【イベント実施報告】アルムナイ限定実務家講演会(第3回)

実務家講演会第3回も[知命塾OBの体験談]がテーマでした。
講演日は外出自粛も解除され、通常勤務に戻った企業が増えてきたことにともない、教室で聴講する方もおられました。
コロナ対策を行いつつ教室で、ご自宅などからWEBでも、たくさんの方に参加していただき、有意義な時間が持てたのではないかと思います。

さて今回の話者は、一部上場企業で事業部長に就かれている尾立維博氏にお願いしました。
氏は、会社がまだベンチャーだった頃に中途採用され、会社の発展に大きく寄与された方です。
ご自身で作成された大量かつ魅力的なスライドを繰りながら仕事の苦労ややりがいを語ってくださいました。
お話の内容は重厚ながら、質問には気さくに、ときに笑いを交えて、的確に応答していく姿はさすがに堂に入ったものでした。


講演内容「ベンチャー企業に勤めてみたら・・・」

サブタイトル:『知命塾OB体験談シリーズ~』
2020年7月29日実施


キャリア遍歴

尾立さんのキャリアは大手薬品会社へ新卒入社することで始まりました。営業を中心に携わりつつ、外国のビジネススクールへ留学したり他社との共同事業に参加したりと順調にキャリアを重ね、経営企画や新規事業企画を任せられるまでになりました。
その経験をバネに外資系日本法人の社長として華々しく躍進・・・となるはずが、思ったように舵取りができず、残念ながら1年ほどでその座を降りることになります。
さらに次の仕事を探そうにも簡単には見つからず、失業状態が1年もの間続きました。
それまでは仕事としての難しさはありつつもキャリアそのものは順風満帆に歩んできた尾立さんに、初めてと言ってもいい挫折が訪れます。

突然与えられたキャリアの空白期間、なかなか見つからない仕事、そんな状況は尾立さんに絶望的な気持ちをいだかせます。
自分の存在価値にまで及びそうになるほど、考える時間はたくさんありました。
そして「社会に属していること、社会から必要とされることがいかに喜びであるか」というご自身の純粋な気持ちに行き着いたのです。

そんな折、たまたま出会った「知命塾」に5期生として参加し、大企業経験者が中小・ベンチャー企業へ移ることで、給与だけでなく経験を活かして自らの場所を得ることができ、またやりがいを得られるだろうという希望に視界が開けたといいます。

「知命塾」で学んだことを実践するなか、不思議な巡り合わせで今の勤務先である一部上場企業(入社時はベンチャー企業)を紹介されました。自分の経験が活かせるだろうという分野、再び社会へ属することができるという喜び、そしてなにより社長の夢には大義があり、尾立さんの「社会への恩返しがしたい」という希望と合致したのです。
そこで自分の履歴(職位)にはこだわらず平社員として入社し、地道な社内人脈づくりと大企業や外資での社長経験を応用して実績を重ねた結果、1年半で事業部長まで上り詰めたのです。


キャリアを振り返って

右肩上がりに順調なキャリアを歩んできたなかで、突然訪れた谷間のような時間。そしてそこからの再起。
尾立さんはスティーブ・ジョブズの言葉を引用して今の想いを語ってくれました。

「点と点を繋げよ」

将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎあわせることなどできません。できるのは、後からつなぎ合わせることだけです。だから、我々はいまやっていることがいずれ人生のどこかでつながって実を結ぶだろうと信じるしかない。そう信じることで君たちは確信を持って己の心の赴くまま生きていくことができる。

“Stay Hungry, Stay Foolish.”
2005 Stanford Commencement Address


尾立さんからのアドバイス

一時期下降をたどっていた気持ちを切り替え、視野を広げて活躍の場を中小企業へ移した結果、大躍進した尾立さん。
知命塾5期生として、アルムナイ・現知命塾生へのメッセージを頂きました。

  • いいと思ったことはとにかく行動に移す(考えているだけでは無意味。0点!)
  • たくさん失敗すること(学びを得る)
  • 好奇心を持つこと(面白がらないと楽しくない)
  • 変化し続けること(立ち止まっていることは後退を意味する)
  • 道が2つある場合は険しそうな方を選ぶこと(人としての成長につながる)
  • 人を尊重すること(Respect)…意見を戦わせることは大切だが、人格否定はNG
  • 特にリーダーに…「言行一致」&「魂は細部に宿る」


お忙しいなか、たくさんの示唆のあるお言葉をありがとうございました!