史をつくる際には、できる限り第三者と一緒に「自分を見つめなおす作業」をおこなうようにオススメしています。
なぜなら自分ひとりでは、どうしても「客観的な視点」で自分をみるのが難しいからです。
誰でも、いいことは強調して、悪いことには触れたくないもの。その結果、自分に都合のいい過去に変換され、中身がスカスカな自分史になってしまうケースは案外多いのです。これではわざわざ自分を見つめなおす意味がありません。
そこで有効なのが、第三者による客観的視点です。
手前味噌になりますが、私ども社会人材学舎では、仲間と一緒に自己成長を図る学びの場「知命塾」を運営しています。研修の一環として、ほかの受講生と一緒に現状のスキルを明確にし、理想の将来像までの道筋をつくっていきます。そうやってつくられた自分史は、バイアス(先入観や偏見)のない、本当に客観的な意見を反映したものです。
また明確になった自分のキャリアをこれからのキャリア形成に活かせるように、「キャリア相談」や「ミドルシニア向け職業紹介サービス」なども用意しています。
ぜひこういった場を活用して、自分の適正なキャリアを導き出してください。
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まとめ
冒頭でも話したように、「自分がもっているスキルを自分自身が明確に把握していないこと」、そして「自分のスキルを時代の変化とうまくマッチさせられていないこと」が、ビジネスパーソンにとって大きな問題になっています。
そこで今回は、ビジネスパーソンが身につけるべき4つのポイントと、スキルを可視化して今後のキャリアに活かしていく方法として、「自分史の作成」をご紹介しました。
また自分のキャリアを正確に振り返るためには、第三者による客観的な視点が必要なことも、ご理解いただけたと思います。
今回紹介した「知命塾」を活用しながら、ぜひ自分のキャリアと将来の働き方を上手にマッチさせていきましょう。